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『ぼくのなつやすみ』シリーズを手がけた綾部 和氏の最新作!

話題の"オラ夏"をレビュー、笑いと癒し、懐かしさ満載の夏休みを思う存分堪能できる良作

2021年08月12日 16時00分更新

夏休みならではの遊びが満載!

 オラ夏では虫取りや魚釣りなど、さまざまな遊びが楽しめる。『ぼくのなつやすみ』シリーズをプレイした経験のある人ならピンとくることだろう。どれも夏の風物詩といった感じで、一度体験するだけで日本の夏休みらしさが味わえるとともに、「あぁ、夏休みだなぁ」と思わず呟きたくなるほどのやすらぎも得られるのがたまらない。

 遊び自体はボタンを押すだけの簡単操作なので、瞬発力や判断力など、センスが問われるような難しさはほぼ皆無。『ぼくのなつやすみ』シリーズもそうだったが、夏休みを体験するうえでストレスを誘発させる要素が一切ないのが良いポイントだ。そういった、誰でも気軽に楽しめる仕様が実に良心的だと感じた。

虫取り網を使ってさまざまな虫を捕まえよう。虫に向かってボタンを押すだけで捕まえられる

川や池では釣りができる。釣り竿を投げて魚影が餌に近づくのをじっと待ち、ヒットしたタイミングでボタンを押すだけ

野菜の栽培もでき、操作自体は指定された畑に水を撒くだけでOK。数日で野菜が育つ仕組みになっている。野菜が育ったらお店に納品して、おこづかいを手に入れよう

「ダンシングジロー」では「DJ遊び」ができる

 さらに「恐竜バトル」という対戦ゲームも用意。本作に登場する恐竜にスキルアップのカードを付与し、じゃんけんに勝つと攻撃ができるといったものだ。また、「SPゲージ」をためることで必殺技を発動できる。たとえじゃんけんに負け続けても形勢逆転のチャンスが望めるということだ。

 それだけでなく、あいこになった場合はルーレットを回し、その成否によって攻撃ができる仕様になっている。相手が次に出すものを教えてくれる「ヒントチャンス」もあるため、一概に運がなかったら絶対に勝てないわけではないのだ。シンプルだけど奥が深いミニゲームといってもよく、ついつい夢中になってしまうほどの面白さがあった。

アッソーの子どもたちと「恐竜バトル」が楽しめる。ストーリーを進めると大会に参加できるようになる

チョコビを買うと、恐竜バトルに役立つカードが手に入る。高いレアカードがあれば戦闘がかなり有利になるので、お金があったらチョコビを買い漁ったほうがいいだろう

 また、本作には「おこづかい」を稼ぐ要素もある。といってもしんのすけはまだ5歳なので、お仕事ではなく「お手伝い」だが。お手伝いという言葉を懐かしく感じたのは筆者だけだろうか。子どもの頃はよく親にお手伝いを頼まれたっけ……。

 少し余談が入ってしまったが、下宿先の「ひのやま食堂」のほか、「霧島ストア」「忍法カレー」には納品してほしい物を記した掲示板が設置されている。野菜や魚など、条件に合うものを納品することでおこづかいがもらえるのだ。そして、1つの納品が完了するたびに☆がたまり、☆を5個そろえるとヨヨコからボーナスが支給される。おこづかいを稼ぎたければ、☆を5つそろえることを意識するといいだろう。

指定された野菜とお魚を納品するとおこづかいをゲットでき、☆がたまっていく。☆が5つたまるとヨヨコからボーナスが支給されるといった流れだ

 お手伝いは上記の納品だけではない。ストーリーを進めると、キャップから子ども記者に任命されるイベントが発生する。アッソー内で発生する数々のイベントや実績をこなすことで絵日記に記録され、キャップに報告するとそれらは記事として新聞に掲載……といった流れだ。もちろんおこづかいももらえるぞ。

 撮影した写真に対して、「直球」か「変化球」のいずれかに応じたコメントを添えるだけで絵日記が更新されていく。まるで夏休みを過ごしているような、小粋な演出がたまらなく感じた。

アッソーで体験したことは積極的に記事化していこう。優れた記事があればその分評価も上がり、新聞契約者数の拡大に貢献できる。目標を達すると良いことがあるかも……?

写真にコメントを添えることで絵日記になる。こちらは「直球」を選んだ場合

こちらは「変化球」

 オラ夏でできることは山ほどあり、1日1日をどう過ごすかはプレイヤー次第だ。遊びにいってもよし、おこづかいをガンガン稼いでもよし、ストーリーを進めてもよしと楽しみ方はさまざまだ。このあたりも『ぼくのなつやすみ』シリーズの精神を継承していると感じた点で、縛りを感じることなく、思い思いの夏休みを満喫できるようになっている。これぞ平和なゲーム、またはクリエイターの優しさが存分に詰まったゲームといえるだろう。

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