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必要十分な性能を備えて2万円台! HUAWEI MatePad T10/T10sを使い比べた

2021年05月12日 10時00分更新

「HUAWEI AppGallery」のアプリ不足は「Petal検索」がフォロー

 HUAWEI MatePad T10/T10sには、Googleのアプリはインストールされていません。GMSには対応していないので、Google Playストアからアプリを入手することもできません。アプリはファーウェイ独自の「HUAWEI AppGallery」から入手できます。

アプリは「HUAWEI AppGallery」からダウンロードできる

 HUAWEI AppGalleryは、日本向けのアプリが増えつつありますが、Google Playストアに比べると、まだまだ圧倒的に少ないのが現状。たとえばSNSでは「LINE」はあるが、「Twitter」や「Instagram」はなく、動画配信では「U-NEXT」はあるが「Netflix」や「Hulu」はないといった状況です。

HUAWEI MatePadでの利用に適したオススメのアプリは、ホーム画面にあらかじめショートカットが用意されている

 ですが、AndroidをベースにしたOS(ファーウェイ独自のEMUI)を採用しているため、HUAWEI AppGallery以外から入手したAndroidアプリが使える場合があります。たとえば「Tablet Clone」というアプリを使うと、ほかのデバイスで使っていたデータを移行することができ、一部のアプリも移せます。ただし移行したアプリの利用は自己責任で、HUAWEI MatePadで正しく動作しないこともあります。

「Tablet Clone」を使うと、ほかのデバイスから連絡先、画像、アプリなどのデータを移せる。ただし、元のデバイスのOSや機種によって移行できるデータは異なる

 HUAWEI MatePadには「Petal検索」というアプリがプリインされています。これを用いて「APK Pure」など、いわゆる野良アプリストアからダウンロードできるアプリを検索することができます。もちろん利用は自己責任で、必ずしも安全に使えるとは言い切れません。しかし、このPetal検索によって、かなり多くのアプリを検索してインストールできるのは事実。筆者はGMS非対応の「HUAWEI Mate 30 Pro 5G」というスマホを使っていますが、Petal検索をものすごく重宝しています。今のところ、使用中にフリーズするとか、アップデートできずに使えなくなるといったトラブルにも遭遇していません。

「Petal検索」によるアプリの検索結果画面。「インストール」をタップすると、入手できるサードパーティのストアに進む

 バッテリーのテストのために「Netflix」の映画を再生したことを先述しましたが、「Netflix」アプリも「APK Pure」からダウンロードしました。オンラインミーティングで使われることが多い「Zoom」や「Microsoft Teams」もAppGalleryでは配信されていませんが、Petal検索で探して、インストールすることができました。

 ちなみに「YouTube」アプリはインストールできませんが、ブラウザーで見ることができます。同じようにGoogleマップを見ることも可能。プリインの「メール」アプリに、Gmailのアドレスを登録することもできます。用途にもよりますが、GMS非対応で困ることはそんなにもないかもしれません。

「メール」アプリには、Gmailのアカウントも登録可能。ただし、登録しようとするとブラウザーでGmailアカウントにログインする必要があり、プリインのブラウザーではログインできなかった。そこで、Petal検索で「Chrome」を探してインストールし、Chromeでログインすると登録できた。Googleサービスを使う場合は、こうした手間が発生する恐れはある

独自機能「アプリマルチサプライヤー」「キッズモード」の使い勝手は?

 HUAWEI MatePad T10/T10sは、これといった突出した機能は搭載しておらず、ベーシックなタブレットという印象。独自機能として、横向きで使う場合に2画面で表示される「アプリマルチサプライヤー」機能があります。しかし、対応するアプリは少なく、プリインされているものでは「ニュースダイジェスト」と「Petal検索」だけでした。

アプリマルチプライヤーに対応するアプリはまだ少なく、今後のアップデートに期待したい

「ニュースダイジェスト」でアプリマルチプライヤー表示にした画面

「Petal検索」でアプリマルチプライヤー表示にした画面

 個人的に気に入ったのは、使う環境によって画面表示を切り替えられる機能。「ブルーライトカットモード」「ダークモード」に加えて、電子書籍ビューアーのようなグレースケール表示にできる「eBookモード」にも切り替えられます。

「ブルーライトカットモード」をオンにすると、目の疲れに影響を及ぼすと言われるブルーライトが軽減される

グレースケールの「eBookモード」は、就寝前のネットサーフォンとも好相性

常時「ダークモード」にして使うことも可能

 子どもがいる家庭で便利そうなのは「キッズモード」。子どもに使わせるアプリを制限でき、パスコードなどによって、勝手にキッズモードから出たり、アプリを追加したりできない仕様になっています。

子どもが勝手にアプリをダウンロードしようとすると、親が設定したロック解除画面が表示される

キッズモードのホーム画面

お絵かきを楽しめるアプリもプリイン

 また、子どもが安全に使えるように促すアラート機能も搭載。HUAWEI MatePad T10とHUAWEI MatePad T10sでは搭載されているセンサーが異なるため、利用できるアラートが異なります。どちらのモデルも、寝転がって使うなど悪い姿勢が続いた場合に警告される「姿勢アラート」と、車に乗っている場合や歩いている時などの揺れを感知する「オフロードアラーム」には対応。HUAWEI MatePad T10sでは、画面から離れるように知らせる「近距離アラート」と、暗い場所で使った場合に警告される「明るさアラート」も利用できます。

画面に近づきすぎるとアラートが表示される

価格差はわずか3300円
迷うのならHUAWEI MatePad T10sを選ぶのが得策

 HUAWEI MatePad T10/T10sの最大の魅力は価格。どちらも2万円台ですが、ウェブを見たり、写真や動画を見たりといった、多くの人がタブレットに求める必要最低限の性能は備えています。HUAWEI MatePad T10sでは、フルHDディスプレーと高音質のステレオスピーカーによって、映画を楽しむマシンとしても満足できそうです。

 HUAWEI MatePad T10は2万3980円で、T10sは2万7280円。その差はわずか3300円ですから、用途が明確でない場合は、HUAWEI MatePad T10sを買うのが得策。音楽や映像コンテンツも存分に楽しめます。ディスプレーの画質やスピーカーの音質を重視せず、コスパを最優先するならHUAWEI MatePad T10を選びましょう。

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