大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)とバカン(VACAN)は11月28日より、大阪市指定の道路協力団体「ミナミ御堂筋の会」と共同で、大阪ミナミエリアで回遊創出の実証実験を開始する。
この実証実験では、AIカメラ技術による路上空間のソーシャルディスタンス検知や、空席情報可視化サービスによるエリア内店舗の混雑回避、ポイントシステム(Osaka Point)による回遊性を分析する。
また、大阪市建設局とミナミ御堂筋の会による社会実験「御堂筋チャレンジ2020」、ミナミの商店街による地域活性イベント事業「WELCOME なんば」と協力し、官民連携で、大阪ミナミエリアの価値向上と、元気なミナミを発信。Osaka MetroとVACANは、この実証実験を通じて、密の回避と回遊性の維持を両立する「ウィズコロナ時代のエリア回遊様式」を確立することで、大阪の活性化と発展に寄与することを目指す。
実証実験の期間は11月28日~12月27日。本実証実験では、次の3つの実証実験の組み合わせにより、密状態を時間差やエリア内分散で回避しつつ、エリア全体としての回遊性を維持確保するための技術検証、開発を目指す。
(1)AIカメラ技術による路上空間のソーシャルディスタンス検知
御堂筋の千日前通からなんば駅前の路上にAIカメラを設置し、ソーシャルディスタンスを検知する仕組みの開発をスタート(来春完成を想定)。従来の検知技術は屋内のみの対応だったが、今回は屋外での検知を実施。
(2)空席情報可視化サービスによるエリア内店舗のネットワークとしての混雑回避
リアルタイム空席情報可視化サービス「VACAN」により、エリア内の店舗の空席情報を可視化し、目的ごとに空いてる店を提示するなど、密を回避し回遊性を高める。
(3)ポイントシステムによる回遊性分析
Osaka Metro Groupの会員制ポイントサービス「Osaka Point」を、エリア内の店舗に先行導入することで、エリア内の回遊や購買行動を検証。
個人情報保護のため、(1)については、個人を特定不可能な画像処理、データの非保持、非提供を前提とする。(2)は、統計処理情報のみを使用し、個人の行動履歴追跡等は行なわない。また、(3)はポイントシステムの統計処理情報のみを使用し、個人情報の使用や、個人の行動履歴追跡等は行なわないという。
本実証実験では、大阪市高速電気軌道は、AIカメラ技術の開発委託、空席情報可視化サービス導入サポート、ポイント会員システムの提供などを担当。バカンはAIカメラ技術の開発受託、空席情報可視化サービス導入を担当。ミナミ御堂筋の会は、AIカメラの設置を担当する。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります