週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

東芝、世界最速・最大規模の組合せ最適化計算機「シミュレーテッド分岐マシン」を10倍に高速化

2021年02月04日 19時30分更新

 東芝および東芝デジタルソリューションズは2月4日、組合せ最適化問題を解く東芝独自の「シミュレーテッド分岐マシン」の速度・精度・規模を大幅に向上できる新アルゴリズムを開発したと発表した。

 東芝では、最適化問題を解くための一般的な手法であるシミュレーテッドアニーリングを高速化するアルゴリズム「シミュレーテッド分岐アルゴリズム」を2019年4月に発表した。古典力学における断熱過程に基づく従来のアルゴリズムでは、大規模問題の最適解(厳密解)が得られない場合があった。

 新たに疑似量子トンネル効果などによりアルゴリズムを発展させ、短時間で良解(高精度な近似解)を見つける高速アルゴリズムと、より高精度な解を見つける高精度アルゴリズムの2種類を開発した。

 従来のアルゴリズムは発表当時世界最速を記録したが、新アルゴリズムではおよそ10倍の高速化を達成するとともに、大規模な問題の最適解獲得に成功したという。16台のGPUから成る世界最大規模の100万変数のマシンを実現し、通常の計算機ではおよそ1年2ヵ月かかる大規模な計算をおよそ30分で済ませることに成功したとしている。

 今回の成果は、2月3日付(米国東海岸時間)の米国オンライン科学雑誌「Science Advances」に掲載された。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります