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不適切検査で社長交代の三菱電機、100周年の節目に訪れた危機に

2021年08月02日 09時00分更新

一連の品質に関わる不適切行為に関して陳謝する漆間氏

担当していた社会システム事業から生じた不適切行為

 三菱電機の一連の品質に関わる不適切行為に関して、漆間社長兼CEOは強い危機感を持っている。

 杉山社長兼CEOの辞任の決定打となった長崎製作所における鉄道車両用空調装置などの不適切検査は、かつて、漆間社長兼CEOが担当していた社会システム事業に含まれる。

 「社会システムを担当していたときに、品質問題を発見できなかったことは重く受け止めている」としながら、「風土改革を進めているさなかに、深刻な品質問題が相次ぎ判明し、三菱電機に対するステークホルダーからの信頼は失われている。経営の一翼を担ってきた立場から、極めて深刻に受け止めている」と語る。

 また、「不適切行為が発見されてから、何度か社内調査を行ってきたが、見つけきることができなかった。社内には、モノが言えない風土があったり、上司から言われると指摘できなかったりといった部分もあったのではないか。外部人員で構成される調査委員会に、それを直接従業員に確認をしてもらい、問題があればウミを出し、会社の風土を変えたい。また、経営幹部は、いままでの行動を改め、従業員がモノを言える状況を作ってきたのかということを反省し、透明性を高めていかなくてはならない」とする。

 実際、社長就任初日に、「いまは、品質部門がそれぞれの事業本部に属しているが、新たに品質に関わる担当執行役員を選任し、その傘下に品質部門を置き、出荷権限を渡す。また、今後は、外部からも人材を招聘し、新しい考え方も取り入れていきたい。そして、まずはやってみるといったように、失敗を許容する風土を社内に作りたい」と、組織体制や風土づくりにもメスを入れる姿勢を早速示してみせた。

 「グループ内に内在する様々な問題を徹底的に洗い出し、問題が発生するプロセスや主因を究明し、こうした問題を起こさないよう再発防止策をしっかりと講じる」と宣言する。

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