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「セコム・ホームセキュリティ」と連携させたApple Watchを活用

Apple Watchで離れて住む家族の健康管理ができる? セコムの新サービス

2021年06月01日 18時00分更新

 セコム株式会社は5月19日、「セコム・ホームセキュリティ」と連携させた「Apple Watch」を活用した「セキュリティUX(ユーザーエクスペリエンス=体験)向上」および、活動量や心拍数などの「みまもり情報の活用」の2つのサービスを開発。2021年6月より実証を行ない、9月以降に順次提供予定。

 同社代表取締役社長の尾関一郎氏は、「変わりゆく社会、変わらない安心」というモットーを掲げ、新型コロナウィルスなど社会情勢の変化に対応してゆくには共想戦略が重要という考えを示し、先端テクノロジーを取り込めるクラウド基盤「あんしんプラットフォーム」を紹介。今回がその最初のステップとなるということだ。

 また、高齢者単独、高齢者夫婦のみの比率が年々増加し、「老老介護」状態の問題など日本の高齢化社会における課題に触れた。セコムが今まで提供してきた駆けつけサービスだけでなく、平時におけるみまもりニーズや、先端テクノロジーを活用した人とテクノロジーが融合したサービスの必要性を感じたことが今回のサービス提供になったという経緯の説明があった。

 続いて、同社常務執行役員の上田理氏より、「安否みまもりサービス」および「ホームセキュリティとApple Watchの連携」に関して概要説明が行なわれた。

既存のセンサーを活用し、新しい安心サービスを提供

 最初に、現在のホームセキュリティの仕組みとサービスに関して説明から。センサーの情報を組み合わせ、防犯だけでなく「駆けつけサービス」などにも役立てられているということで、実は「スマートホーム用のセンサーがすでに配備されている」ような状態だったという。

 このような解析をするなかで、駆けつけサービス通報への前兆がデータに現れることに気づき、データ解析により安心を届けるサービスが提供できるのではないかというのが開発のきっかけとなった。

 「安否みまもりサービス」は、「セコム・ホームセキュリティ」の防犯センサーの検知情報を「セコムみまもりクラウド」に蓄積して分析。離れた場所に住む家族がスマートフォン専用アプリ「いつでもみまもりアプリ」で、生活リズムやセンサー検知回数などを確認し、離れて暮らす両親などの暮らしの様子を緩やかに見守ることができるサービス。

 センサーによって、いつもと違う生活リズム、活発に動いている様子な少なくなったなどの変化が見られた時は、直接連絡するきっかけにもなり、気になるときには駆けつけを要請することもできる。また、オプションの温湿度センサーを設置することで、熱中症などの心配がある際に役立てることができるとしている。

 今後の開発では、転倒などの姿勢の変化、就寝中の呼吸の有無などをリアルタイムで確認できるセンサーとの連携も予定されており、より安心、安全を届けるサービス提供を目指したいと締めくくられた。

開発中の転倒検知のセンシングデモの様子

Apple Watchを活用して健康管理やみまもりに活用

 さらに、Apple Watchと連携したホームセキュリティのUX向上、活動量や心拍数などの「みまもり情報の活用」に関する2つのサービスに関して発表があった。

 「セキュリティのUX」では、外出、帰宅の際、Apple Watchアプリからの通知を受けて、Apple Watchの画面をタップするだけでセキュリティのON・OFFができるようになり、便利さ、快適さの大幅な向上が見込まれる。

 「みまもり情報の活用」では、Apple Watchで取得した歩数、消費カロリー、運動した時間、心拍数などのデータと、「セコム・ホームセキュリティ」が検知した設置場所(多くの場合自宅内)での生活リズムや活動量のデータを「セコムみまもりクラウド」に蓄積し、分析・可視化する。自分自身の健康管理に活用できるほか、離れて住む両親などの活動状況を確認してみまもりに役立てることができるとしている。

 今回のプロジェクトは、セコムとパートナーとの戦略的な協働プロジェクトのブランド「SECOM DESIGN FACTORY」から誕生しており、Appleからのアプリケーション開発の技術的なサポートも受けている。

 セキュリティUX向上アプリは2021年9月前後、みまもり情報の活用アプリは価値検証を経て機能を精査し、2021年11月〜12月くらいにはサービス開始したいという。

 みまもり情報の共有に際しては、Apple Watchの着脱や、充電などの課題があるが、Apple Watchのソロループであれば伸縮する素材で手首に通すだけという手軽さも評価された。充電に関しても、台の上に乗せるだけで充電できる充電台を使うことで充電のし忘れ防止が期待できるとしている。

 当初は、年配世代のみまもりアプリとしてスタートの予定だが、若い世代向けに開発を進め、例えばUX向上アプリではスマートロックと連携してより便利に使えるようにしたり、自分自身の健康管理機能、ホームセキュリティがスマートホームのHUBになるなど、生活に根ざした開発を進めてゆきたいという。

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