端末は手段であって目的ではない、現場に適切な選択権を
高校における端末の選定に関しては、教員の83%が「自治体または学校が選定に関与すべき」と回答。保護者では86%が「学校が関与すべき」と回答している。「各家庭が任意で選択すべき」との回答は、教員では17%、保護者では14%に留まった。
学校が機種を選定するべきとした保護者の間からは、「学校に適切な端末を選択してほしいから」という理由が最も多く64.4%を占め、次いで、「端末を割安に購入できる」の54.9%となった。また、「端末スペックの違いによって、子供の学習機会格差が生じることを防げる」という理由も39.9%に達しているほか、「教科書と同じ考え。教材になるので統一した方がいい」、「自分たちではどの端末がいいかを判断しかねる」といった意見もあった。
また、教員からは、「端末の選定は学校や自治体に任せて欲しい。端末は手段であって、目的ではない」といった声も聞かれている。
MM総研では、「検討している配備モデルが、情報活用能力の向上など期待に沿う姿かを確認し、グランドデザインを重視する必要がある」と提言している。
学校で使う端末は各自が用意して持ち込むべきか?
1人1台端末の整備の費用負担については、意見が大きく割れる結果となった。
40自治体のうち、約半分となる19自治体が「保護者負担」を利用している、あるいは検討していると回答。そのうち、10自治体が機種指定のない私物の端末の持ち込みを想定しており、3自治体が、保護者の費用負担ではありながらも、学校が指定した機器を購入して持ち込みことを実施あるいは検討しているという。国および自治体の予算で、配備および検討している自治体は21団体となり、半数をわずかに超えた。
また、教員を対象にした調査では、53.1%が「政府や自治体の全額負担が望ましい」と回答。「一部負担が望ましい」とした21.0%を合わせると、教員の74.1%が、政府や自治体に何らかの支出を望んでいることがわかった。
保護者に対する調査では、端末費用が保護者負担の場合、負担できる金額が「年間1万円未満」とした声が最も多く、35.3%となったが、「0 円(負担できない)」といった回答も、28.9%を占め、2番目になっている。
MM総研では、「大勢として、何らかの家庭支出を含めて、1人1台環境を支持するという調査結果は、保護者が教育のデジタル化に期待を寄せていることの裏づけだといえる」としている。
なお、生徒用端末の1人1台の整備については、公立高校の教員の74%が賛成、26%が賛成しないと回答。保護者では、82%が賛成すると回答し、18%が賛成しないと回答している。
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