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サントリーなどフェイスシールド開発、その裏に世界最高峰のスパコンが活躍?

2020年10月22日 09時00分更新

見た目の違和感を減らすための工夫

 サントリー酒類と凸版印刷が発表した「飲食時に相応しいフェイスシールド」のプロトタイプは、メガネタイプのフレームを採用し、誰でも直感的に、簡単に着脱ができるデザインとなっている。

 鼻と口を守るシールド部分が横に開閉でき、飲食の際に、これを開け、会話をするときには閉じるという仕組みだ。

 フレームやシールドには透明な素材を採用し、フレームパーツも極力削減することで、「お互いの表情を見やすくし、見た目の違和感を極力排除した」という。

 また、目の部分まで覆う構造としたことで、飛んできた飛沫を防御できること、直接顔を触りにくい構造になるため、手についた飛沫による接触感染のリスクを下げられるメリットもあるという。

 ちなみに、メガネをかけている人も、フェイスシールドはそのまま装着できるが、不要な場合には、目の部分を取り外すことができる。

 「口の部分のシールドを上に持ち上げたり、下げたりということも検討したが、実際に飲食しながら使ってみると、横に開閉するのが、一番邪魔にならない」と、このデザインとなった理由を示す。

 サントリー酒類では、居酒屋や接待型店舗をはじめとする各種業態に分布する形で、8店舗において試験導入とアセスメント調査を実施。現場の声を反映して、デザインに改良を加える予定だという。


富岳のシミュレーション結果を社会に生かす

 今回の取り組みで特筆できるのが、完成した設計情報をオープンデータ化し、無償で、誰でもが使えるようにするという点だ。

 理化学研究所 計算科学研究センターの松岡聡センター長は、「オープンデータにすることで、早期の普及を目指すこと、さらなる改善が進むことを期待している。より優れた形状、より優れた使い方が実現できる」とし、「飲食店だけでなく、スポーツ観戦や劇場でも役立つ可能性がある」と述べた。

 富岳のシミュレーション結果をもとに、感染リスクを低減する効果を持ったツールが、広く普及することに期待したい。

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