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バイクレビュー

大型二輪免許取得したてだけどHonda「CB1000R」でスマホ連携を試した!

2021年08月07日 15時00分更新

CB1000R(167万900円)

 Apple CarPlayやAndroid Autoに代表されるように、クルマとスマホを接続して、ナビや音楽、メッセージを見るのは当たり前の時代。ではバイクはどうなのでしょう? それを実現したのが、マイナーチェンジしたHondaのバイク「CB1000R」です。さっそくそのライディングフィールと共に、最新のインフォテインメントシステム「Honda Smartphone Voice Control system(HSVCS)」を体験してみました。

教習所で大型自動二輪のみ履修する波状路に挑戦する筆者

 話は、担当編集のスピーディー末岡から「CB1000Rがスマホと連携できるみたいだから記事書いて」という取材依頼にさかのぼります。「インフォテインメント系の取材なら、サクッとできる」と思った私。ですが、そう簡単ではありませんでした。というのも、私が大型二輪免許を持っていないから。Hondaに相談したところ、当然ながら免許を取得していない人物に車両を貸し出すことはできないとのこと。ならばとASCII.jpのバイクレビューでおなじみの大型二輪免許を取得している美環さんに打診。ですが小柄な彼女の返答は、「CB1000Rは足が届かないから無理です」という、お断りの連絡が。これは無理だと担当編集のスピーディー末岡に相談したところ「YOU、免許取っちゃいなよ!」と言うではありませんか。ということで大型二輪免許を取得すべく、教習所に入校することに。その模様は別記事で公開する予定ですが、晴れて免許を取得できたので、記事化できる運びとなりました。10万円以上の経費がかかった大赤字記事です。

CB1000R

 CBとはHondaの4ストロークエンジンを搭載するオートバイのシリーズ名で、大ざっぱに言えば、CBの後ろにRが付けばフルカウルのスポーツタイプ、何もつかなければエンジンまでカウルやカバーのないネイキッドモデル(もしくはハーフカウル)になります。また同社はCBもしくはCBRの後ろに排気量を表す3桁もしくは4桁の数字が並ぶのが慣例。さらに数字の後ろにRが付くとスポーツ系であることを示し、そのRの数が多ければ多いほど、スポーツ性が高くなります。今回ご紹介するCB1000Rは、つまり「1000ccの4ストロークエンジンを搭載したネイキッドタイプのスポーツバイク」ということになります。わかりやすいですね。

教習車でおなじみのCB400 SUPER FOUR。多くの方が初めて触れるバイクでもある

 このCB1000Rを長兄に、CB650R、CB250R、CB125Rの4車種をラインアップ。普通二輪免許の最大排気量である400ccのモデルがないじゃないか! と思われますが、そこは教習車でおなじみの「CB400 SUPER FOUR」がありますので。

CB1000R

 CB1000Rが誕生したのは2018年のこと。実は2007年に初代が欧州を中心に登場していたようですが、こちらは日本では発売しておらず、日本では2代目からの販売となりました。当時のプレスリリースによると「CB1000Rは開発の狙いを、「魅せる、昂る、大人のためのEMOTIONAL SPORTS ROADSTER」と定め、スポーツバイクとしての普遍的な魅力である操る楽しさに加え、上質な走りを実現するために、マスの集中化と軽量化を図っています」とのこと。ちょっと分かりづらいですが、私はオトナに似合うスポーツテイストのバイク、と解釈しました。

 というのも、Hondaの大型バイクラインアップを見ると、1000cc以上に限ってみても白バイでも使われているCB1300 SUPER FOUR、CB1100、CRF1100L、レブル1100、CBR1000RR-R FIREBLADE、GL1800、CRF1100L Africa Twin、CB1000Rなどと種類が豊富。それぞれタイプが違うのですが、ザックリ言えば「CBR1000RR-Rほどガチじゃなく、ネイキッドタイプでスポーツっぽい走りを楽しみたい。けれどCB1300 SUPER FOURよりはコンパクトなモデル」が位置づけの様子。

CB1000Rのヘッドライト

5インチのフルカラーTFT液晶メーター

CB1000R採用のY字7本スポーク

 今回のマイナーチェンジでは、ヘッドライト、ラジエーターシュラウド、エアクリーナーカバーの形状を変更。またシートレールやリアフェンダーをスリムな形状にするとともに、ホイールをY字7本スポークに変更。そして記事冒頭のバイクとスマホの連携機能を可能とした、5インチのフルカラーTFT液晶メーターが装着となります。ボディカラーはマットバリスティックブラックメタリック、キャンディークロモスフィアレッド、マットベータシルバーメタリックの3色展開です。

 それでは、今回の取材するきっかけとなった「スマホ連携」を試すことにしましょう。バイクとスマホの連携は、このCB1000Rが初めてというわけではありません。すでに同社GoldWingやCRF1100L Africa Twinには、Apple CarPlayが実装されています。今回のスマホ連携の最大の特徴は、Honda自らが開発したところ。Apple CarPlayをバイクで使ったことはないのですが、バイクメーカーの視点で作った方がユーザビリティーに優れるものができる、と判断したのでしょう。

スマホとバイクをBluetoothで連携

 仕組みは、Honda Smartphone Voice Control systemというアプリをインストールし、車両とスマートフォンをBluetoothで連携させるだけ。あとは、左ハンドルバーの十字キー、もしくは市販のバイク対応Bluetoothヘッドセットによる音声コントロールで、ナビゲーションや音楽、電話、メッセージサービスなどを、スマホに触れることなく行なうというもの。バイク運転中、電話が鳴ったからといって画面をタップ、というわけにはいきませんから、音声コントロールやキー操作で行うというのは理にかなっています。

アプリとバイクを連携

 まずアプリをインストールするのですが、これがなんとiOS非対応! イマドキ両対応じゃないの? とiPhoneユーザーの筆者はASCII.jpスマホ担当でもあるスピーディー末岡の手を借りる事に。続いて車両と接続するのですが「どうやってスマホと車両をBluetooth接続するのか」がワカラナイ。我々、マニュアルを見る前に色々と触るクセがあり「こういったものって、ボタン長押しじゃないの?」などとイジり倒します。でも連携せず。仕方なく車両のマニュアルを見るわけですが、これが昔大流行したゲームブックのように、詳しくは〇〇ページへ、が多すぎて難解。アラフォーの目には見づらい小さな文字と相まってイライラは頂点に達します。もっとも車両に積載するマニュアルですから、小さく作るのは仕方のないところ。何も考えずにカンで動かしてきた我々が悪いのです。

設定メニューを呼び出した様子

ブルートゥースの登録端末をリセットした様子

ペアリングに成功!

 こうして悪戦苦闘すること10分、ハンドル左側にある十字キーを右長押しでメインメニューを呼び出し、そこからBluetooth機器をリセット、そしてペアリングが行なわれました。リセットしたのは、どうやら車両側が1台しか登録できないという仕様のため。複数スマホ持ちの方は、ちょっと注意が必要です。

 アプリを起動すると、ナビや電話、メッセージ、音楽がスマホ上に表示。併せてバイクのディスプレイ右側に状態が映し出されます。ハンドル右手の十字キーとバイク用ヘッドセット(別売)でコントロールできるとのことですが、筆者は友達がいないのでヘッドセットの用意はなく、今回は十字キーでコントロールすることに。

ナビを起動した様子。ディスプレイに方向が表示されるようになる

 ナビは音声で行き先を入力したり方向を指示するというもの。これならスマホホルダーをバイクに取り付けなくてもナビを使うことができます。ただし利用するにはBluetoothのヘッドセットが別途必用になります。

音楽再生を利用した様子

音楽再生を利用した様子

 音楽再生はYouTube Musicで利用してみました。十字キーで音量調整やトラック送り、そして一時停止をします。トラック戻しができないのは残念なところ。自分はバイク運転中に音楽は聴かないのですが、好きな音楽を楽しみながらツーリングをされる方には良い機能ではないでしょうか(ヘルメットにバイク用インカムを装着して使います)。

電話をかけようとしている様子

 電話はスマホのマイクを使い「栗原に電話」と頑張ったのですが、どうやら音声認識はイマイチで、数回やってようやく起動(実際は「栗原」とだけで正しく認識できるそうです)。ここもまたAndroid端末に依存するところだと思いますので、Hondaのアプリ云々というものではないかもしれません。こちらから発信するより、着信専用として使うのがよいでしょう。ちなみにメッセージ機能は上手くいきませんでした。Android AutoもApple CarPlayもですが、音声認識によるメッセージ機能、未だに一度たりとも成功したことがありません。

 「おー、これならバイクにスマホホルダーを付ける必要もないし、なによりタップとかしないから安全だよね」というわけで、バイクとスマホ連携の取材は終了。CB1000Rを返却して……、というわけにはいきませんので、車両の説明に移ります。

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