2020年6月17日、PCケースメーカーとして知られるNZXTは、人気FPSゲーム「レインボーシックス シージ」(以下、R6S)とコラボしたPCケース「H510 Siege」を発売すると発表。このH510 Siegeは、全世界でわずか500台の限定生産となり、日本市場では2020年8月25日から発売されるという。
さらに、NZXTのニュースリリースによると、H510 Siegeを利用したBTO PCは、パソコンショップSEVENでのみ販売されるとのこと。では、H510 Siege採用モデルとはどのようなPCなのか、同ショップを運営するセブンアールに赴き、代表取締役である西川 龍氏と、中嶋孝昌氏、さらにNZXTの販売代理店であるタイムリーの中村規宇氏に話を伺った。
H510 Siege採用モデルの主なスペック | ||||
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製品名 | ZEFT G98-R6S | ZEFT G77-R6S | ZEFT RX9-R6S | ZEFT RX8-R6S |
CPU | Intel Core i9-10900K (10コア/20スレッド、3.7~5.3GHz) |
Intel Core i7-10700 (8コア/16スレッド、2.9~4.8GHz) |
AMD Ryzen 9 3900XT (12コア/24スレッド、3.8~4.7GHz) |
AMD Ryzen 7 3800XT (8コア/16スレッド、3.9~4.7GHz) |
ケース | NZXT H510 Siege | |||
CPUクーラー | SilverStone PF240-ARGB ZEFTモデル | |||
メモリー | 32GB(DDR4 SDRAM、16GB×2) | 16GB(DDR4 SDRAM、8GB×2) | 32GB(DDR4 SDRAM、16GB×2) | 16GB(DDR4 SDRAM、8GB×2) |
グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 2070 SUPER | NVIDIA GeForce RTX 2060 SUPER | ||
SSD | 1TB M.2 SSD(NVMe) | 500GB M.2 SSD(NVMe) | ||
HDD | 2TB HDD(Serial ATA 6Gbps) | 1TB HDD(Serial ATA 6Gbps) | 2TB HDD(Serial ATA 6Gbps) | |
有線LAN | 1000BASE-T LAN | |||
無線機能 | Wi-Fi 6/Blutooth 5.0対応 | |||
電源ユニット | 850W(80PLUS Gold認証) | 750W(80PLUS Gold認証) | 850W(80PLUS Gold認証) | |
OS | Windows 10 Home(64ビット) | |||
価格 (標準構成、税別) |
30万9800円 | 22万6800円 | 29万9800円 | 25万9800円 |
NZXTとの親密な関係により実現したモデル
ゲームそのままのデザインは秀逸
――今日はよろしくお願いします。まずは、御社のBTO PCにH510 Siegeを採用するまでに至ったいきさつを教えてください。
中嶋氏:弊社のBTO PCにおいて、NZXTさんのケースは10年以上前から取り扱いさせていただいておりました。そういった背景もありまして、今年の2月頃だったの思うのですが、NZXTさんの台湾の担当者さんに弊社に来ていただいて、いろいろお話させてもらいました。その中で「NZXTさんと一緒に何か新しいものができたらいいですね」という話をしました。
――それがきっかけということでしょうか?
中嶋氏:はい。その頃は、具体的な話までは行かなかったのですが、NZXTさんによりますと、1年か2年置きにゲームタイトルとコラボしたPCケースを発売しているので、次に何かそういった類の製品を出すときは、一緒に仕事をしませんか? とお話をいただきました。
――なるほど。その話が、今回のR6SコラボモデルであるH510 Siegeだったというわけですね。
中嶋氏:今回はゲームメーカーさんの公認をいただいているケースを採用することで、ゲーマーの皆さんが弊社のBTO PCに興味を持つきっかけになってもらえればと思っています。こんなことを言ってしまっていいのかわかりませんが、今回のPCについては割と採算を度外視で、普段ゲームをプレイしている方に、おもしろいPCを提供できればと思っています。
――NZXTから直接指定を受けて、BTO PCの販売が御社のみになったというのは、なかなかすごいですね。
中嶋氏:はい。ありがたいことに、NZXTさんの担当者の方が2月の話を覚えていて下さり、H510 Siegeのご提案をいただきました。弊社のみだと聞いたのは、いろいろと調整をした後でして、かなり驚きました。
中村氏:NZXTとしては、パソコンショップSEVENさんは非常に好意的に扱っていただいているBTO PCメーカーであり、なんとかそれにお答えしたいと考えておりました。そこで、2月の約束を守ったという表現が正しいかはわかりませんが、H510 SiegeをパソコンショップSEVENさんのBTO PCで扱っていただくことになりました。
――H510 Siegeが届いて、実物を見た印象はどのようなものでしたか?
中嶋氏:本当に塗装なのかと思うほどリアルで、衝撃的でしたね。サイドパネルに関しては、大げさかもしれませんが、本当に板を打ち付けたのかと見間違うほどでした。もちろん、近寄って見るとペイントと分かるのですが、R6Sが関係なくても、ペイント技術だけで非常におもしろいケースに仕上がっているのではないでしょうか。R6Sファンの方はもちろんですが、プレイしたことがない人でもこのペイントは一見の価値ありです。
――R6Sのゲーム実況を行なっているプレイヤーならぜひとも欲しい1台ですね。
中嶋氏:台数はごく少量です。希少価値はあると思いますので、配信者さんにとってもかなり魅力的なPCに仕上がっていると思います。
中村氏:NZXTは、「Fallout」シリーズのヌカ・コーラやVault Boyをデザインしたモデル、それに「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」などいくつかのゲームタイトルとコラボしたモデルを、CRFTシリーズとして発売しています。そのほかにも、「Overwatch」とのコラボモデル、「Counter-Strike」シリーズの武器スキンを手掛けた方がデザインしたモデルなども取り扱っています。
NZXTでは、実際にゲームをプレイしている若い世代が開発の中心になっていまして、そうした“ゲームが好きな人間”にしか作れない製品が、コラボモデルとして発売されています。NZXTとしては、今回のR6Sコラボモデルは、メーカーとして製品を提供するというよりは、プレイヤーとして少しでもユーザーさんに近づくことができればというスタンスになっています。
――今回のデザインもすごく特徴的ですよね。
中村氏:はい。今回のモデルも、チーム内のR6Sが好きな担当者が話し合って、デザインをブラッシュアップしています。そのため今回のH510 Siegeは、どのコラボモデルよりもプレイヤーの視点が入っているケースと言っていいと思います。今回のデザインは、モチーフとして十分に考えられており、全体的に施された“傷”もかなり臨場感があるのではないでしょうか。また、フロントパネルを始めサイドパネルなど、デザインに関してはユービーアイソフトさんの監修も入っていますので、プレイヤーさんの皆さんもかなり納得がいくものだと思います。
――内部の黄色いラインが印象的ですね。
中村氏:はい。こちらがケーブルバーと呼ばれるもので、マザーボードの裏面から周り込むケーブルを隠すことができます。H510シリーズで統一しているデザインで、もちろんH510 Siegeでも同様に利用可能です。
――今回、御社のBTO PCでは、4つのモデルが用意されているようですが、第10世代Coreプロセッサー採用が2モデル、Ryzen採用が2モデルとした理由はなんですか?
西川氏:今回、H510 Siege採用モデルは、Core i9-10900K、Core i7-10700、Ryzen 9 3900XT、Ryzen 7 3800XTのそれぞれのCPUを搭載した4モデルを用意しています。ですが、R6Sのプレイにおいては、第10世代CoreプロセッサーとRyzenでは、際立って大きな差はありません。そこで、両CPUを用意して、プレイヤーさんの需要に対応できるようにしています。
今回、これらのスペックを固めるにあたり、H510 Siegeのオリジナルとなる「H510」を用いて検証を行ないました。そのうえで、CPUクーラーにはSilverStoneさんと弊社がコラボした簡易水冷モデル「PF240-ARGB ZEFTモデル」を採用していますので、第10世代CoreプロセッサーもRyzenも十分冷却することが可能です。なお、ラジエーターは240mmサイズでフロントパネル側に装着しています。
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