Premiere Pro、Photoshop Lightroom Classic、Photoshopでの実作業の快適さをチェック
6コアCore i7とMX350で写真・動画編集も快適、汎用性高くリーズナブルな高コスパ15.6型ノートPC「mouse K5」
マウスコンピューターが販売する「mouse K5」は、ディスクリートGPUによりグラフィック系の処理を強化することで、MMORPGなどの軽めのゲームなら快適に楽しめる幅広い汎用性を持った15.6型ノートパソコンだ。また一般的なウェブブラウジングや、動画再生、ブラウザーゲーム、テキスト作成や事務処理でも、必要に応じて内蔵グラフィックとディスクリートGPUを切り替えて利用できるため、全体的に処理能力が底上げされている。
同社のスタンダードパソコンブランド「mouse」シリーズの、15.6型ノートパソコンの中では唯一のディスクリートGPU搭載機でもあり、高性能で実績のあるインテルCore i7-10750Hと、発熱に少なく汎用性の高いGeForce MX350を組み合わせることで、性能と価格のバランスもいい。
前回はベンチマークテストで処理能力の基本的なチェックを行ない、かなり実用性が高いのは確認できた。今回は、mouse K5の紹介ページに「動画編集、エンコード、画像編集におすすめ!」と載っていたので、実際に実作業を行なった際の使用感をレポートしよう。
GeForce MX350搭載でクリエイティブ作業にも使える!
Adobeの「Premiere Pro」で動画編集とエンコード(書き出し)、「Photoshop Lightroom Classic」と「Photoshop」で画像編集を実際に行なってみた。
まずは、動画編集ソフトとして有名なPremiere Pro。手軽に本格的な編集作業が行なえるので、有名なだけでなく人気も高く、プロからアマチュアまで幅広いユーザーがいる。
今回は、2400万画素のデジカメで撮影した約30秒のカットを複数つないで約10分の動画を作成し、Premiere Proに用意されているYouTube用のプリセットで、4Kの書き出し時間を測定。加えて、補正やエフェクトを入れたときの様子もチェックしてみた。なお、書き出し時には補正やエフェクトは加えず、撮ったままのカットをそのままつないだものを使用している。
4K動画の書き出しにかかった時間は約4分50秒と早く、再生時間のほぼ半分の時間で処理が行なえた。GeForce MX350のCUDAコアによるハードウェアアクセラレーションがいい具合に機能しているようだ。過去のテストでは同じCPUとGeForce GTX 1650 Tiの組み合わせで約4分30秒だったので、GeForce MX350でもかなり優秀な結果を出せるとわかった。
編集作業のチェックとして、補正とカット間にトランジションを挿入し、プレビュー再生の様子や動作をチェックしたが、操作はスムーズそのものだった。トランジションが機能している部分の再生はさすがに駒落ちがあるが、確認は十分に可能。補正の追従性も高く待ち時間を感じることはほぼない。エンコードも編集も快適な部類に入るだろう。
次は画像編集ソフト「Photoshop Lightroom Classic」で、主にデジカメで撮影したRAWデータの現像に用いる人が多いだろう。今回は2400万画素のデジカメで撮影した500枚のRAWデータをPSD16bit形式とJPEG(最高画質)に書き出すのにかかった時間を測定。そしてLightroom Classicでの編集作業の様子をチェックしてみた。
PSD16bitへの書き出しは約6分40秒、JPEG(最高画質)への書き出しは約7分20秒とかなり早く書き出しが行なえた。書き出し速度に焦点を当てると、インテルの第9世代Coreを搭載するハイエンドデスクトップパソコンに迫り、ノートパソコンとは思えない速度での書き出しが可能だった。ストレージがNVMeで接続されていることもあり、書き出し待ちが発生することなくCPUの処理能力を損なわずに発揮できている。
また、画像編集といえばPhotoshopの仕事と思う人も多いかと思うが、明るさや色の補正、パース修正あたりはLightroom Classicで処理をしたほうが効率がいいことも多い。mouse K5はLightroom Classicでの処理性能も高く、補正作業は快適だった。
最後に、Photoshopもチェック。2400万画素のデジカメで撮影した6000×4000ピクセル・PSD16bitのデータを開き、補正、編集作業を行なってみた。PhotoshopではディスクリートGPUへの要求はそれほど高くなく、一部のフィルターやプラグインでのプレビュー作成に利用されることが多い。基本的な動作は内蔵グラフィックを搭載したPCでも動くが、ディスクリートGPUを搭載したPCのほうが格段に反応速度が早くプレビューの作成と表示も早い。
補正作業は細かくパラメータを動かし反映されるプレビューを見て補正量を決めるが、プレビュー速度や反映速度が作業効率に大きく影響するので、内蔵グラフィックのみのパソコンとディスクリートGPUを搭載したパソコンでは格段に作業効率が変わってくる。
例えば、フィールドぼかしなどの一部のフィルターではディスクリートGPUの効果が大きく発揮される。GTXやRTXといったより高価なGPUを搭載するパソコンも多いが、よほど大きな解像度(1億万画素クラスのデジカメデータ)でレイヤーを10枚単位で重ねるのでなければ、GeForce MX350でも十分に実用性があり、動画や画像編集においてはかなり効果は高い。
汎用性が高く価格のバランスもいい1台
Premiere Pro、Photoshop Lightroom Classic、Photoshopと3つのソフトで試したが「動画編集、エンコード、画像編集におすすめ!」のうたい文句は偽りなしといっていいだろう。内蔵グラフィックのみでは重く感じる作業でも、GeForce MX350というディスクリートGPUが搭載されていることで、安価に高い汎用性と快適な作業が可能になり、エンタメ要素もそつなくこなせるノートパソコンになっている。
今回行なった処理はすべて基本的な作業なので、処理の負荷も高くはなく、凝った作業では重くなる可能性が高いが、通常の範囲での作業なら十分快適に作業が行なえる。動画や画像の編集ができる環境を手軽に構築したいと考えている人や、ある程度の処理能力を持ったセカンドパソコンがほしい人なにはいい候補になるだろう。
また3D系の処理はちょっと重いが、動画や画像、DTPといった2D系の処理や事務作業はもちろん、6コア/12スレッドで動作する高性能なCPUとディスクリートGPUの組み合わせで、たくさんの資料を表示しながらビデオ会議でプレゼンするといったマルチタスクな作業でも快適にこなせる、コストパフォーマンスの高い魅力的な1台だ。
mouse K5の主なスペック | |
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CPU | Core i7-10750H(2.6GHz~最大5.0GHz)、6コア/12スレッド |
グラフィックス | GeForce MX350 |
メモリー | 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 512GB SSD(NVMe対応) |
ディスプレー | 15.6型(1920×1080ドット) |
内蔵ドライブ | ー |
通信規格 | 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.0 |
インターフェース | USB 3.1 Type-C、USB 3.0×2、USB 2.0、HDMI出力、Mini DisplayPort、有線LAN端子、ヘッドフォン/ヘッドセット出力、マイク入力、SDカードリーダー |
サイズ/重量 | およそ幅359.5×奥行238×高さ22.8mm/約1.95kg |
OS | Windows 10 Home(64bit) |
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