リアルタイム翻訳機能は即戦力になるか
筆者が最も注目していたPixel Budsの機能が、Google翻訳を活用した「リアルタイム翻訳」だ。
前置きとして、リアルタイム翻訳機能はAndroid 6.0以降を搭載するスマホに「Google翻訳アプリ」をインストールして使うものであることを確認しておきたい。イヤホン単体で翻訳を使うことはできないし、スマホを介してインターネットに接続する必要がある。
最初にイヤホンのリモコンを長押しするか、音声コマンドによりGoogleアシスタントを起動する。続いて「○○語に通訳して」とイヤホンに話しかける。この時にスマホはスタンバイ状態を解除している必要がある。そして「○○語に翻訳して」ではなく「通訳して」とお願いするとGoogleアシスタントが正しく会話モードで起動するようだ。
アプリが起動してから再びイヤホンのリモコンを長押しして、翻訳したい原文(この場合は日本語)のフレーズをできる限り滑舌よくイヤホンに向かって話しかける。ある程度長目の文章でも最後まで途切れることなく認識しされ、なかなか高い精度で英語に翻訳してくれた。画面にはテキストで翻訳の結果が表示されるほか、スマホのスピーカーから音声で訳文を読み上げてくれる。会話の相手が目の前にいれば、スピーカーの音声を隣で聞いてもらえばいい。
会話の相手にはスマホのマイクアイコンをタップした後から、マイクに向けて話しかけてもらう。翻訳された日本語がほぼリアルタイムにイヤホンから聞こえてくる。同時にスマホの画面に相手側の言語で認識されたフレーズが文字化される。ユーザーの側が字面で何が書いてあるのかわからなくても、画面を相手に見てもらえば意図したことがどれほど正しく伝わったか確認してもらえるだろう。
フランス語やドイツ語、中国語などいくつかの言語で試してみたところ、翻訳アプリは共通の動作を返してくれる。翻訳は順次40以上の言語に利用範囲を広げる予定らしいので、順次便利になっていくものと期待したい。コツは恥ずかしがらず、そして伝えたいことをシンプルに整理してから明瞭にイヤホンに向かって話しかけることだ。音声認識が上手く行けば精度の高い翻訳が返ってくる。
なお、海外サッカーのプレスカンファレンスの動画をタブレットで再生して、内蔵スピーカーから聞こえてくる音声をリアルタイム通訳にかけてみた。Pixel Budsで翻訳を聞きながら、会議やインタビューの仕事をこなす際に同時通訳レシーバーのように使えれば便利だと思ったからだ。結果はやはり、間断なく交わされる会話のキャッチボールに翻訳エンジンが追い付けないようで、合間に発話が正しく認識されず止まってしまうことが多かった。筆者が期待する使い方が実現するまでには、もう少し時間が掛かりそうだ。Pixel Budsの「リアルタイム翻訳機能」は海外旅行の旅先で道を訊ねたり、レストランでスタッフを呼び止めて料理の説明をしてもらう場面など、ある程度相手にゆっくりと話してもらうように伝えて、協力が得られる場面で効果を発揮しそうだ。
グーグルの最先端技術を真っ先に楽しめるワイヤレスイヤホン
ほかにもPixel Budsらしい機能の中には、イヤホンの着脱ジェスチャーに合わせて音楽の再生と一時停止を自動アシストする「装着検知」がある。イヤホンを装着している時、不意に人から話しかけられた場合は耳からイヤホンを外してリスニングを中断。元に戻せば音楽再生を一時停止した箇所から再開できる。
「アダプティブ サウンド」も近く予定されているイヤホンのソフトウェアアップデートにより、内蔵マイクが“ドアベル”の音を検知した時に、アテンション通知を知らせてくれる機能を追加する予定だという。このほかにもAndroid 6.0以降の端末とワンタッチでペアリングできる「Google Fast Pair」など、グーグルのワイヤレスオーディオに関連する最先端のフレッシュな機能がタイムリーに利用できるところがPixel Budsの大きな魅力だと思う。筆者は音質が気に入ったし、リアルタイム翻訳機能も期待にハマったので、ぜひPixel Budsをゲットしたいと思う。
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