パフォーマンスはエントリークラスの
ゲーミングデスクトップPC並み
それでは気になるRyzen 7 3700Xの実力を見ていこう。狭いノートPCの筐体に押し込まれているので、しっかり性能を発揮できるか、ベンチマークや実際の作業を行ないチェックしてみた。
まずは「PCMark 10」でCPU性能とGPU性能をあわせての総合評価を見てみる。GPU機能を内蔵したCPUの場合には、ディスクリートGPUを持っていても内蔵GPUが優先されてしまうこともあるが、GPU機能を内蔵していないRyzen 7 3700XとGTX 1660 Tiの組み合わせなら正確な性能をチェックできる。
総合スコアーは「6332」で、内訳を見てみるとApps ScoreやPhoto Scoreなどいくつかの項目が5桁台になっているが、Video ScoreやWriting Scoreが低めで、CPUに比べるとGPUが多少力不足な感じが伺える。
「3DMark」のDirectX 12でのパフォーマンスをはかる「Time Spy」のスコアーも計測。Ryzen 7 3700Xは8コア/16スレッドで動作し、CPUのパフォーマンスはかなり高いが、GPUのGTX 1660 Tiはゲーム用GPUとしてはエントリーからミドルクラスに相当するGPUなこともあり、あまりスコアーは伸びない。しかし、フルHDでのゲームなら十分な性能を発揮できることも多く、コスト的には優れているGPUだ。また本機はDAIVシリーズということもあって、ゲーム用途よりは制作向けのPCなので、発熱やコスト面からも最適解に近い組み合わせだと思える。
「CINEBENCH R20」では、マルチが「4687pts」でシングルが「488pts」とかなりいいスコアーを出している。Ryzen 7 3700Xは8コア/16スレッドで動作することもあり処理能力はかなり高く、コンシューマー向けのCPUとしてはトップクラスの性能を持っている。またコア数の多いのCPUはシングル性能が振るわない傾向があるが、シングルでのスコアーもかなり高く、ゲーム等でも性能を発揮できると思える。
続いて、「CrystalDiskMark」でストレージのパフォーマンスを計測する。ストレージの接続はNVMeに対応しているため、同じSSDであってもSATA接続とは比較できないほど高速なデータ転送が可能だ。なお、CPUがRyzen 7 3700Xなので、SSDにPCIe Gen4接続を期待してしまうが、チップセットはB450なので利用できない。
SATA接続のSSDでは、この後テストを行なう「Photoshop Lightroom Classic」でのPSD16bit形式での書き出し時に、CPUの処理速度に追いつけず書き込み待ちが生じることがある。だがNVMe接続なら処理待ちになる心配はない。大容量データのコピーやバックアップでも待ち時間が短くなるのは地味に助かる。
各種ベンチマークテストではそれぞれ採用しているパーツの性能を再確認することができた。高性能なCPUとGPUの組み合わせにより、作業効率はかなり高くなると思われる。では実際の作業ではどれくらい快適かを、普段使用しているアプリで作業しながら確認してみよう。
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