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SUPER GT 第2戦富士 GT300クラスは“元ミク”の河野がGRスープラで悲願の初勝利!

 5月3~4日に2021年のSUPER GT第2戦「たかのこのホテル FUJI GT 500km RACE」が開催され、開幕戦にも負けないほどの熱戦が展開された。その中で、GT300クラスは60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)が今季初優勝を飾った。

60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT

 ゴールデンウィーク恒例の500kmレース。毎年多くのファンで賑わうのだが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、人数を制限し、パドックへの一般入場禁止など、様々な対策を施してのレース開催となった。それでも、2日間を通して晴天に恵まれ、いつもと変わらない熱気に包まれて500kmのレースが行なわれた。

晴天の中、レースは無事に開催された

 GT300クラスでポールポジションを獲得したのが61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)。決勝でのスタートからライバルを引き連れて、周回を重ねていったが、中盤に入って台頭してきたのが、ここ富士を得意とするGRスープラ勢だった。まずは1回目のピットストップで、恒例のタイヤ無交換作戦をとってきた52号車 埼玉トヨペット GB GR SupraGT(吉田広樹/川合孝汰)だ。

ポールポジション獲得後の井口卓人選手(右から3番目)と山内英輝選手(右)

61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT

 今回から導入が決定したFCY(フルコースイエロー、コース全域で追い越し禁止で速度制限がかかる)が実際に実施されるなど、いつもとは違ったレース展開となったが、それでも吉田と川合は今季初優勝に向けて周回を重ねた。

 2度目のピットストップも難なくこなし、チェッカー目前というところまで迫っていたが、残り10周を切るタイミングで52号車が突然スローダウン。マシントラブルにより、戦線を離脱することとなってしまったのだ。

52号車 埼玉トヨペット GB GR SupraGT(吉田広樹/川合孝汰)

 これにより、トップに立ったのは60号車 GRスープラGT。しかし61号車のスバルBRZに加え、55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮)が背後につける三つ巴のトップ争いとなった。

55号車 ARTA NSX GT3も加わって三つ巴の争いに

ピットアウトをする55号車 ARTA NSX GT3

 首位を走っていた60号車の河野にとっては、自身のGT300初優勝がかかった最大のチャンス。しかし、ひとつでもミスをすれば、後続の2台の先行を許すことになる……。大きなプレッシャーと戦いながらも、絶対にトップチェッカーを受けるという強い意志で、河野はポジションを守りきり、最終的に0.7秒差で優勝を飾った。吉本にとっては2019年の第6戦オートポリス以来、河野はうれしいGT300初優勝で、パルクフェルメでは大粒の涙を流していた。また古巣である初音ミク、GOODSMILE RACING & TeamUKYO(GSR)のメンバーやそのファンからも祝福の言葉がかけられていた(河野の父親はGSRのチーフエンジニア)。

初勝利で歓喜の涙を流す河野選手(中)、エースドライバーの吉本選手(右)、そして飯田 章監督(左)

2位には61号車のスバルBRZ、3位には55号車のNSX GT3が続いた

 こうして激戦を制して勝利を手にした60号車だが、吉本は「まともにレースをしていたら52号車にはかなわなかったと思います。クルマもタイヤもさらに開発していって、強豪チームをガチンコでやっつけられるように、強くなっていきたいと思います」と、同じGRスープラGTを使用している52号車のパフォーマンスにさらに追いついていかねばと気を引き締めていた。

今回は残念ながら8位と沈んだ4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG

 これまでの苦労が報われ、念願の初優勝となった河野だが、こちらも気持ちはすでに“次”に向いている様子。「僕らのチームの実力もすごく上がってきていますので、今回の優勝はうれしいですが、これを通過点だと思って、今後もっともっとレベルアップして、チャンピオンを目指したいと思います」と力強く語っていた。

 開幕戦で下位に沈み、サクセスウェイトが少なかったチームが上位に来る結果となったGT300クラスだが、これでチャンピオン争いは横一線状態となった。次回の第3戦鈴鹿は残念ながら延期が発表されたが、今後、どのようなバトルが展開されるのか、ますます目が離せない。

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