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アニメの門DUO「IMART実行委員会共同代表・土居伸彰氏インタビュー」

マンガとアニメの知恵が合体する「IMART」という祭

2021年04月17日 18時00分更新

2021年の「IMART」の見どころは?

まつもと それではIMARTの内容を見ていきましょう。

土居 基調講演ではマンガ分野の方とアニメ分野の方をお招きして登壇いただいています。前回は手塚プロダクションの松谷孝征社長、KADOKAWAの塚本進顧問をお招きして、主に海外戦略について話していただきました。今回はポリゴン・ピクチュアズ社長の塩田周三さんと、メディアドゥ/MyAnimeListの溝口敦さんの2人に登壇をお願いしています。

まつもと 溝口さんと塩田さんが1つのイベントで登壇するというのは非常に珍しいですね。このイベントのミックス度合いを象徴している気がします。次はそれぞれのセッションを見ていきましょうか。

土居 今回はコロナ禍における業界の在り方、考え方といったことが大きなテーマとなっています。また、コロナ禍によって人が集まるイベントが非常に難しい状況で、これからイベントはどう生き残っていけばいいのか? ということもIMART開催のもう1つのテーマです。

 それを受けて「コロナ禍におけるアニメ・マンガイベントの運営」というセッションで、僕がディレクターとして参加している映画祭(注:新千歳空港国際アニメーション映画祭フェスティバル)のもう1人のディレクター・小野朋子さん、聖地巡礼プロデューサー・柿崎俊道さん、そしてコミティア実行委員会代表の中村公彦さんにリモート出演していただきます。

まつもと IMART自体が完全オンライン開催になったことがまさににこのセッションのテーマということになりますよね。

土居 このIMARTのようなイベントにどう取り組んでいるのかというよう現場の声が聞けると思います。イベント開催とコロナ禍という問題を考えれば、マンガ・アニメ業界に興味のない人にとっても、面白いセッションなのでは、と思います。

まつもと 「アニメ業界 女性の働き方」というセッションについても、聞き手はマンガ・アニメに限定されないかもしれないですね。

土居 今、女性がいかにマンガ・アニメ業界で素晴らしい働きをされているかというところから、社会全般における女性の働き方が見えてくるかもしれません。今回は一線級で活躍されている、アスミック・エースの竹内文恵さん、東映アニメーションの柳川あかりさん、日本アニメーション学会で初の女性会長に就任した須川亜紀子さんといった皆さんに、商業やアカデミックな部分に関わるマンガ・アニメ業界の女性のキャリアパスなどの話をディスカッションしていただきます。

まつもと 「クリエイター、編集者、プロデューサーの『あの日』と『これから』」というセションでは、アーチの平澤直さんがモデレーターとして決まっています。

土居 前回のIMARTは、中心メンバーですべてセッションを組み立てたのですが、今回はIMARTの趣旨に賛同していただいた方々に1つセッションを丸ごとお任せしています。

 そこで平澤さんには、プロデューサーの視点からテーマを出していただきました。そのため、僕自身も何が飛び出るかわからない玉手箱的な楽しみもあるんです。だからぜひ視聴者の方々も興味関心を引くようなプログラムが1つでもあったら、とりあえず視聴していただきたいです。今年はアーカイブを作成してあとから視聴も可能にしますから、とにかくいろいろなセッションを見ていただけたらいいなと思います。

まつもと ほかにも、海外・国際展開をテーマにしたセッションもあるようです。

土居 「国境を越えてアニメーションを作る」というセッションでですね。

まつもと 登壇者として海外の方も招きやすくなりましたね。これもオンラインイベントならではでしょう。

土居 そうですね。「ゲームエンジンがもたらすもの」というセッションでは、アニメーション監督のギンツ・ジルバロディスさんにラトビアから登壇いただきます。ちょうど日本で公開している『Away』という長編CGアニメーションを1人で作った監督です。

まつもと あとは批評のお話とか、法律のお話で赤松健先生や福井健策先生が登壇します。本当にレンジの広いイベントですよね。アニメにおけるテクノロジーの話から、マンガとアニメ両方にまたがる著作権の問題まで。これからの課題をどう解決していけばいいのかというヒントが詰まっています。

土居 そうですね。きっと今の時代において何かしら業界に関わっている人たちが集まるイベントで、セッションを横断してもらうことで共通する方向性が見えてくればいいな、と思っています。

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