高校に対しては、小中学校のような一律支援ではない
調査では、現在の整備状況の算出している。40自治体のうち、端末整備台数を37自治体が回答。これらの自治体の公立高校における合計整備台数は67万8829台となった。37自治体の公立高校の生徒数は155万1642人であり、端末配備率は44%となっている。整備はこれからが本番となる。
GIGAスクール構想は、小中学校向けには「児童生徒が使用するPC端末整備」として、1人1台環境実現に向け、1台あたり4万5000円を補助。2019年度で1022億円、2020年度には1951億円もの予算を計上したが、高校への整備は、一律支援ではなく、「低所得世帯などの生徒が使用するPC端末支援」として、2020年度第3次補正予算として161億円を計上し、そこで4万5000円を補助する仕組みになる。
高校での整備を一律にしなかったのは、すでに1人1台環境が整備されていたり、普通高校以外にも、商業高校や工業高校など、授業内容に応じた整備環境が必要など、学校ごとに多様な整備実態があることを考慮。子供の学びの保障と教育機会均等の観点から低所得世帯の高校生に対し、貸与などを目的に、端末の整備補助を行うことにしている。
高校での整備は、地方財政措置や自治体の財源を使用して行われてきた経緯があるが、高校版GIGAスクール構想の内容をみると、今後の高校への1人1台環境の整備は、保護者負担などの措置が積極的に検討されることになる。
教育分野に対して、長年の導入実績を持つ内田洋行では、高校における1人1台端末導入の方法には、個人が購入したスマホも含めて、自由に端末を持ち込む「BYOD(Bring Your Own Device=自由持ち込み方式)」、学校がある程度、端末の仕様や機種を複数指定して、利用者が選択し、購入を斡旋する「CYOD(Choose Your Own Device=選択購入方式)」、学校が端末の種類や性能を完全に指定する「BYAD(Bring Your Assigned Device=指定購入方式)」、そして、学校や自治体が購入した端末を生徒に貸与する「機材貸与」の4つの方法があるとする。同社では、「状況に応じて、様々な方法で端末整備が進み始めており、整備方式にはそれぞれ、メリットとデメリットがある」と指摘する。
今後、高校への1人1台体制の整備が、どんな形で進むのか。PC業界も注視している。
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