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2020年のクルマでベストバイを挙げるとしたら日産「キックス」しかない!

2021年01月16日 12時00分更新

栗原的カーオブザイヤーは「キックス」

 昨年1年間、色々なクルマに乗らせてもらいました。どれも印象に残る素晴らしいクルマばかり。そこで編集のスピーディー末岡から「昨年を振り返って、新型車の中で個人的に気に入ったベストバイの1台を選んで」とのお題をもらいました。つまり「誰が買っても大きな満足度が得られ、それでいてお値打ち価格のクルマを挙げろ」というわけです。これは難しいと考えあぐねた結果、筆者は昨年6月末に販売開始した日産のSUV「キックス」をベストバイの1台に挙げたいと思います。そこでいま一度、キックスに触れながらなぜベストバイなのか、という魅力をお伝えします!

【ベストバイの理由 その1】
見た目がSUVらしくてイイ!

キックスのフロントマスク

 キックスはいわゆるコンパクトSUV(BセグメントSUV)に位置づけられるクルマ。ここには、各社強力なモデルを投入していまして、しのぎを削っています。その中でまず重要なのがデザイン。個人的にSUVには「高い車高」「大きなフロントグリル」「プラスチック製のオーバーフェンダー」「ルーフレール」の4点がデザイン上の必要条件と思っています。これらは、クルマに力強さやたくましさ、頼もしさを感じさせるとともに、アウトドアテイストを高めるに必要な要素です。

キックスのサイドビュー

 キックスのボディーサイズは全長4295mm、全幅1760mm、全高1610mmと、SUVにしてはコンパクト。つまり街で扱いやすいサイズです。でありながら、サイズより大きく見えるのは、大開口のフロントグリルとややツリ目というイマドキのフロントマスクだから。さらに横から見ると、リアを傾斜させたクーペっぽいデザインなのもイマドキ。スラントさせない方が荷物は載るのですが、それですと昔のRV車っぽくなってしまいます。一方、スラントさせすぎると荷室の使い勝手が悪くなります。日産キックスは、その塩梅がとてもよいと感じます。

キックスのリアビュー

リアにはディフューザーのようなデザインを採る

 リアにスポーツカーではよく見かけるディフューザーデザインを採ったのもイマドキのSUVっぽいところ。空力効果はともかく、見た目でスポーティーな印象を与えます。マフラーエンドを見せないところも、電気自動車を意識させるデザインではありませんか。

天井にはルーフレールを用意

シャークフィンタイプのアンテナを備える

 ルーフレールもSUVには必要なアイテム。この手のアイテムを後付けすると意外とお金がかかったりするものです。アンテナはバータイプではなくシャークフィンタイプ。一般的に車高表記にアンテナ部は含まれないことが多く、車高制限にある駐車場だとアンテナでひっかかる事があります。ですので、シャークフィンはありがたいところです。

ダークブルー仕上げのキックス

 広報車が近年の日産車ではおなじみのプレミアムホライズンオレンジですので、グリルが際立って見えますが、ブルーや黒といった濃い色だと結構しっくりするのではないでしょうか? ちなみに以前、ナウなギャルに好きなクルマは? と訪ねたところ、目立たない色のSUVが好みという声を何度か聞いたことがあります。こちらもまたカッコイイ。

 このようにキックスのエクステリアは、SUVの王道をすべて抑えたコンサバという言葉が相応しいもの。それゆえに「誰が買っても満足できる」というベストバイの要素を満たしているように思います。

【ベストバイの理由 その2】
e-POWERで静か! 好燃費!

キックスに搭載するe-POWERユニット

 キックス最大の魅力はe-POWERというシリーズハイブリッドのパワーユニットを搭載しているところです。e-POWERは、動力はモーターのみ、エンジンは発電機を回すだけに用います。エンジンは最も効率のよい回転数と出力のみで動かせばよいので、燃費向上が期待できるのです。

一般道と高速を両方走行した、取材時の平均燃費。リッター20km近くを記録した

 これが実際どの位の燃費なのかというと、取材時でリッター約20kmを記録! これは軽自動車とほぼ同等の数値なのですから驚きです。SUVでここまで低燃費のクルマは、そう多くありません。そして何よりモータードライブですから、とても静か。e-POWERが登場したのは、今から2016年に登場した2代目ノートのマイナーチェンジ版からですが、登場から4年が経ち制御技術が進化しました。というのも、キックスでは50km/h以下では発電用のエンジンが、ほとんど動作しないのです。つまり街乗りが電気自動車なみに静かというわけ。さらにエンジンの回転数もノートの2400回転から2000回転へと抑えられています。従来のノートでは、停止しているのにエンジンが始動したり、始動すると車内に振動が伝わりましたが、キックスではほぼわかりません。50km/hでエンジンが始動しても、走行中の環境音の方が大きく、エンジンの駆動が気づきにくいのです。

 静かすぎるゆえ、走行中はタイヤのロードノイズの方が気になるほど。キックスの弱点を強いて挙げるなら、このタイヤノイズで、標準ではADVANのブルーアースが取り付けられているのですが、グリップ力には不満ないものの、より静粛性の高いタイヤに交換したいところです。

キックスe-POWERのシフトノブ。その上にはドライブモード切替スイッチと、EV専用スイッチが用意されている

 e-POWERの利点のもう一つは、モータードライブによる「ワンペダル動作」ができること。日産ではe-Pedalと呼ぶこのワンペダル動作ができるのは、純電気自動車のリーフとe-POWER搭載車のみ。キックスにはノーマルのほか、ECOとSが用意され、ECOとSがe-Pedal動作を行います。AT車の運転はアクセルを踏んだりブレーキを踏んだりという動作の繰り返しになりますが、ワンペダル動作はアクセルを離すだけで車両が減速し、やがて完全停止します。このメリットは、渋滞中の疲労低減とカックンブレーキになりづらい点と、回生ブレーキを積極的に使うことによる燃費の向上が挙げられます。

ノーマルモードで522km走れる状態

同じ状態でSモードに変更すると553kmに伸びる

ECOモードにすると、さらに航続距離が伸びて579kmに!

 ノーマルモードで522kmで走行できる状態の場合、Sモードでは航続距離が553kmに、ECOモードにすると579kmと伸ばすことができます。運転がラクな上に後続距離が50km以上伸びるとなると使わない手はありません。低燃費と静かな車内は、一般的に好まれます。キックスをベストバイに推す理由は、この経済性と静粛性です。

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