「コロナ禍においては、ビジネスのやり方や生活様式が変わり、ロボットの役割も、これまでとは違うものが期待されるようになってきた」
コロナウィルス軽症者保護施設で活躍
ソフトバンクロボティクスは、ロボットを活用した新型コロナウイルス対策や、ニューノーマル社会におけるロボット活用の提案に積極的に取り組んでいる。
ソフトバンクロボティクスグループ 代表取締役社長兼CEOの冨澤文秀氏は、「Pepperを発売して以来の6年間、様々なソリューションを通じて、人とロボットとの共生を実現してきた。だが、コロナ禍においては、ビジネスの形や生活様式が変わり、ロボットの役割も違う形が期待されている」と語り、同社が発売する人型ロボット「Pepper」や、掃除ロボットの「Whiz」が、新たなニーズにおいて活用されはじめていることを示す。
たとえば、PepperおよびWhizは、東京都の新型コロナウイルスの軽症者保護施設のすべてに導入。Pepperが、⼊居時の出迎えや⼊居者の⾷事の受け取り時に声がけをするなど、癒しを提供する役割を担い、Whizは、⾷事などの受け渡しをするホテルロビーなど、⼈の出⼊りが制限される「レッドゾーン」を、最先端のAI技術を使って、正確に、効率的に、清掃するという。
また、Whizは、JRの高輪ゲートウェイ駅の自律清掃をはじめとして、生活インフラ施設において約5000台が稼働。薬剤を組み合わせて、壁やドアノブなどを消毒するオプションの提供を開始するなど、人の労働力をかけずに掃除を行ったり、除菌を行ったりといった作業の削減に貢献していることを示す。
「Whizは、世界中で1万台以上が稼働しており、総清掃距離は地球14周分に達している。生産が追いついていないほどの注目ぶりである」とする。
10月から新たに発売する「Whiz i」は、従来モデルに比べて、吸塵率を最大で1.6倍に向上。新型コロナウイルスを含むウイルスの除菌にもこれまで以上に貢献できるという。
「ウイルスの多くは、床に付着している。Whiz iが、これをきっちりと丁寧に掃除することで、床のウイルスが激減し、空間浮遊菌量を1/5に削減できる」とする。
一方、Pepperでは、来店客の体表温度を1秒以内に測り、結果に応じて声掛けをする「サーマルPepper パック」を、9月28日から提供を開始。来店客などの検温しながら、マスク着用の有無も同時に検知することができるという。
これは、法人向けモデル「Pepper for Biz 3.0」を用いた新たなソリューションであり、本体にサーマルカメラと発熱検知用のアプリケーションを搭載。店舗や施設の来店客の体温を非接触で瞬時に測定する。これも、ニューノーマル社会の新たなニーズに応えた新たなロボットの活用法のひとつだといえる。
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