英Darktrace(ダークトレース)は2月8日、企業が在宅勤務への移行や新手のサイバー攻撃の急増に伴うセキュリティー課題に取り組む中で、組織における個々のユーザー、デバイスの挙動やそれらの関係性を常時自己学習・可視化することで、通信異常を自動検知・遮断する「Darktrace Immune System」の最新アップデートであるVersion 5の需要が急増したと発表した。
SolarWindsを介して数千の重要な機関・組織に不正アクセスの脆弱性をもたらしたハッキング事件でセキュリティー業界が震撼した2020年12月、同社のサイバーAI技術のトライアル導入リクエストは前年同月比でおよそ1.4倍に増加。同社の顧客基盤は現在、Micron(米国)、Rolls-Royce(英国)、NHS信託(英国)など4500社以上の組織に拡大し、最近では従業員数も1500人に増加したという。
CEOのポピー・グスタフソン氏は、「SolarWindsに関連した悪質なキャンペーンを含む最近の攻撃は、デジタルシステムの内部に潜む密かな侵入者から組織を保護するためにシグネチャベースのツールはもはや不十分であることを露呈しています。ダークトレースのAIは、このような新しいタイプの脅威を検知し、その拡散を遮断するためにリアルタイムに介入するように設計されています。旗艦製品の最新アップグレードに対する世界的な需要の高まりは、従来のネットワーク内部に加えて、クラウド、Eメール、ホームオフィスを含むデジタルインフラ全体を保護しようとするCISOを、Darktraceが独自の立場で支援していることの証左です」と述べている。
CSO(最高戦略責任者)のニコール・イーガン氏は、「ダークトレースにはイノベーションの歴史があり、最も複雑な攻撃に自動対処するために必要なテクノロジーをお客様に提供し続けています。企業がリモートワークに移行し、ますます多くのクラウドベースのツールを採用するようになったことで、クラウドネイティブかつ自律的なサイバー防御のニーズが高まっているのです」と述べている。
Darktrace Immune SystemのVersion 5は、Antigena Email、Antigena SaaS、クライアントセンサー、Enterprise Immune System、Industrial Immune Systemを含むダークトレース各製品をアップグレードしたもので、同社が製品ポートフォリオを同時にアップグレードした初めてのケースであり、顧客のデジタル資産全体を完全保護するというコミットメントを強調した製品としている。
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