上新電機「日本橋1ばん館」は、西の秋葉原と言われる大阪の日本橋でんでんタウンのほぼ中心にある家電専門館。上新電機創業の地であるでんでんタウンで家電専門店としての業態を守っている日本橋1ばん館は、上新電機のシンボル的な店舗です。同店の若手のエースである藤原達也さんに、推し家電を解説してもらいました。
テレビは画質だけでなく音響も重要
阪神タイガースのユニフォームを着て登場した藤原さん、実はこのユニフォーム、自前だそうです。会社としては全店員にタイガースハッピを支給していますが、ユニフォームのほうが動きやすいと、多くの店員さんが自費で自分の好きな選手の背番号を購入しているとのこと。もちろん、球場に応援に行くときなどプラベートでも愛用しています。素晴らしきタイガース愛!
さて、まずは藤原さんにはテレビの解説をしてもらうことにしました。推し家電大賞1位になったソニーの4K有機ELテレビ「BRAVIA A9Gシリーズ」について、「何と言っても、ソニー独自技術のアコースティック・サーフェス・オーディオプラスが人気です」と語ります。
藤原 「画面そのものから音が出るという唯一無二の技術は、店頭で体感することで驚き、感動を与えます。有機ELテレビを購入するお客様は映画好きが多いため、スクリーンの後ろから音を出す映画館のような音響空間を、自宅で再現できるのは楽しいと好評です」。
加えて、ネットワーク機能も人気とのこと。「android TV機能搭載でアプリの自由度が高いほか、アップルのAir Playに対応したのでiPhone/iPadの画面をそのまま大画面に映し出せるし、Googleアシスタントによってテレビに話しかけるだけで電源オン/オフやチャンネル切り替えなどの音声操作ができるなど、便利な機能が満載。テレビの楽しさを存分に味わえるモデルです」。また、デザインにもソニーのこだわりを強く感じると説明します。
藤原 「一般的に、テレビメーカーはフレーム下部中央にメーカーロゴを大きく刻むのですが、A9Gは左下に目立たないように書いてあります。ソニーとしては、視聴者はテレビの中の映像を見ているのではなく、本物の実像を見ているような没入感を味わってほしい。そのため余計なテレビスタンドも排除し、メーカーロゴも目立たなくしでいます。とことん、視聴者のことを考えているメーカーです」。
ソニーをべた褒めですが、2位のパナソニック4K有機ELテレビ「VIERA GZ2000シリーズ」はどうでしょうか。「このモデルも音にこだわったテレビです。背面上部に上向きのイネーブルドスピーカーを搭載し、音を天井に反射させることで立体的な音響を再現しています。天井の高さを設定できるので、自宅の設計に合わせて臨場感を調整できるのがすごいところ。ドルビーアトモス対応の映像を見ると、本当に音が空から降ってくる感覚を味わえます。アトモスに対応していないコンテンツでも、画面の中央から音が聴こえたり、立体的な音響も楽しめます。テレビ本体だけで立体音響ができるのってすごいですよね」と、これまた大絶賛。
3位の東芝の4K有機ELテレビ「REGZA X9400シリーズ」も音に関しては負けていないと藤原さん。「10個のスピーカーと142Wのマルチアンプでド迫力の音響を味わえます。加えて、東芝はやはり全録画タイムシフト機能は外せない。東芝は指名買いが多いけど、ほぼこのタイムシフト機能が目当て。自分の好きな時間に好きな番組が観られるタイムシフトは、一度使ったらやめられないほど便利で、東芝ユーザーは次も東芝への買い替えがほとんど。また、地デジ放送を4K解像度に変換する機能も評判が良いです。是非店頭で確かめてください」。
ネックスピーカー人気が再燃
テレビを買い替える際に一緒に検討してほしいアイテムとして、藤原さんはテレビ台を推します。「最新モデルはテレビ本体で最高の音響を実現していますが、今使っている5.1chサラウンドシステムやシアターバーをそのまま使いたいというお客様も非常に多いです。最近のモデルはテレビスタンドが無かったり低かったりと、テレビの足元にスピーカーを置けないのですが、シアターバーが収納できるテレビ台も多く用意されています。また、最近のテレビはセンタースピーカーモードを備えており、テレビ自体を5.1chシステムのセンターとして使用することもできます。今使っているお気に入りのオーディオ機器をあきらめる必要はないのです」。
テレビと一緒に購入するのにオススメなアイテムを聞くと、「ネックスピーカーです」と即答。
藤原 「夜、テレビを大きな音で聴けない場合に最適。ソニーのモデルは音に合わせて振動するので、小さいながら臨場感も味わえます。最近では、女性が購入していくケースが増えました。キッチンで料理や洗い物をしているときに、リビングのテレビの画面は見えるけど音が聴こえない、という不満を解消するために購入しています。ネックスピーカーは耳を塞がないので、テレビの音を聴きながら、家族の呼び掛けにも応えることができるし、インターホンが鳴っても気づくことができる。とても便利なアイテムです」。一時期、大人気となり品切れが続出していたネックスピーカーですが、ここに来てまた人気が盛り返しているとのこと。やはり、コロナ禍で家にいる時間が増えた影響のようです。
藤原さんは主にテレビ担当なのですが、実はほとんどの商品を接客できます。「上新電機では、店員同士の勉強会を積極的に行っています。朝礼で、自分のメイン担当商品を他の売り場の店員たちへの説明を持ち回りで定期的に行っているからです。新生活など、まとめ買いのお客様や、担当者が他の接客でふさがっている場合に対応できるようにするためです」。というわけで、ジャンル違いの商品もこのまま藤原さんに紹介してもらいましょう。
非の打ち所がないダイソンの新型クリーナー
スティッククリーナー部門で推し家電大賞1位となったダイソンの「Dyson Digital Slim fluff」について解説してもらいました。「人気モデルであるV11に比べて抜群に軽くなりました。日本向け小型軽量モデルのV8 Slimと比べても、モーターの回転数を上げて吸引力がアップしながら軽くなっています。ヘッドが小さく、ホースも短く、日本家屋の狭い階段でも取り回しがよい。静かだし、クリアビンを水洗いできるし、バッテリーが簡単に取り外せて2個持ちできるしで、まさに日本人のためのスティッククリーナー。発売以来、よく売れています。私もすぐに買いました(笑)」。文句の付け所がないそうです(笑)。
2位の日立「ラクかるスティック PV-BL20G」については、「カーボン素材の使用で1.3kgと、非力な女性に最適なモデルです。重心の置きどころが良く、ヘッドを持ち上げてカーテンレールやエアコンの上などを掃除する時にもラク。すべて水洗いできるのも、清潔好きな日本人に合っています」。3位の東芝「トルネオV VC-CL1600」は、「6気筒のサイクロンによるパワフルな吸引力の持続といった基本性能の高さもさることながら、お手入れ性の良さが人気です。ダストカップが丸洗いできるのはもちろん、ヘッドの回転ブラシが工具なしでワンタッチで取り外せ、からまった髪の毛が除去しやすい」。圧倒的な人気を誇るダイソンですが、日本メーカーも頑張っており、売れ行きも上々のようです。
奥さんも使っているパナソニックのドライヤーがすごい!
「推し家電大賞」ジャンル以外で藤原さん個人の推し家電を聞いてみたら、「パナソニックのナノケアドライヤー」と意外な答えが返ってきました。「とても人気があり、10月発売の新製品も既に予約が入っています。速乾性やセットのしやすさではダイソンのドライヤーが人気ですが、髪と頭皮のケアを求めるお客様には圧倒的にパナソニックが人気です。髪に指がスーッと通る、朝起きた時に髪がまとまっている。私の奥さんもパナソニックじゃなければ嫌と、新婚旅行にも持っていきました(笑)。新製品では、ヘアカラーした髪の退色を抑制する機能があるので、女性だけでなく男性にも使ってほしい。もちろん、私も使っています」。ナノイーを顔に当てるスキンモードもあり、髪だけでなくお肌もケアできます。コロナ禍で外出しなくなってもドライヤーは毎日使うものなので故障も多く、買い替え客が多いのと、さらに時間があるのでこの機会にじっくり頭皮・頭髪・肌ケアがしたいというニーズが生まれているそうです。
こちらの質問に淀みなく答え、ときには冗談を交えながら会話のキャッチボールを楽しめるのが上新電機。笑いの絶えない接客は大阪発祥の量販店ならではで、本当に楽しいです。また、上新電機と言えば、名物の「祭り」を楽しみにしている人も多いはず。5大商品(テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機・パソコン)+スマートフォンにおいて、1カ月に1回、1-2週間の間だけ大セールを行うものです。どの商品がいつ「祭り」を実施するかは店頭で告知し、セール前には対象製品のカタログをセットにした袋も用意されます。家電をお得に買うには、常に店頭のチェックは欠かせません!
※記事で取り上げたモデルは既に新製品に切り替わり、店頭在庫のみ、または販売終了となっている場合があります。ただ、新製品は記事掲載モデルをベースに進化しているので、新製品を検討する際にも参考にしてみてください。
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