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日立の次期社長は、研究開発経験豊富で"データに明るい"小島氏、技術の日立は?

2021年05月20日 09時00分更新

今回のひとこと

「入社以来、一貫して取り組んできたテーマが、データから価値を作ること。日立を、社会イノベーション事業のグローバルリーダーにすることに全力を注ぐ」

(日立製作所の小島啓二次期社長兼COO)

経団連会長も務めた中西氏の後任を決める人事

 日立製作所は、小島啓二副社長が社長兼COOに就任するトップ人事を発表した。2021年6月23日の定時株主総会後に就任する。東原敏昭社長兼CEOは、5月12日付で会長兼社長兼CEOに就任し、6月23日には、社長職を小島氏に譲り、会長兼CEOに就任する。また、中西宏明会長は、5月12日付で相談役に就いた。

東原敏昭社長兼CEO

 今回のトップ人事は、中西氏の「療養に専念したいという本人の意思を尊重したもの」(東原会長兼社長兼CEO)であり、中西氏による日立製作所会長の辞任申し入れが発端になっている。中西氏は、自身が務めている経団連会長についても、6月1日に開催される定時総会にあわせて、健康上の理由で退任することを発表している。

 その点では、想定外のタイミングでのトップ人事ではあったが、見方を変えれば、日立の成長を加速する点では、マイナス面はまったくないとの声も聞かれる。

 東原会長兼社長兼CEOが、「日立の今後の成長のドライバーは、Lumadaを中心としたデジタル技術を用いた社会イノベーション事業。Lumadaのグローバル展開を加速するには最適な経歴を持っている」と、小島次期社長を評価するように、日立が「一丁目一番地」に位置づけるLumadaの生みの親である小島次期社長が、COOとして経営の実行役を担うことは、まさに日立の成長をドライブする体制が整ったともいえるからだ。

Lumada事業の展開を加速

 東原会長兼社長兼CEOは、「デジタル技術やLumada事業に対する深い造詣と、構造改革を断行する実行力は、デジタルで成長する日立の社長として、最適であると取締役会が判断した。これまでの指名委員会での議論を踏まえて、取締役会ではスムーズに決定した」と、小島氏の社長選出の舞台裏を語る。

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