山根博士のグロスマレビュー
日本に参入したrealmeが放つ“世界最安5Gスマホ”「realme V3」
ワイヤレスヘッドフォンやモバイルバッテリーで日本市場に参入した「realme」は、海外ではスマートフォンも多数展開している。realmeのスマートフォンラインナップは低価格モデルからハイエンド製品まで幅広く、たとえば3月にはSnapdragon 888を搭載した「realme GT 5G」を発表している。
だがrealmeのラインナップの中核となるのはミドルハイレンジからエントリーモデルまでの手軽に買えるコスパの高い製品だ。中でも特筆すべきなのは、realmeは世界最安値の5Gスマートフォンを販売していること。今回紹介する「realme V3」の価格は中国で999元(約1万7000円)。中国市場で大手メーカーではrealmeだけが1000元を切る激安5Gスマートフォンを出しており、コスパの高さはシャオミを上回っているのである。
抑えるところは抑えて
低価格で5G対応を実現した「realme V3」
realme V3は2020年9月に発表された製品だ。チップセットはMediaTekのDimensity 720を搭載。Dimensity 720はMediaTekがクアルコムに対抗すべく、激安5Gスマホ向けに展開する低価格チップセットだ。もちろん999元という価格を実現するためにrealme V3はディスプレーやカメラのスペックもかなり抑えている。
realmeのスマートフォンの多くは同社のイメージでもある黄色のパッケージに入っている。パッケージ内部も黄色で統一されており、「realmeのスマホを買った」という印象をユーザーに大きく植え付けるものになっている。なお赤色をイメージカラーにしているOnePlusは充電ケーブルも赤い色のものを付属させているが、realmeはさすがにそこまでコストはかけておらず、ケーブルは一般的な白い色のものが付属する。
ディスプレーは6.5型(1600x720ドット)とサイズは大きいが解像度は低めだ。本体を正面から見るとベゼルの下部が広いことからもコストを抑えていることがわかる。しかしバッテリーは5000mAhと大きく、18Wの高速充電にも対応する。本体サイズは約76×164.4×8.6mm、重さ189.5g。なお、999元で販売されているモデルのスペックはメモリー6GB、ストレージ64GBとなっている。
今回レビューするモデルの色はブルー。背面は単色仕上げではなく、斜めのラインを入れて色合いを変え、飽きにくいデザインとなっている。低価格なスマートフォンにありがちな、高級風な光沢感の外観ではなく、表面はややマットで指紋の跡が残りにくい。ケースをつけずこのまま使ってもいいと思える仕上げだ。手に持ってみると1万円台の5Gスマートフォンでありながら安っぽさは感じられない。低価格スマートフォンであっという間に世界シェア7位となったrealmeのスマートフォンの魅力を十分感じ取ることができるようだ。
カメラは1300万画素+200万画素(マクロ)+200万画素(深度測定)と必要最小限。価格を考えると妥当なところだろうか。指紋認証センサーも背面に搭載する。なお、フロントカメラはパンチホールではなく水滴型ノッチで800万画素だ。このあたりもコストを抑える工夫がされている。
右側面は電源ボタンとボリュームボタン、右側面はSIMカードスロット。本体上部には何もなく、下部にはUSB Type-C端子と3.5mmヘッドフォンジャックを備える。
OSはAndroid 10ベースのrealme UI 10を搭載。アプリケーションドロワーのないiOSライクなデスクトップ構成だ。操作のショートカットボタンを画面に表示できる「アシスティブホール」や、画面の端からスワイプしてアプリやツールのショートカットを表示できる「スマートサイドバー」にも対応。端末情報ではSIMカードのステータスから4G LTE/5G NRの接続状況もわかる。
AnTuTu 9スコアは235221。ミドルレンジクラスの製品であることがわかる。
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