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「相談に乗ってもらいたかった」という理由も

10代はSNSとゲームで知り合った人と会う、「身の危険を感じた」例も

2021年03月16日 09時00分更新

イベント同行者をSNSで募る10代

 SNSなどで知り合った人と合う事例が増えているが、若者たちはどのように考えているのだろうか。情報処理推進機構(IPA)の「2020年度情報セキュリティの倫理と脅威に対する意識調査 倫理編報告書」(2021年3月)を見ていこう。

 SNS等で知り合った人と1対1で会ったきっかけのツールはという質問に対しては、全体の75.1%と「SNS」が圧倒的1位に。年代別・性別に見ると、10代女性は92.9%と大半がSNSで知り合っており、他の年代と比べて非常に多かった。「オンラインゲーム」で知り合っているのは10代男性が多く、32.6%いた。事件につながる出会いでも、SNSやゲームで知り合い、出会っている例が増えており、調査結果でも同様の結果が見て取れる。

 実際に会うことになったきっかけは、10代でも他の年代と同様「直接会ってみたかった」が約5割でトップに。「イベントの同行者がほしかった」が2位で3割超いたが、これは他の年代のほぼ倍になっている。若者世代は、イベントの同行者をSNSで募集しているのだ。

 「会いたいと言われた」「チケット・グッズ等の譲渡」もそれぞれ約2割いた一方、10代男性は「相談に乗ってもらいたかった」が約1割で他の年代のほぼ倍で最多となっている。残念ながら、ネットでの出会いがトラブルにつながる事例は10代が特別高くなっているのだ。

7割超がSNS経由で知り合っている

「身の危険を感じた」が男性10代で約3割
「金銭トラブル」が約1割

 実際会った結果は、「楽しかった」「交流が深まった」「予定通り、目的を果たした」というポジティブなものがトップ3に。しかし「楽しかった」「交流が深まった」は男性10代では他の年代より低くなっており、代わりに「身の危険を感じた」が約3割、「金銭トラブル」が同約1割と、危険な目にあうことが少なくないようだ。

 「なんでネットで知り合った人と会っちゃいけないんですか。危険な目になんて遭ったことないんで、大丈夫です」と、女子高校生に言われたことがある。「みんな良い人たちばかりだったし、交流も広がったし、良いことしかない」。

 SNSやオンラインゲーム経由で知り合うことは一般化している。出会いのなかには楽しく素敵な広がりもあるだろう。成功体験からネットで知り合った人と会うことを警戒していない人もいるが、危険な目にあったりトラブルに巻き込まれることも少なくないのが実態だ。特に10代は、警戒心が乏しくトラブルにつながることが少なくないので、周囲の大人が見守ってあげてほしい。

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著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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