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商品を受け取った後にコンビニで!

使い過ぎが心配の後払い決済サービス、若者利用は増加中

2021年04月27日 09時00分更新

クレカ持ってない若者でも使える
「後払い決済」をご存じ?

 後払い決済サービスを利用したことはあるだろうか。後払い決済サービスとは、商品を購入、受け取った後にコンビニ・郵便局・銀行などで支払いを済ませるものだ。手元に現金がなかったり、クレジットカードを持っていない若者でも利用できるメリットがあり、「NP後払い」「メルペイスマート払い」「ZOZOツケ払い」「paidy」など色々なサービスがある。

 実際の利用状況はどうなっているのだろうか。10~50代男女を対象としたメルペイの後払い決済サービスに関する実態調査(2021年3月)を見てみよう。

 商品やサービスの決済手段を聞いたところ、「現金」(91.8%)、「クレジットカード」(62.5%)、「QRコード等決済」(44.6%)、「電子マネー」(43.0%)などが上位だったが、「後払い決済サービス」も23.3%いた。

 2020年1月頃と比べ、コロナ禍でキャッシュレス決済(電子マネーやQRコード等決済)や後払い決済などを利用する頻度が増えた人は、50.5%と過半数に上った。コロナ禍で非接触志向が強まったためと考えられる。年代別に見ると、10代男性が51.3%、10代女性が52.5%、20代男性が57.5%、20代女性が58.8%と特に10代、20代の変化が大きくなっている。

10~20代の後払い決済利用が増えている

「NP後払い」「メルペイスマート払い」が人気

 後払い決済サービスで知っているサービス、利用したことがあるサービスを聞いたところ、「NP後払い」が認知(32.4%)、利用(25.6%)とも最多に。次いで、「メルペイスマート払い」(認知・29.5%、利用・17.0%)となった。年代別の後払い決済サービスの認知、利用を比較すると、10~20代の約36%がメルペイスマート払いを知っており、若年層の利用や認知率が最も高くなっている。

 後払い決済サービスを利用している理由と、利用していない理由について聞いたところ、利用している理由は「支払うタイミングを調整できるから」(47.0%)、「支払う前に商品を確認できるから」(29.8%)、「利用金額を把握できるから」(23.3%)などとなった。一方、利用していない理由は、「使いすぎてしまわないか心配だから」(34.3%)、「利用金額を把握しにくいから」(29.3%)、「メリットを感じないから」(27.8%)となった。

 「お金がないときにも欲しい服とか買えるのはうれしい。でも友だちが使い過ぎて、やっぱり払えなくて親に泣きついたりしてて、気持ちはわかるから私も気をつけようと思ってる」と、後払いサービスを一度だけ使ったことがあるという女子高生は言う。後払い決済サービスにもクレジットカード払い同様、自分の収入に見合った利用が大前提であることは忘れてはならないだろう。

 なお、クレジットカードの利用金額は1万~3万円未満が23.5%で最多となっているのに対して、後払いサービスは3000円未満が30.0%、3000~5000円未満が26.0%、5000~1万円未満が27.4%と少額利用が多くなっている。

 様々な決済サービスがあることで、利便性は上がっている。収入内で利用できれば便利なサービスであることは間違いない。ただし、若者世代ではうまく購買欲をコントロールできない子がいるので、周囲の大人は注意してあげてほしい。

著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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