週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

中央復建コンサルタンツとNTTドコモ、京浜急行電鉄、横須賀市の4者

5GとAIを活用し、鉄道インフラをリアルタイムに遠隔から自動監視する実証試験に成功

2021年03月26日 17時20分更新

  中央復建コンサルタンツとNTTドコモ、京浜急行電鉄、横須賀市の4者は3月26日、5GとAIを活用し、鉄道インフラをリアルタイムに遠隔から自動監視する実証試験(以下、本実証)に成功したことを発表した。

 各者の役割は、中央復建コンサルタンツが実証実験の全体を総括。京急電鉄が提供した実証フィールドでドコモが5G・MECクラウド環境構築、4K映像配信・AI解析システムの構築。また横須賀市は、地域における課題提供および地域横展開に向けた知見の提供をした。

 本実証は2020年12月21日~2021年2月12日に京急電鉄の久里浜工場で実施された。通常時の車両監視と災害時を想定した線路点検を対象とし、4K映像を5Gで伝送した後、網内クラウド環境(MEC)にて高速AIディープラーニングにより解析、解析結果を遠隔地にリアルタイム配信した。

 車両監視では、固定4Kカメラとサーマルカメラで車両の床下機器を撮影し、台車の疑似的な亀裂やブレーキパッドの摩耗、機器収容箱ハンドルの開き、車軸温度の上昇を検出。線路点検では、ドローンの4Kカメラで線路を撮影し、飛来物などを想定した大きさ・形状の異なる障害物の検知を行なった。

  結果として、車両監視では映像の取得から遠隔地への配信まで、わずか0.94秒で実現。AI解析では、幅1mmの擬似的な亀裂を検出し、ハンドル、ブレーキパッド、車軸温度は、試行ごとに対象の異常を見逃すことなく検出することに成功したという。

 また線路点検においてはドローンとの通信に、Wi-Fiの構成だけでなく、ドローン上の5G端末(上空)と5G基地局(地上)が直接通信可能な構成を導入。4K映像を5G伝送し、MECでAI解析後、遠隔地に配信するまで、わずか1.26~1.33秒で実現した。AI解析でも、10cm角の木片~身長170cmの人まで、試行ごとに対象の異常を見逃すことなく検出することに成功したという。

 今後、中央復建コンサルタンツとドコモは、5Gと高速AIディープラーニング、4K映像配信、ドローンなどの先進的なデバイスを活用して、本格運用の検討を行なっていくという。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう