週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

NeoFaceに応用、世界評価No.1の実力が進化

コロナ禍だから顔認証、マスク顔を99.9%認識するNECの新技術

2020年09月24日 00時00分更新

グローバル展開が可能なソリューション

 顔認証の難しさは、顔を構成するそれぞれのパーツの形が変わっても、本人特定しなくてはいけないという点にある。

 髪型、眉毛、ひげ、眼鏡などのほか、口や目の開閉、顔の向き、明るさ、年齢、化粧、整形といった要素にも対応できなくてはならない。

 NECの顔認証技術は、登録画像と照合画像を比較して、顔を検出。顔の位置と大きさをあわせて正規化し、顔のパーツ位置などの特徴を数値化する特徴量抽出を行い、比較結果を照合スコアとして算出するという。照合スコアは、顔のそれぞれのパーツの特徴量が一致しているほど高い値になる。

 「NECの技術の最大のポイントは、特徴量抽出の部分であり、最近ではここにAIを活用している。本人と、似ている他人との違いを最大限強調するようなアルゴリズムによって、最大の精度を出せることが、他社との認識率の差につながっている」と説明した。

 NECの顔認証技術は、これまでに世界約70国と地域に、1000以上の顔認証システムが導入されており、「認証、セキュリティ、決済、マーケティング、おもてなしといった幅広い領域で採用されている。この技術は、NECのなかでも、グローバルで展開している点でも強みがある」とした。

 米ニューヨークのJFK国際空港では、入国審査用顔認証システムにNECの顔認証技術を採用。IC旅券の顔データとのリアルタイム照合により入国審査を支援。和歌山県の南紀白浜エリアでは、空港とホテル、オフィス、買い物などを顔認証で行うことで、利用者の利便性を向上。また、新型コロナウイルス対策としては、サーマルカメラとリアルタイム顔検出技術の組み合わせにより、入退時の体表温測定業務を効率化するといった使い方を提案している。NEC本社ビル1階のウォークスルー入退場ゲートでは、顔認証と体表温度を測定するサーマルカメラを連携した入退場管理の実証実験を開始。ここにマスク対応を強化した新エンジンを適用するという。

 「今後は、様々な生体認証技術と組み合わせたマルチモーダル認証を実現したり、認証技術を通じて、様々な産業の壁を超えたサービスの提供によるコネクトした世界を実現。さらに、生体認証技術をもとに、個人に最適化したパーソナライズなサービスの実現につなげたい」と述べた。

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう