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プライバシー機能も備えた人気の第3世代Ryzen 7搭載スリムノートの実力を検証

2020年09月29日 11時00分更新

文● ジサトラハッチ 編集●ASCII

7年前の買い替え時なノートPCと比べたら
約10倍もの性能差に!

 さて、そんなIdeaPad Slim 550 (15) だが、ではどの程度の性能なのか、実際に定番ベンチマークソフトなどを使いチェックしてみた。本機にはRadeon Settings Liteがプリインストールされているため、今回は購入者の状況に限りなく近づけるため、アップデートせずにそのまま使用した。ソフトウェアバージョンは「20.10.28」。

 まずはCPUの定番ベンチマークである「CINEBENCH R20」。

 マルチコアのスコアーが2662pts、シングル446pts。前述したように、一般的な買い替えサイクルとなる約7年前に発売されたLenovo「IdeaPad Yoga 13」のIntel「Core i7-3517U」のマルチコアのスコアーが220pts前後、筆者が所持していた7年間使って性能劣化が起こっている「IdeaPad Yoga 13」だと153ptsという結果だったので、10倍以上の差になる。

 次にグラフィックス性能については、定番の3DMarkで計測。結果は上図の通り。参考までに計測したが、さすがにdGPUを搭載するゲーミングデスクトップ向けのFireStrikeやTimeSpyのスコアーは低め。しかしながら、GPU内蔵CPU向けのDirextX 12ベンチマーク「Night Raid」は1万を超え、Graphics test 1のフレームレートが51.50fps、Graphics test 2が73.10fpsと、比較的軽いゲームであれば一般的なゲーム機が出せる最大60fpsで遊べる余地を示した。

 実ゲームベンチの定番「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」では、解像度がフルHD(1920×1080ドット)とHD(1280×720ドット)の2パターン、描画品質は最高品質と高品質ノートPCとし、その組み合わせの全4パターンで計測。

 dGPUを備えていないながらも、フルHD&最高品質でも標準的な動作が見込める「やや快適」評価をマーク。ただし、人が多く集まるレイドなどでの快適プレイを考慮するならば、スコアーが5000超えの「とても快適」評価であるHD+高品質ノートPC設定にしておく方が良さそうだ。

 さらに、今度はもっと動作の軽い「ドラゴンクエストX」のベンチマークではどうだろうか。最も動作の重い設定である最高品質+フルHDと、標準品質+フルHD、標準品質+HDの3パターンで計測。

 解像度がフルHDの場合、最高品質と標準品質というグラフィックス設定の違いではスコアーが1000ほど違うものの、どちらも評価は「とても快適」。標準品質で解像度をHDまで落とすと最高評価の「すごく快適」になった。

 筆者が所有する「IdeaPad Yoga 13」だと、標準品質+HDでも2336の「やや重い」評価だったため、約4.7倍の性能差に。もちろん、CPUはIntel製で、時代もシリーズも異なるため、あくまで参考値ではあるが、7年前当時のハイエンドなモバイルノートPCと比べても、非常に性能が向上していることが分かる。古いノートPCの動作にやきもきしている人の買い替え用としては非常に魅力的だ。

 では、今度はクリエイティブ性能について検証。写真編集では定番の「Adobe Lightroom」にて、解像度6000×4000ドットの132枚のRAWデータを写真を追加して全て読み込まれるまでの読み出し時間と、品質100%のフルサイズJPEGファイルに書き出した際の時間で検証。CPUが第8世代Intel「Core i7-8650U」(4コア/8スレッド、1.9~4.2GHz)、GPUがGeForce GTX 1060、16GBメモリーを搭載する、筆者がずっと2年間メインPCとして使用している15インチの「Surface Book 2」と比較した。

「Surface Book 2」は筆者が2年間使い倒しているため、やや性能が落ちているとは思うが、その分を差し引いても「IdeaPad Slim 550 (15) 」は倍近い速度で処理が終わっている。

 最後にAMDの発表会でも使われる定番の無料動画変換アプリ「HandBrake」を使い、動画の変換速度を比較。4Kで録画した約5分のゲームプレイ動画をプリセット「YouTube HQ 1080p60」を使い、H.264とH.265の両方で出力した際の処理時間をそれぞれ計測した。

 動画変換でもH.264で6分以上、H.265で10分以上早く、処理が終わっている。

Office付でビジネス用途にも◎
コスパの良いノートPC

 今まで計測してきたとおり「IdeaPad Slim 550 (15) 」は、メインPCとして使える8コア/8スレッドのCPU「Ryzen 7 4700U」を搭載し、高音質なスピーカー、広視野角のIPSパネルなど、実売11万円以下という価格では、破格の性能を有している。

 15.6インチと持ち運びよりは宅内、オフィス内で使用するサイズと考えれば、薄型で重くなく、そのモダンなデザインは、好みにもよるがビジネス用途にもマッチ。

 7年前の同社のハイエンドなモバイルノートPCと比較した場合、性能差は段違い。起動も高速、ちょっとした写真編集や動画変換もそこそこ速い。また、「Microsoft Office Home & Business 2019」もプリインストールされているので、オフィスソフトをよく使うビジネスマンの宅内PCとしても重宝する。

 リモートワークで需要の高まるウェブカメラには、プライバシーシャッターも搭載。コストバランスも良く、仕事やちょっとしたエンタメ用途に活躍する1台だ。今後、同様のスペックを持つ14インチのノートPCも機会があれば検証したい。

(提供:日本AMD)

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