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コナミアミューズメントの「ARESPEAR」初のゲーミングPCの気になる性能をチェック!

2020年10月15日 11時00分更新

スタイリッシュなデザインの「ARESPEAR(アレスピア)」のゲーミングPC

 昨年の「東京ゲームショウ2019」にて、ゲーミングPCや周辺機器などへの参入を発表、今年の2月に行なわれた「ジャパンアミューズメントエキスポ2020」にて実機をお披露目したコナミアミューズメントのeスポーツ向けブランド「ARESPEAR(アレスピア)」初のデスクトップPCが9月28日に発売された。

「ARESPEAR(アレスピア)」は、ギリシア神話に登場する「戦」を司る神「ARES(アレス)」と、その代表的な武器である槍「SPEAR(スピア)」を組み合わせた造語。同社はデスクトップPCの他に、ゲーミングキーボードを2種類、ゲーミングヘッドフォンを1種類発売している。

 発売されたデスクトップPCはスタンダードクラスの「ARESPEAR C300」、ハイクラスの「ARESPEAR C700」、最上位であるハイクラス+の「ARESPEAR C700+」の3モデル。「ARESPEAR C700+」は、「ARESPEAR C700」とスペックこそ同じだが、左側面に透明なアクリルパネルを採用し、LEDライティング機能により、内部と外側をライトアップできる特徴を持つ。

 コナミグループは、eスポーツ界で活躍できるプロフェッショナルを育成するための専門スクール「esports 銀座 school」を運営するなど、ますます勢いを増すeスポーツ事業に積極的だ。「ARESPEAR」のデスクトップPCや周辺機器も、そうしたスクールでの使用目的も視野に入れた事業の一環だろうが、実際にどういった想い、コンセプトによって生まれたのか。

 実際に「ARESPEAR C700+」と「ARESPEAR C300」をお借りして、前回まずは写真記事でその魅力をお伝えした。今回は、関係者に少しお話を伺った内容もお伝えしつつ、定番ベンチでの性能についても触れたいと思う。


他社にはない独特なPCケースを一からデザイン!

 コナミアミューズメントによると、PCケースは他にはない独特なデザインになるよう力を入れており、同社のアーケード筐体をデザイン・制作しているチームのデザイナーに依頼。戦いの神アレスをイメージし、鎧を彷彿とさせる鎖模様で力強さを表現。

 ワンポイントとして刻まれたロゴと共にスタイリッシュな形状を取り入れることで、上質な高級感を出しているという。また、デザイナー曰く「ARESPEAR C700+」は普通のPCと異なり、アクリルパネルの方が正面であるというコンセプトでデザインをしたとのこと。

 LED部分も制御も含めて一から制作しており、相当力を入れているという。フレームをここまでしっかり光らせるPCは、少ないのでは?とのことだったが、確かに一般的に普及しているPCケースとしては類を見ない。ケースは樹脂製とのことだが、コスパの良いPCで採用するアルミ製のペコペコと凹むケースと異なり、サイドパネルもしっかりとした作りで、高級感を感じさせ耐久性も高そうだ。

アクリルパネルを採用した一般的なPCケースは、サイドパネル全てが透明だが、パネルの縁にしっかりとした光量を放つLEDを搭載し、透明部分はメカメカしいビデオカードやマザーボードが覗く、PCというよりもアーケード筐体を思わせる独特なデザインは特徴的だ

LEDのパターンは、「ARESPEAR C700+」の公式紹介サイトにある「LEDライトパターン設定エディター」でパターンを作成し、ダウンロードしたファイルを読み込むことで適用できる

 アクリルパネルがある方がPCの正面になるようデザイナーを設計したとのことだが外部、内部構造をお伝えするのに分かり辛くなるので、以降もインターフェースがある方を背面(リア)、その逆を前面(フロント)としてお伝えしたい。

 I/Oパネルのある背面を、カバーで隠せるのもPCケースの特徴のひとつ。電源や外部出力、USBケーブルを全て隠せるといった配慮もされている。これも他のPCにはない発想だ。

背面カバーを取り付けることでケーブルが収まり、ごちゃつきがちになるケーブルがまとまり、非常にまとまりが良くなっている

 本PCは同社の代表的なシリーズである「beatmania(ビートマニア)」のPC版である「beatmania IIDX INFINITAS」が快適、かつ高音質で楽しめることを念頭にスペックなどが決められている。入力遅延なく「beatmania IIDX INFINITAS」がアーケードと同レベルで快適に遊べるスペックになっている。

 サウンド―カードはかなりの数を評価。遅延が発生しない見込みがあり、音質を最も重要視してbeatmaniaのサウンドチームに選定してもらいASUSの「XONAR AE」を採用したという。

ASUS「XONAR AE」は192kHz/24-bitハイレゾ音質の7.1chサラウンドを出力できるサウンドカード。高品質な150ohmヘッドフォンアンプを搭載。独自のEMIバックプレートにより、雑音を遮蔽し、クリアな音質を実現する

 もちろん、同社は「ARESPEAR」のデスクトップPCを「beatmania IIDX INFINITAS」の専用PCと謳っているわけではない。「ARESPEAR」ブランドの第一弾PCとして、同社のコンテンツを有効活用するべくベースとして考えているが、PCは汎用性の高いものであるため、スペックなどに応じて今回3モデルを用意したとのことだ。


フルHD以上で快適にPCゲームがプレイできる性能

 さて、では実際にスペックなどはどうなのだろうか。まずは定番ベンチマークを使って検証していきたい。検証に使用したPCは、「ARESPEAR C700+」と「ARESPEAR C300」の2モデル。主なスペックは以下のとおりだ。

主なスペック
機種名 ARESPEAR C700+ ARESPEAR C300
CPU Intel「Core i7-9700」
(8コア/8スレッド、3.0~4.7GHz)
Intel「Core i5ー9400F」
(6コア/6スレッド、2.9~4.1GHz)
ビデオカード NVIDIA「GeForce RTX 2070 SUPER」 NVIDIA「GeForce GTX 1650」
メモリー 16GB
(DDR4-2666、8GB×2)
8GB(DDR4-2666、8GB×1)
ストレージ 512GB SSD(NVMe M.2)+1TB HDD 512GB SSD(NVMe M.2)
サウンドカード ASUS「XONAR AE」
インターフェース DisplayPort出力(1.4)×3、HDMI出力(2.0b)、USB3.2 Gen2(Type-C)、USB3.2 Gen2(Type-A)、USB3.1 Gen1(Type-A)×6、USB2.0×2、ギガビットLAN他 DisplayPort出力(1.4)、HDMI出力(2.0b)、USB3.2 Gen2(Type-C)、USB3.2 Gen2(Type-A)、USB3.2 Gen1×3、USB2.0×3、ギガビットLAN他
サイズ 230(W)×575.3(D)×501.5(H)mm
重量 約17kg 約16kg
OS Microsoft「Windows 10 Home(64ビット)」

 まずは「CrystalDiskMark 7.0.0」でストレージの速度を確認。ストレージは「ARESPEAR C700+」「ARESPEAR C300」ともに規格も容量も同じ。速度もやや誤差はあるものの、ほぼ同じであり、スタンダードクラスの「ARESPEAR C300」であっても、ハイクラス+の「ARESPEAR C700+」と同じく高速。

左が「ARESPEAR C700+」計測結果、右が「ARESPEAR C300」の計測結果

 ちなみに、マザーボードは日本では馴染みのない米Super MicroのゲーミングブランドSuperOの「C7Z370-CG-L」(Z370)が使われていた。「CrystalDiskInfo 8.8.7」でストレージを確認したところ、「ARESPEAR C700+」「ARESPEAR C300」どちらもシーケンシャルリード公称最大3180MB/秒のKIOXIAの「KXG60ZNV512G」を実装していた。

 Z370マザーボード搭載のPCの場合、シーケンシャルリード毎秒2200MBなどの一般的なNVMe SSDが使われていることもあるが、ゲーム用途に最適な3000MB/秒超えの、Gen 3 SSDの中ではトップクラスの速度のストレージが採用されているため、アプリの起動やゲームのロード時間、データ転送で活躍する。

BIOS画面。英語で表示されるが、一般的なマザーボードと同じく日本語にも変更可能だ

「CrystalDiskInfo 8.8.7」で確認したところ、ストレージはKIOXIA「KXG60ZNV512G」であることが確認できた

 次に定番の総合性能ベンチである「PCMark10」のスコアーを確認していきたい。

「PCMark10」のスコアー。左が「ARESPEAR C700+」、右が「ARESPEAR C300」の結果

 Core i7とCore i5とCPUが異なるため、アプリ起動やビデオ会議など普段使いの「Essentials」、オフィス作業の「Productivity」でも2割近くスコアーに差が生まれた。

 それよりも写真編集や動画エンコードなどに関わる「Digital Content Creation」では、「ARESPEAR C700+」が「ARESPEAR C300」よりも1.6倍の差を付け、ビデオカードの性能差を見せつけた。

 では、ゲームベンチの定番である「3DMark」のスコアーも確認していこう。

3つのテストでスコアーを比較

 スコアーだけでは、分からないという人もいると思うので、テスト項目でのフレームレートも伝えるとDirectX11向けで、解像度フルHD(1920×1080ドット)のFireStrikeでは、「ARESPEAR C700+」のGraphics test 1が116.57fpsのところ「ARESPEAR C300」は40.22fpsと半分を下回った。実ゲームではフルHDでも60fpsで遊べるタイトルもあるスコアーだが、映像美を謳う重いPCゲームの場合は「ARESPEAR C300」だと、やや描画設定の見直しが要求されそうだ。

 とはいえ、ノートPCなどを想定したSky Diverでは、「ARESPEAR C300」のGraphics test 1でも124.66fpsとかなり高い。軽さを謳うPCゲームタイトルは、非常に快適に動作する性能を有する。

 さらに実ゲームベンチとしては、長く定番で使われている「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ 」のベンチマークソフトを使用。解像度はフルHD、最高品質設定でスコアーを計測した。

どちらも非常に高いスコアーをマーク

「ARESPEAR C300」でもスコアーが9045と、7000以上で得られる最も高い評価の「非常に快適」になった。現在稼働している、一般的なMMORPGならフルHDであれば、とても快適に遊べるスペックを有していることが分かる。


「beatmania IIDX INFINITAS」が高サウンド
120fpsでとても快適にプレイできる!

 最後にゲーミングヘッドフォン「ARESPEAR H100」にて、サウンドを確認してみた。「ARESPEAR C700+」と「ARESPEAR C300」に採用されているASUSのXonar AEは、サウンドチップにUSB2.0接続向けのCーMedia 6632AEを採用し、DACには多くのUSB DAC&ヘッドフォンアンプに搭載されているESS社ES9023Pを搭載。高音質オーディオと、ゲーミングサウンドをスピーカーやヘッドフォンで楽しめる。

Xonar AEのユーティリティー「Sonic Studio」にて、各種音の調整も行なえる

 音質は非常にクリアーで、ピアノやヴァイオリンの高音もくっきり、一音一音が聞き取れた。「ARESPEAR H100」は低音と中高音のバランスが良いが、特に高音の伸びが良く、女性ボーカリストの高音はとてもキレイに聞こえる。

 メロディアスでノリの良い曲が多い「beatmania IIDX INFINITAS」では、その曲の細部がクリアに聞こえ、明らかに一般的なPCとは違うと感じられた。

「beatmania IIDX INFINITAS」を「beatmania IIDX 専用コントローラ エントリーモデル」と「ARESPEAR H100」で体験。かなりアーケードに近い感覚でプレイが楽しめる

 ちなみにディスプレー設定を自動設定(対応ディスプレーでは120fpsで動作)にしたところ、プレイ中のフレームレートは「ARESPEAR C300」でも120fpsをキープ。とても快適にプレイできた。

フレームレートは120fpsをキープ。非常に快適に「beatmania IIDX INFINITAS」をプレイできた

 コナミアミューズメントが手掛ける「ARESPEAR」の第一弾デスクトップPCは、従来の一般的なPCとは異なるアミューズメント機器を取り扱うメーカーの独特なデザインと、機能が盛り込まれたインパクトのある製品に仕上がっている。

 見た目だけでなく、同社を代表するリズムゲーム「beatmania」のPC版が快適にプレイできることをベースに、人気のMMORPGやeスポーツでも採用されるPCゲームが快適に動作するスペックを有している。

 特にサウンドに関しては、「beatmania」を手掛ける同社のサウンドチームが選別し、「beatmania」シリーズをプレイする多くのファンが納得のクオリティーを購入してすぐに体験できる構成となっている。

「ARESPEAR」ブランドの最初のPCとして限定感もあるので、そうした所有感を満たしたい人は、一考の価値ある製品ではないだろうか。

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