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驚きのCPU性能、グラフィックス機能を最大限に活かすならBTOで16GBメモリーへの強化もオススメ

税別7万円台、1.2kgのモバイルサイズでパワフルな性能が魅力Ryzen 5 4600H搭載14型ノートPC「mouse X4-R5」

2021年03月08日 12時00分更新

マウスコンピューターの14型モバイルノートパソコン「mouse X4-R5」

 マウスコンピューターの「mouse X4-R5」は、Ryzen 5 4600Hを搭載する14型モバイルノートパソコンだ。豊富なインターフェースに使いやすいキーボードや、約10時間のバッテリー駆動など、使い勝手抜群な機能を備えていて税別7万円台と、コストパフォーマンスの高いモデルとなっている。

 前回の外観周りのチェックに続き、今回はmouse X4-R5の実力をチェックしていく。

モバイル向けCPUとは思えない性能っぷりに驚き

 解説する前に、mouse X4-R5の構成を改めてチェックしておこう。CPUはRyzen 5 4600Hで、7nmプロセスのZen 2アーキテクチャーを採用する。6コア/12スレッドで動作し、ベースクロックは3.0GHz、最大クロックは4.0GHzまで上昇する。内蔵GPUはRadeon グラフィックスで、コア数は6だ。

 Zen 2アーキテクチャーの4000番台のなかではミドルレンジに相当するが、モバイル向けのRyzen 5プロセッサーのなかでは最上位モデルに相当し、基本的な性能はかなり高いと思われる。

 今回は、上記のCPUに加えて、8GBメモリー、256GB SSDを搭載したスタンダートモデルでテストを行なってみた。

 まずは、ベンチマークテストの定番ソフト「PCMark 10」から。こちらの総合スコアは「4873」で、ミドルレンジのCPUとしては立派なスコアが出ている。詳細を見てみると、ウェブブラウジングやアプリの起動などの一般的な性能をテストする「Essentials」が「9197」とかなり高い数値になっている。また、ビジネス系アプリの性能をチェックする「Productivity」は「7401」と、こちらもかなり高めだ。これらはデスクトップ向けの上位CPUに匹敵するスコアで、モバイル向けCPUとは到底信じられない。

 一方、クリエイティブ系アプリの性能をチェックする「Digital Content Creation」が「4615」と低めな数値になっている。ただし、このスコアは決して低いというわけではなく、ほかの2つの項目に対して低いだけであって、インテル製の内蔵グラフィックに比べれば十分に高い数値といえる。

PCMark 10の総合スコアは「4873」、とミドルレンジのCPUとして立派な結果が出た。詳細を見るとアプリ起動で5桁のスコアが出てたり、表計算で9000台のスコアを出すなど、モバイル用CPUとは思えないパワーだ

 次は、CPU性能をチェックするベンチマークソフト「CINEBENCH R23」でチェックしてみた。計測した結果、マルチスレッドは「7922」で、シングルスレッドは「1171」となった。どちらのスコアもモバイル向けCPUとは思えない性能っぷりで、とくにマルチスレッドの処理能力がかなり高い。複数のアプリを同時実行しても余裕だろう。

「CINEBENCH R23」の結果

 続いて、グラフィックス系の性能をチェックするべく、「3DMark」でのテストを行なった。DirectX 12の「Time Spy」と、DirectX 11の「Fire Strike」の結果を見てみよう。

「Time Spy」の総合スコアは「753」。内訳を見るとGPUが「656」でCPUが「4898」となっている

「Fire Strike」の結果。総合スコアは「1813」、GPUが「2018」、CPUが「16624」という結果に

 上記2つのテストを動かしてみて、CPU内蔵グラフィックとしては十分なスコアといえるが、思ったほどスコアが伸びていないといった印象だ。モバイル向けRyzenプロセッサーの特徴の1つとして、グラフィック処理能力の高さが挙げられるが、この結果はインテル UHD グラフィックに比べて高い反面、圧倒的というほどではない。

 おそらく、テスト機のメモリーがシングルチャネル動作だからだと思われる。購入時にデュアルチャネルに変更することで、CPUの処理能力は多少上がるほか、GPUの性能も約1.5倍程度の性能向上が見込めるだろう。8GBメモリーでも普段使いではさほど気にならないかもしれないが、もし本機の購入を考えている人でグラフィック機能を重視したい人は、最低でもデュアルチャネル動作の16GBメモリー(8GBx2枚)にするといい。

8GB追加で+6700円。税別で8万円を超えてしまうが、税込でも10万以内で収まっている

ドラクエXレベルのゲームは最高設定でも快適!

 今度は、スタンダート構成のグラフィック性能はどれくらい実用的なものなのか、ゲームのベンチマークテストで確認してみた。

 最初は、比較的軽めのMMOPRG「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」(以下、ドラクエX)で測定してみた。グラフィック設定は「最高品質」、解像度は「1920x1080ドット」、表示方法は「フルスクリーン」で測定した結果、評価は「快適」で、スコアは「5200」となった。ドラクエXレベルの軽めのゲームなら余裕で動作することがわかる。

 なお、ベンチマークテストのデフォルト設定である「標準画質」「1280x720ドット」のテストでは評価「すごく快適」で、スコア「11077」となった。

ドラクエXの結果

 続いては、「ファイナルファンタジーXIV 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」(以下、FFXIV)をテスト。解像度を「フルHD(1920x1080ドット)」、画質を「標準品質」で測定したところ、スコアは「2412」、評価は「普通」という結果に。8GBメモリーでも動作には問題なさそうだ。画質の設定を抑えれば十分にプレイできるので、出先でちょっと遊ぶといった用途ならこれで十分だろう。

FFXIVの結果

 また、ベンチマークテスト実行中にタスクマネージャーを起動し、CPUとGPUの負荷をチェック。GPUはほぼ100%で起動していたが、CPUについては20%以下とかなりの余裕を見せていた。

ベンチマークテスト実行中にタスクマネージャーを起動。GPUはほぼ100%で動作しているが、CPUは20%以下でかなり余裕がある

 最後に、試用機に搭載されているストレージは256GB SSD。最近はSSDだけでなく、NVMe接続も多くなっていて、スペックのチェックも楽になりつつある。

256GB SSDを搭載。NVMe接続になっているのが確認できる

 ストレージの転送速度を計測する「CrystalDiskMark」を稼働してみたところ、シーケンシャルリードは3000MB/秒とかなり高速だ。ライトは1000MB/秒弱と少し遅いものの、実用上問題になるのはランダムアクセスのほうで、下2段の速度のほうが体感に影響するだろう。何はともあれ、十分な速度といっていい。

「CrystalDiskMark」の結果

メインでも通用するほどの性能を発揮

持ち運びしやすくて安価なうえに、汎用性の高いモバイルノートパソコン。メインマシンとしても十分に活用できるのが魅力だ

 ベンチマークテストの結果を見ると、CPUの処理能力には文句のつけようがなく、モバイルパソコンとかノートパソコンという区分けなしで、普通にメイン環境に導入できそうな性能を持っている。しかし、グラフィックス機能に関してはメモリーの増設を行なったほうがパフォーマンスを引き出せそうだ。

 あくまでも個人的な考え方になるが、搭載メモリーが8GBではWindows 10を起動した状態で1つか2つのアプリ動かすのが限界だと思っている。基本的には16GBを載せておいたほうがいいとアドバイスすることが多いので、本機の導入を考えている人は16GBにすることをオススメしたい。

 Ryzen 5 4600Hの処理能力はとても高く、よほど重い作業をしないなら上位クラスのCPUは必要ないと思えてしまう。3D系のアプリや最新のキレイなグラフィックが売りのゲームなど、GPUの能力を重視する場合にはやや厳しい面も伺えるが、ウェブ閲覧やブラウザーゲーム、文章作成などでは十分すぎる性能を持っているはずだ。

 また、ディスプレーを拡張すれば広い画面で快適な作業もできるので、パソコンの使用状況次第ではメインマシンとして十分に使えるだろう。持ち運びしやすくて安価なうえに汎用性の高いパソコンを求めている人に本機をオススメしたい。

試遊機の主なスペック
機種名 mouse X4-R5
CPU Ryzen 5 4600H(3.0~4.0GHz)、6コア/12スレッド
グラフィックス Radeon グラフィックス
メモリー 8GB
ストレージ 256GB SSD(M.2接続/NVMe対応)
ディスプレー 14型(1920×1080ドット)、ノングレア
内蔵ドライブ -
通信規格 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(Wi-Fi6 AX200、IEEE802.11ax/ac/a/b/g/n)+Bluetooth 5.0
インターフェース USB 2.0 Type-A、USB 3.0 Type-A×2、Type-C×1(※USB PD対応)、HDMI出力端子、有線LAN端子、ヘッドセット対応ミニジャック
内蔵カメラ 100万画素ウェブカメラ
サイズ/重量 およそ幅320.2×奥行214.5×高さ17.5mm/約1.20kg
OS Windows 10 Home(64bit)
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