■ゲームタイトル:原神
■メーカー名:miHoYo
■価格情報:基本無料(アイテム課金制)
■公式サイト:https://genshin.mihoyo.com/ja
豊富なキャラクターを組み合わせるのが楽しい、
オープンワールドアクションRPG
2020年9月に基本無料でサービスを開始した「原神」は、7種類の“元素”と呼ばれる力が大きな影響力を持つ世界「テイワット」で、広大なオープンワールドマップ上での探索や冒険が楽しめるアクションRPGゲームだ。
ゲーム開発・運営は「崩壊学園」「崩壊3rd」などのスマホゲームで知られるmiHoYoで、本作は同社が初めてコンシューマー展開したタイトルでもあるのだが、謎の多いストーリーや美麗なアニメ調のグラフィックス、独特のバトルシステムなどにより人気を集めている。PCのほか、PlayStation 4やスマホにも対応しており、PCとスマホ間ではセーブデータ共有が可能な手軽さも特徴の1つだ。
ちなみに本作はオープンワールドのアクションRPGではあるものの、いわゆるガチャを使ったアイテム課金制を採用しており、サービス形態としてはソーシャルゲームやスマホゲーム系のタイトルに準じている。メインストーリーやマップ、キャラクターといったコンテンツが順次開放されていくなど、買い切り型のタイトルとはプレイの感覚が大きく異なるため、そうしたタイトルに慣れていないユーザーは注意する必要があるだろう。
本作の物語は、多くの世界を渡り歩いている2人の兄妹が、「天理の調停者」と呼ばれる謎の存在に力のほとんどと兄妹の片方を奪われ(ゲーム中、最初に兄と妹のどちらでプレイするかを選択することになる)、長い時のあとで再び目覚めたところからスタートする。
偶然出会った妖精「パイモン」の案内のもとで「旅人」となった主人公は、兄(妹)と再会するための手がかりを探し、テイワットにある7つの国と、そこで信仰される七神に出会うために冒険していく、というのが大まかなストーリーだ。
本作の注目すべき点の1つが、このストーリーの行方だろう。原稿執筆時点で、メインストーリーはまだまだ序盤といったところまでしか実装されていないものの、少しずつ明かされていく情報が非常に思わせぶりで、この先に何らかの大きな展開が待っていることがうかがえる。
そもそも主人公の素性や世界の状況など、冒頭からプレイヤーにはほとんど物語の背景が明かされておらず、時にミステリアスであったり、伏線めいた描写やテキストが多く散りばめられている。物語の考察が楽しみたいタイプのゲーマーには特に興味をそそられる作りであるという印象を受けた。
プレイヤーは主人公や仲間となったキャラクターを操作し、広大な3Dのオープンフィールドを探索しつつ、基本的には「任務」と呼ばれる各種クエストをこなすことでゲームを進行していく。任務は特定の場所に行く、敵を倒す、素材を集めるといったもので、この手のアクションRPGでは定番とも言える流れだろう。
なお、本作は任天堂の「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」に強く影響を受けていることが公言されているが、実際にプレイしてみると分かる通り、プレイの感覚は極めて同作に近い。しがみついて崖を上ったり滑空するような移動方法などは、ほとんど“そのまんま”と言ってもいい。一方で独自の特徴とも言えるのが、豊富なキャラクターと、キャラごとに割り振られた7種類の元素による多彩な戦略だ。
本作はストーリーの進行や「祈願」(いわゆるガチャ)によって操作キャラクターを増やせるが、キャラクターはそれぞれに個別の通常攻撃モーションが設定されているほか、炎・水・風・雷・氷・岩のいずれかの元素に由来する「元素スキル」と「元素爆発」と呼ばれる固有の攻撃を放てる。なお、敵やフィールドのギミックのみが持つ草という元素もある。
氷を前方に放つことで敵に氷元素を付与する、炎の矢を放ち着弾地点を燃やすといった攻撃が可能なわけだが、これらの攻撃を奥深いものにしているのが「元素反応」と呼ばれるシステムだ。
元素反応は、敵に元素による特定の状態が付与されている場合に、別の種類の元素で攻撃を重ねることで特殊な反応を生み出すことができるというもの。たとえば、水に入ったり水元素の攻撃を受けた敵は一定時間「湿潤」状態となるが、この状態で氷元素による攻撃を与えれば「凍結」状態にして動きを封じたり、炎元素で攻撃すれば「蒸発」反応により追加ダメージを与えられる。
キャラクターは戦闘中にすばやく切り替えられるため、コンボのように元素反応を積極的に狙うことで効率よく敵を倒していけるのはなかなかに爽快だ。キャラクターはアップデートにより続々と追加されていくため、それらを組み合わせる楽しみが尽きないあたりは、ガチャシステム導入の妙だろう。
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