週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

山根博士のグロスマレビュー

日本で発売「OPPO Find X3 Pro」の兄弟機「Find X3」はほとんど差がなく使える

2021年07月03日 12時00分更新

OPPO Find X3

日本でも発売中のOPPO Find X3 Proの兄弟機
「OPPO Find X3」

 OPPOのフラッグシップモデル「OPPO Find X3 Pro」が日本で発売された。1億色表示のディスプレーや高画質カメラを2つ搭載したAV性能を高めたハイエンドモデルだ。中国ではこの OPPO Find X3 Proに加え、兄弟モデルとして「OPPO Find X3」も販売されている。より手軽な価格で購入できるOPPO Find X3を入手したので使い勝手をレビューしよう。

 OPPO Find X3はチップセットにクアルコムのSnapdragon 870を搭載。6.7型(3216x1440ドット)の大型高解像度なLTPO AMOLEDディスプレーに5000万画素カメラ2つを含む4つのカメラを採用、10ビット(10億色)の表示と10ビット撮影に対応する。ちなみに上位モデルのOPPO Find X3 Proはディスプレーやカメラ、バッテリーなど基本性能は同等で、チップセットにSnapdragon 888を採用している。

 中国での価格はOPPO Find X3 Proがメモリー8GB+ストレージ256GBモデルで5499元(約9万4000円)。一方OPPO Find X3の価格は8GB+128GBが4499元(約7万6000円)、8GB+256GBが4999元(約8万5000円)となっている。同じメモリー構成で両者の価格差は約9000円だが、OPPO Find X3はストレージ容量を落としたモデルなら約1万8000円安く購入することができるわけだ。

OPPO Find X3はOPPO Find X3 Proとチップセット以外の性能はほぼ同等だ

宇宙船をイメージした本体デザイン

 本体サイズは約74×163.6×748.3mm、重さは193g。ディスプレー形状は左右の角を落としたエッジデザインで、フロントカメラはパンチホール型、3200万画素を搭載。セルフィー性能の強さはOPPOの特徴の一つでもある。本体カラーは3色あり、ホワイトとブルーは背面はつや消し仕上げ、今回レビューするグロスブラックは光沢ガラスの表面仕上げとなっている。

OPPO Find X3の前面と背面。鏡面仕上げのようなグロスブラック

 背面仕上げで目を引くのが「宇宙船をイメージした」というカメラ周りのデザインだ。2つの5000万画素カメラと顕微鏡カメラの3つが大きく目立ち、小さな望遠カメラを加えた4つのカメラが背面左上に配置されている。カメラ部分は本体よりも出っ張っているが、iPhone 11/12シリーズにみられるエッジを強調したデザインではなく、カメラの表面はフラットにそろえ、台座部分は滑らかな曲線で本体へと流れていく。カメラを強調したスマートフォンが多い中で、OPPO Find X3のこのデザインは高画質カメラを搭載することをあまり意識させないかもしれない。

カメラ周りのデザインは他のスマートフォンにはない独特なものだ

 右側面から見るとたしかに宇宙船のようなデザインと感じるかもしれない。なお、右側面の電源ボタンにはOPPOのスマートフォン共通のOPPOカラー、緑色のラインがさりげなく入っている。

本体を右側面から見る

 左側面には電源ボタン、本体下部にはUSB Type-C端子とnanoSIMカードスロットを備える。SIMカードのトレイは上下にナノSIMカードを装着可能なデュアルSIM仕様だが、microSDカードを装着することはできない。またOPPO Find X3 Proとの差異として、eSIMには対応していない。

左側面はボリュームボタン、下部にはUSB Type-Cとヘッドフォン端子

 10ビット、10億色が表示できるディスプレーは最大輝度が1300nit、さらに500万:1という高いコントラスト比を提供。より忠実な色を再現できるという。10ビットで撮影した画像もそのまま表示できるというわけだ。また、多色表示可能なディスプレーの特性を生かし、色覚障害のある方々向けに表示色を調整する機能も備えている。

 ディスプレーのリフレッシュレートは5~120Hzまでの自動可変にも対応し、コンテンツに応じて最適な表示をすることで消費電力を抑制できる。モバイルゲームの利用にも適しているだろう。

10億色表示対応のディスプレー

 ディスプレー埋め込み型の指紋認証センサーの反応は良好。センサーの位置は一般的なスマートフォンよりも下に位置している。ロック解除時にセンサーの周りに表示されるアニメーションは複数から選ぶこともできる。

指紋認証センサーはやや下に位置する

便利機能満載なColorOS 11

 次に本体内部を見てみよう。OSはAndroid 11をベースにしたOPPOカスタマイズのColorOS 11を搭載している。アプリドロワーのないiOSライクなUIデザインだ。中国モデルのためGMS(グーグルモバイルサービス)は非搭載でOPPO独自の「App Market」を搭載するが、Google検索やChromeはそこから落とせるようだ。

ColorOS 11のホーム画面とクイック設定。Android 11ベースのColorOS 11を搭載

 ColorOS 11にはいくつか便利な機能があるが、今回はアプリ起動に関するものを3つ紹介しよう。

クイック起動
画面ロックの状態で指紋認証センサーを押し、ロックが解除されても指先を離さず押したままにしておくと、指紋認証センサー周りにアプリのショートカットが5個(カスタマイズ可能)表示され、指先をスライドしてアプリを起動することができる。
スマートサイドバー
画面の左または右から内側にスワイプすると、アプリのショートカットが並んだバーが表示される。上2つは最近使ったアプリ、下4つは好みのアプリを割り当て可能で、4個以上登録した場合は下にスクロールして選択できる。
クイックリターンバルブ
アプリ起動中にホームボタン付近を指先で回すように(バルブをひねるように)回すと、そのアプリの画面の最適な情報が小ウィンドウとして現れ、常時表示できる。地図アプリのナビゲーション画面を常に出しておく、と行ったこともできる。ただし対応アプリはわずかで(Baidu地図など)、そのアプリでも一部機能(地図ナビゲーション)だけが小ウィンドウで表示できる。

クイック起動(左)。スマートサイドバー(中)。クイックリターンバルブ(右の赤枠内)

 AnTuTuのスコアは725469と良好。Snapdragon 888を搭載するOPPO Find X3 Proやサムスン電子の「Galaxy S21」シリーズよりはやや劣るが、ファーウェイのKirin 9000を搭載する「Mate 40 Pro」と同等レベル。Snapdragon 870でも十分なパフォーマンスが得られることがわかる。

AnTuTuのスコア。HUAWEI Mate 40 Proと同レベルのパフォーマンスだ。右は今回のモデルのシステム構成

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事