4月15日、シェアサイクルを提供しているLuupは発表会を開催し、電動キックボードのシェアサービスを発表。4月23日より、東京の渋谷や新宿といったエリアでサービスをスタートしている。
今回のサービスは、経産省による「新事業特例制度」を利用した実証実験という位置づけ。そのため、使用する電動キックボードは「原付」ではなく「特殊小型自動車」という扱いになる。運転免許証は必須で、制限速度は15km/hだがヘルメットは任意となっている。
Luupはこれまでも電動キックボードを使った実証実験を行なっており、その経験を踏まえて、今回のサービスで使用する電動キックボードを新たに開発。走行安定性を高めるため、タイヤ径を大きくしたり、素材の強度を高めるといった改良がなされている。そのため、折りたたみ機能は装備していない。
車体には後方にナンバープレート、ハンドル右側にはサイドミラーを搭載。スピードはハンドルについてるレバーでコントロールするが、初速がついていない状態でレバーを動かしても駆動しない。キックである程度推進してスピードがついた状態でレバーを操作して走行し始める仕様となっている。
航続距離はおよそ45kmで、充電時間はおよそ4.5時間。ハンドル中央にはディスプレーがあり、速度とバッテリー残量を表示。また貸し出し時にはスマートフォンホルダーも用意されており、走行時にセットしておける。
サービス利用時には、まずLuupの公式アプリから運転免許証登録を行ない、走行ルールの確認テストを受ける必要がある。このテストの満点合格が利用条件となっている。利用可能エリアは、Luupがすでにサービスを展開している渋谷区、新宿区、品川区、世田谷区、港区、目黒区の全域。サービスエリアにはLuupのポートが300ヵ所あるが、そのうち電動キックボードを使えるのはおよそ200ポート。ポート数は順次増加予定とのこと。
利用料金は、現在実証実験特別価格で110円/初乗り10分で、以降は16.5円/分となっている。
特殊小型自動車ということで、走行は基本的に自動車と同じルールになる。たとえば大きな交差点を右折する際は、原動機付自転車(原付)のように二段階右折をするのではなく、車線の右に寄ったり、右折レーンを使う。大きな交差点だと、今回の電動キックボードは時速15km/hに制限されていることもあり、自動車との速度差などでやや危険がともないそう。
発表会に登壇したLuup CEOの岡井大輝氏も「車道走行ではクルマとの速度差は懸念事項で、どういった形が最適かを見極める必要がある」している。今回は実証実験を兼ねたサービスということで、最適な運用方法を模索する意図もあるわけだ。
岡井氏は電動キックボードについて、「普遍的なモビリティーだと思っていない。2輪は健常者には便利だが、理想は3輪、4輪」とも話しており、今後は電動キックボードに限らず、マイクロモビリティー全体の普及を進めていく姿勢を見せていた。
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