研究開発部門に長く在籍、研究所の所長としても活躍
小島次期社長は、1956年10月、東京都中野区出身。1982年3月に京都大学大学院理学研究科修了。2005年3月には大阪大学大学院博士課程情報科学も修了している。
1982年4月に、日立製作所に入社し、中央研究所に配属。「最初の研究は、データベースの高速化であり、神奈川工場でこれを実用化した」という。
研究開発部門が長く、中央研究所長や日立研究所所長を歴任。CTOや研究開発グループ長も務めた。
海外経験も多い。1989年~1990年には共同研究のため、カーネギーメロン大学に派遣され、1996年~1999年までは米国日立コンピュータプロダクツに出向。さらに、役員に就任してからは、日立インフォメーションアンドテレコミュニケーションシステムズグローバルホールディング(現日立グローバルデジタルホールディングス)や、日立データシステムズ(現日立ヴァンタラ)といった海外子会社の会長を兼務した経験もある。
一貫したテーマがデータから価値を作ること
小島次期社長は、「1982年に日立に入社して以来、一貫して取り組んできたテーマが、データから価値を作るということである」と語る。
データベースの高速化技術の研究から始まった小島次期社長のキャリアは、その後も、データから離れることはなく、現在、日立ヴァンタラの主力製品になっているデータストレージシステムの開発に携わった実績もある。
そして、2016年には、サービス&プラットフォームビジネスユニットのCEOとして、「データから新たな価値を作るビジネスの基盤づくりに関わった」とする。これが、Lumadaの立ち上げにつながっている。
Lumadaは、データから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための独自プラットフォームの総称であり、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション、サービス、テクノロジーが含まれ。2016年の提供開始以来、国内外を含めて、1000社以上への導入実績を持つ。
照らす、解明する、輝かせるという意味を持つ「Illuminate」と、小島次期社長が長年携わってきた「Data」を組み合わせた造語であり、「お客さまのデータに光をあて、輝かせることで、新たな知見を引き出し、お客さまの経営課題の解決や事業の成長に貢献していく、という思いを込めている」と日立では説明する。
「新たな事業に取り組むに際には、持っているアセットを、いかにうまく使うかが大切である。Lumadaを立ち上げる際に考えたのは、日立が強いシステムインテグレーションのリソースを活かすということ。そのためには、入札案件への対応をはじめとして、受け身となっていたSI事業の体質を変える必要があった。日立側から、データ活用に関する提案を行い、顧客やパートナーと『協創する』という姿勢になれば、日立が戦えると考えた」と、小島次期社長は、Lumada誕生前夜の様子を語る。
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