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LIFEBOOK UH Keyboard

FM-8以来40周年を迎えた富士通、記念碑として世界最軽量ノートのキーボードを

2021年07月20日 14時00分更新

27年ぶりの歴史的大敗

 MM総研の調べによると、2020年度の国内パソコン市場において、富士通のシェアは10.9%に留まった。前年度の16.2%から5ポイント以上もシェアを落としている。

 長年、20%前後のシェアを維持してきた富士通が10%のシェアとなったのは、1993年に10.1%を記録して以来、27年ぶりのことだ。当時は、その翌年には、FMV DESKPOWERシリーズを投入し、個人向けパソコン市場において販売を急増。19.4%にまでシェアを高めその後、トップシェアを争うまでに存在感を高めた。こうした歴史を振り返れば、2020年度の状況は、27年ぶりの「歴史的大敗」を喫したともいえる。

 富士通のパソコンは、量販店などを通じた個人向けパソコンはFCCLが担当。法人向けや教育分野向けルートは富士通の法人営業部門が担当している。

個人向けパソコンシェア

 量販店市場においては、デスクトップパソコンでは4年連続トップシェアを維持。ノートパソコンでも、テレワーク需要を取り込んで、好調に推移しており、前年度よりもシェアを0.2ポイント高めている。FCCL自身は、過去最高益を叩き出すほどの好調ぶりだ。

企業向けパソコンシェア

 だが、法人ルートでは、GIGAスクール需要の波に乗れず、この分野を担当する富士通本体のユビキタスソリューションは、売上収益が前年比26.5%減と、事業規模を4分の3にまで減らした。法人市場におけるシェアは、2019年度16.8%から、2020年度は9.4%と大きく減少している。

 2020年度は過去最高の出荷台数を記録した国内パソコン市場において、富士通の法人ルートは、その需要をキャッチできずに、それが「歴史的大敗」につながったといえる。

 2021年度は、富士通パソコンにとって40周年目の節目。それを記念した第1号製品で、キーボード単体という新たなビジネスをスタートし、クラウドファンディングにも挑戦し、成果を収めたことは大きく評価できるだろう。

 FM TOWNSをはじめとする新たなパソコンを投入してきた歴史や、世界最軽量ノートパソコンの座を維持しつづけているFCCLは、新たなことに果敢に挑戦してきた歴史がある。新たな挑戦はそれに通じるものがあり、これから発売される40年記念モデルへの期待感を高めることにもつながっている。挑戦する姿勢はこれからも維持してほしいと感じる。

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