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3万円前後と高コスパ!

原神も快適動作!?AMDの公式生放送で再訴求されたAPU「Ryzen 5 PRO 4650G」の性能とは

2021年04月23日 11時00分更新

文● ジサトラハッチ 編集●ASCII

優れたCPU性能を引き出すパーツ構成
黒を基調とした見た目やのコダワリも注目ポイント

 検証環境や性能について解説する前に、まずは「Ryzen 5 PRO 4650G」について簡単にご紹介したい。「Ryzen 5 PRO 4650G」は6コア/12スレッドで、動作クロックが3.7~4.2GHzのAPU。

Ryzen 5 PRO 4650G

店舗では、バルク品としてブリスターパッケージのみの形で販売されている。写真はRyzen 7 PRO 4750G

 型番にPROが記されたAPUは、ビジネス向けに設計され、「AMD PRO テクノロジー」と呼ばれる最新のセキュリティー機能を搭載。PCの起動からシャットダウンまでを保護、AES 128ビット暗号化エンジンにより、システムメモリー全体を暗号化し、情報流出のリスクを軽減する。

 たとえば、「AMD PRO テクノロジー」に含まれるfTPM(Firmware TPM)をBIOSから有効にし、OSがWindows 10 Proエディションより上位であれば、ドライブ暗号化機能である「BitLocker」が利用できるなど、ビジネス用途で使うPCに使うにも最適な製品となっている。

 基本OEM向けに提供されているAPUということもあって、箱売りはされておらず、店舗によってはマザーボードなどとのセット購入のみの場合も多いが、セットでお得になっていることもあり、まずは安価にPCを自作してGPU性能に不満を持ち始めたらビデオカードを足す、といったユーザーにオススメとなっている。

 単品の価格は3万円前後と、高い内蔵GPUを備えている割には非常にお買い得な価格だ。

 そのほかの検証用に用意されたパーツは、以下の表のとおり。

今回検証用に用意されたPCパーツ一式

カテゴリー 製品名 実売価格
CPU AMD「Ryzen 5 PRO 4650G」(6コア/12スレッド、3.7~4.2GHz) 3万円前後
CPUクーラー Cooler Master「Hyper 212 EVO V2」 5300円前後
マザーボード ASUS「PRIME B550M-A」 1万2100円前後
メモリー CFD販売「W4U3200CM-16G」(DDR4-3200、16GB×2) 2万1100円前後
ストレージ Plextor「PX-512M9PG+」(512GB SSD、PCIe 3.0×4、M.2 NVMe) 9400円前後
電源ユニット Cooler Master「MWE Gold V2 750(MPE-7501-ACAAG-JP)」(750W、80PLUS GOLD) 1万400円前後
PCケース Cooler Master「Silencio S400 TG(MCS-S400-KN5N-S00)」 9100円前後
OS Microsoft「Windows 10 Home」(64ビット) 1万4000円前後
合計:約11万1400円前後

 AMDのCPUの多くは、CPUクーラーが付属していて、その分価格がお得だったりするが、「Ryzen 5 PRO 4650G」はブリスターパッケージのみで販売されているため、別途CPUクーラーが必要だ。Cooler Master「Hyper 212 EVO V2」は、ヒートパイプが台座の底面に露出した「ダイレクトコンタクト」により、CPUとの接触面を滑らかに形成し、放熱性を最大限に高めているという。

サイドフローの空冷クーラーとしては、高さ154mmとやや低め

「PRIME B550M-A」は、第3世代Ryzenプロセッサーに対応したMicroATXのマザーボード。1万円台前半というコスパでありながら、堅牢な電源設計と3つの温度センサーによる包括的な冷却制御が可能。RGB LEDストリップ用のAura Sync RGBヘッダーをサポート。PCIe 4.0対応のM.2スロットも2つ(1つのみType 22110対応)備え、RAIDも利用できる。

 主な背面インターフェースは、HDMI出力(2.1)、DVI-D、D-Sub15ピン、USB 3.2 Gen2 Type-A×2、USB 3.2 Gen1×4、PS/2、ギガビットLAN、オーディオジャック。

黒を基調と、白い細い複数の線がアクセントとなった落ち着いたデザイン。下部にサーマルパッドを備えたVRMヒートシンクは、MOSFETとチョークからの熱伝達を改善し、高い冷却性能を発揮する

「W4U3200CM-16G」はメモリークロックが「Ryzen 5 PRO 4650G」が対応する最大速度の3200Hzで、信頼性の高いCrucialのモジュールを採用したメモリー。コスパの良い10万円台のゲーミングPCは、メモリーの容量が8GBまたは16GBだが、16GB×2の32GBと6コア/12スレッドの「Ryzen 5 PRO 4650G」をより快適に活かしきる容量を採用している。

ライティング機能などは備えていない、シンプルなデザインで、約2万円とコスパも◎

「PX-512M9PG+」は、キオクシア製の3D TLC NANDフラッシュを搭載したPCI Express 3.0×4(Gen 3)対応のNVMe SSD。シーケンシャルリード最大3400MB/secとGen 3のSSDとしては高速で、容量も512GBあり、1万円以下と安価で手が出しやすい製品。

コントローラーにMarvell「88SS1092」を採用。TBWは320TBW、MTBFは最低150万時間、製品保証は5年間

 MWE Gold V2 750シリーズの「MPY-7501-ACAAG-JP」は、80PLUS GOLD認証対応で1万円ちょっとと手頃な価格の電源ユニット。4+4pinと8pin、2本のEPSコネクターを備え、現行のどのマザーボードにも対応できるとしている。

静音性が高く製品寿命の長いHDB(流体軸受)ファンを採用。騒音とリップルノイズを低減する多くの対策が施され、高い静音性を実現するとのこと。フルモジュラーケーブルタイプの「MPE-7501-AFAAG-JP」も販売されている

 Silencio S400シリーズの「Silencio S400 TG」は、複数の遮音材を組み合わせた静音設計のミニタワーケース。TG付きは強化ガラスを備え、内部のライティングを楽しめる。最大280mmの水冷ラジエータ、最大319mmの拡張カード搭載スペースを備える。

日本人好みのシックで硬派な漆黒のデザインは、今回の黒を基調とした各種パーツにマッチしている

「AMD HEROES WORLD」では、後々の拡張として黒を基調として高級感のあるヘアライン加工なども施された今年3月に発売されたばかりのASUSのビデオカード「DUAL-RX6700XT-12G」(実売価格9万1000円前後)を、上記構成PCに取り付けて、その拡張した際のベンチマーク結果も紹介している。

ブレード数を増やして高い冷却性を確保した実績のある「Axial-techファン」を搭載した、RDNA 2ベースの最新GPU「Radeon RX 6700 XT」のビデオカード。やや高価だが、防護バックプレートによるPCBのゆがみやトレースの損傷を防いだり、140時間の安定性テストをクリアーしているなど、高い耐久性と信頼性がある

 拡張したビデオカードを抜けば、今回用意された検証環境は、約11万円ととてもお買い得な構成。「Ryzen 5 PRO 4650G」を搭載する完成形のPCの多くは、メモリー容量を削り、大量生産の自社PCケースを使って、より安く抑えていたりする。

 もちろん、オンラインショッピングやネット動画視聴、メール作成くらいの一般的な作業ならそれで充分だが、どうせなら「Ryzen 5 PRO 4650G」の優れた内蔵GPU性能を活かし、より快適な動作で仕事をしたり、余暇にはライトなPCゲームを楽しみたいという人にはオススメできる構成になっている。

 また、シックな黒を基調としたパーツで構成するなど、見た目の統一性もある。こうした、見た目にコダワれる点も自作PCの醍醐味だ。

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