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ファーウェイが折りたたみスマホ「HUAWEI Mate X2」発表、大きく変わったディスプレーが特徴

2021年02月23日 10時00分更新

オンラインで開催されたファーウェイの「HUAWEI Mate X2」発表会

 ファーウェイは22日(現地時間)、オンライン新製品発表会を開催し、ディスプレーを折りたためるハイエンドスマートフォン「HUAWEI Mate X2」を発表した。中国では発表会終了直後から予約開始、2月25日から発売となる。販売チャンネルはファーウェイのオンラインストア「Vmall」や大手ECサイト、また通信キャリアや家電量販店などオンライン・オフラインとも同時となる。

HUAWEI Mate X2を発表したファーウェイコンシューマービジネスグループCEO、リチャード・ユー氏

折りたたんだときの隙間がなくなった!
大幅進化したMate Xシリーズ最新モデル

 HUAWEI Mate X2の主なスペックはチップセットがHUAWEI Kirin 9000、メモリーは8GB、ストレージは256GBまたは512GB。カメラは5000万画素、1200万画素(光学3倍)、800万画素(光学10倍)、1600万画素(超広角)の4つ。フロントカメラは1600万画素。バッテリー容量は4500mAh。本体カラーはホワイト、ブルー、ピンク、ブラックの4色がラインナップされる。

明るい色もある4色のカラバリ

 最大の特徴は折りたたみ式のディスプレーだ。ファーウェイの第一世代の折りたたみスマートフォン「HUAWEI Mate X」「HUAWEI Mate Xs」では、ディスプレーを外側に折り曲げる山折り式を採用していた。HUAWEI Mate X2では内側に曲げる、谷折り式を採用。サムスン電子の「Galaxy Z Fold2」と同じ形状となった。

ディスプレーは内側に折り曲げる「谷折り式」となった

 開いた時のディスプレーサイズは8型(2480x2200ドット)、これはHUAWEI Mate X/Xsと変わらない。閉じたときはアウトディスプレーが現れ、こちらは6.45型(2700x1160ドット、アスペクト比21:9)となる。Galaxy Z Fold2より開いた時のディスプレーサイズが大きく、閉じたときでも一般的なスマートフォンと同じアスペクト比で使えることを大きなメリットとしている。

開くと8型、閉じると6.45型となる

 HUAWEI Mate X2は内折式ながらもディスプレーを完全に密着して閉じることができる。これはヒンジ内側に空間をつくり、完全に畳んだときにディスプレーの折り曲がった部分をこの空間内に逃がすことで、ディスプレーに折り目がつかないようにしている。そのためGalaxy Z Fold2のように本体を閉じてもスキマがなく、ディスプレーにもヒンジの部分に「筋」が見えない。完全密着できる点もHUAWEI Mate X2の大きな特徴となっている。

閉じると完全に密着する

 本体の断面形状も特徴的だ。開いた状態ではカメラやメイン基板などを内蔵した右側が厚く、アウトディスプレーのある左側に向かって徐々に薄くなっている。薄いクサビ形とでも表せばよいだろうか。本体サイズは開いた時が約161.8×145.8×8.2mm、重量は295gだが、右手で本体右側を持った時に持ちやすい重量バランスになっているという。なお、閉じたときのサイズは約161.8×74.6×14.7mmとなる。

左側に向かって薄くなる形状。右側を重くしている

カメラはLeica監修の4眼で
100倍ズームにも対応

 カメラは4つ。5000万画素のメインカメラはF/1.9、1200万画素カメラはF2.4、800万画素カメラはF4.4でいずれも光学手振れ補正に対応。800万画素カメラはペリスコープ方式で光学10倍、デジタル100倍に対応。1600万画素の超広角カメラはF2.4となる。

一番上の四角い窓はペリスコープカメラ。4つのカメラを搭載する

 フロントカメラは1600万画素でF2.2。アウトディスプレーの上には2つのカメラが並んでいるように見えるが、スペック上はもう1つのカメラについてはデータが公開されていない。ファーウェイのフラッグシップモデル「HUAWEI P40 Pro+」や「HUAWEI Mate 40 Pro+」のフロントカメラと同様に、深度測定と顔認証センサーを兼ねたカメラがもう1つ搭載されていると考えられる。なお、セルフィーを撮影するときは本体を開いてメインカメラを使ったほうが高画質だ。

発表会でもユーCEOはメインカメラを使ったセルフィーを紹介

 折りたたみ式スマートフォンは広い画面を使った2つのアプリの同時使用など、大型ディスプレーに適したUIが求められる。HUAWEI Mate X2では2つのアプリ表示に加え、ポップアップ表示にも対応。開いた大画面でギャラリーを見ながら気に入った写真を選び、それをポップアップさせたメッセージアプリのチャット画面に貼り付ける、といったこともできる。

アプリのポップアップ表示にも対応

 またアウトディスプレーを使っている状態から開くと、そのまま使っていたアプリを大画面で使い続けることができる。ゲームをプレイしていてより広い画面が必要になった時や、SNSのタイムラインを眺めながら動画をタップしてより大きい画面で楽しむ、といったこともできる。

ディスプレーの開閉でもそのまま同じアプリが使える

 大きい画面で文字入力がしやすいように、ソフトキーボードはQWERTY配列で左右に分割表示し、「G」と「V」という真ん中2つのキーを左右どちらにも配置した。またキーボードの大きさも調整でき、キーの大きさを上下方向に拡大縮小、左右に別れたそれぞれのキーボードの大きさも変えられる。

「G」「V」キーを左右に配置した独特のソフトキーボードデザイン

 カメラのUIも左右で本体を握るデザインになっている。右手側にはシャッターボタンやモードの切り替えなど、よく使う機能を搭載。左側には倍率切り替えやAIのON/OFFなどを配置している。

両手を使うことを考えたカメラUI

 ファーウェイは独自OS「HarmonyOS」を開発中だが、発表会の最後には同OSが4月に正式登場すること、そしてHUAWEI Mate X2が同OSへの公式アップデート対応であることがアナウンスされた。ファーウェイのモバイルサービスをより強化したHarmonyOSがどのようなものになるか楽しみである。

HUAWEI Mate X2はHarmonyOSへのアップグレードが可能

値段は高価だが
それに見合う性能が手に入る

 HUAWEI Mate X2の価格は256GBモデルが17999元(約29万4000円)、512GBモデルが18999元(約31万円)となる。初代の折りたたみHUAWEI Mate Xが2299ユーロ(約29万4000円)だったことを考えると、価格はほぼ同等だ。ライバルとなるGalaxy Z Fold2より高価だが、HUAWEI Mate X2はより大きい画面に高性能なカメラを搭載している。

約30万円と価格はかなり高い

 アクセサリーとしてスタンドのついた背面カバーが本体に付属する(別売価格は299元、約4900円)。HUAWEI Mate X2は今のところグローバル発売のアナウンスはされていない。チップセット(HUAWEI Kirin 9000)の新規製造ができない現状では、生産台数はかなり限られたものになっているのだろう。しかし、5G時代の動画コンテンツ利用にも最適な大型ディスプレーを折りたたんでコンパクトに持ち運べる製品だけに、日本を含む海外展開もぜひお願いしたい。

スタンド付きの背面カバーが付属。海外展開に期待したい

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