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「第1回 環境イノベーション・チャレンジピッチ」レポート

藻、風、新素材。持続可能な社会を実現する驚異の新技術たち

2020年09月03日 14時00分更新

「環境イノベーション・チャレンジピッチ」が始動

 オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会(JOIC:Japan Open Innovation Council)事務局は、ASCII STARTUP協力のもと、「第1回 環境イノベーション・チャレンジピッチ」を開催。環境イノベーションに取り組み、関連する優れた技術を有する5社のスタートアップ、ベンチャー企業が、自社の技術やサービスをピッチ形式で紹介した。

 開催にあたって、経済産業省 産業技術環境局 エネルギー環境イノベーション戦略室長 梅原 徹也氏から、日本における環境イノベーションの総論が語られた。

 令和元年の6月に閣議決定された「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略(以下、長期戦略)」において、日本は、最終到達点として「脱炭素(カーボンニュートラル)社会」と目標を打ち立てた。この目標を達成するため、長期戦略では、2050年までに、80パーセントの温室効果ガス削減の実現を目指すとしている。

経済産業省 産業技術環境局 エネルギー環境イノベーション戦略室長 梅原 徹也氏

 しかし、問題となるのがコスト面。気候変動に関する国際的な枠組みとなる「パリ協定」では、18〜19世紀の産業革命以前と比較して、平均気温上昇を2℃までに留め、1.5℃までに抑えられるよう追究するという方針を含んでいるが、この「2℃目標」を達成するためには、世界で7兆ドルほどのコストが必要になると試算されている。「1.5℃目標」を目指せば、さらにコストは上乗せされる。

 したがって、非連続的なイノベーションにより、可能な限り早く、社会実装が可能なコストを実現することが、長期戦略における当面の課題になる。

 そこで経済産業省では、長期戦略にともなって、「革新的環境イノベーション戦略」を策定。具体的なコスト目標を示す「イノベーション・アクションプラン」、研究体制や投資促進策を示す「アクセラレーションプラン」、そして、社会実装に向けた、共創と発信の方針を定めた「ゼロエミッション・イニシアティブズ」から構成されるもので、3つの軸で世界全体での排出削減に最大限貢献するとしている。脱酸素社会に向けては、スタートアップ企業、ベンチャー企業の技術が、大いに注目を集めそうだ。

 次ページからは、環境イノベーションに取り組む登壇企業の、ピッチの模様をお届けする。

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