週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

あらかじめ決めておきたいLINE WORKSの運用ルール例

2020年08月31日 09時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●MOVIEW 清水
提供: ワークスモバイルジャパン

 仕事で使えるビジネス版LINEである「LINE WORKS」(ワークスモバイルジャパン)の連載では、アカウント作成の基本からビジネスシーンでの活用術、便利なTipsなどを紹介していく予定。第38回は、あらかじめ決めておきたいLINE WORKSの運用ルールについて解説する。

スムーズなコミュニケーションのために設定しておくべき運用ルール

 LINE WORKSを便利に楽しく活用している会社やチームでは、運用ルールを設けているケースが多い。新しいツールを増やすと何かと不満が出やすかったりもするので、社内での使い方に関する決めごとを整理しておこう。今回はよくあるルール例を教えるので、導入時や見直しの際の参考にしてほしい。

自分の情報は業務用としてみんなにわかりやすく
 LINE WORKSはその場にいない人とのやりとりに使うケースがほとんどなので、円滑なコミュニケーションにつながる、わかりやすいプロフィール作成を意識しよう。特に、メンバーの追加を「メンバー招待」で行ない、アカウント作成をメンバー側に委ねるのであれば、“氏名の登録は原則、漢字かな表記”。プロフィール写真はペットやイラストとかではなく、1年以内に撮影した自分の顔写真を推奨”などあらかじめ決めておくと良い。少人数なら自由に個性を出し合うのも問題ないが、人数が増えたり、社外とも使う可能性があるなら、適当に設定されてしまうと検索しにくくなってしまう。ついでに、“お祝い に利用するので正確な誕生日を設定する”というのもありだろう。

運用ルールを決めて社内で共有しよう。画面はホーム(掲示板)での発信例。

チャットは会話。手軽なコミュニケーションが基本マナー
 ビジネスチャットサービスとしては当たり前なのだが、「お疲れ様です」とか「お世話になっております」といった定型マナーは不要ということを明文化しておいてもいい。そうしないと、デジタルリテラシーのないお偉方が気分を害しかねないからだ。

 スタンプの運用も社内文化に応じて決めればいい。スタンプはコミュニケーションを早く、楽しくしてくれるので、一般的には、「自由に使ってOK」から始めてみるのがいいだろう。ポイントは、OKにした場合、まずは上司からスタンプを送り、使っていいんだという空気感を醸成すること。避けたいのは、「使っていいのかな、いけないのかな」という空気の読み合いを強いてしまうことだ。非効率なので、NGならNGとルール化してくれた方が現場もラクだろう。

 相手を指名するためにメンションを付けると、「@メンバー名」のように表示され、複数人のトークルームでも話しかける相手を指定できる。この後に「さん」などの敬称を付けることも、無駄手間である。メンションの表記はシステム側の仕様なので、「そういうものだ」とお偉方には最初に納得してもらい、敬称なしで運用することをお勧めする。

部下がさん付けしてきたら、不要だよと伝えてあげよう

 また、せっかくLINE WORKSを導入するなら、社内連絡にメールを使うのは禁止してはいかがだろうか。情報が分散するとトラブルの元にもなりかねない。1ヵ月程度移行期間を設け、「●月●日からは完全に移行します」とすると、パニックにならずスムーズだ。社内コミュニケーションはLINE WORKSにかぎると決めてしまおう。

返信ルールはみんなで同じ認識を持つのが「チャット疲れ」を生まないコツ
 “規定の就業時間外や休日は、原則LINE WORKSを見なくていい、通知を切ってもいい”、というルールを会社が積極的に示すようにしよう。

 LINE WORKSの通知はメンバー側でも時間帯やトークルームごとにこまかくコントロールできるので、就寝時や休日に邪魔されることなく活用することが可能だ(参照:第5回 LINE WORKSの通知を自分流に最適化する)。とはいえ、全員がツールを使いこなせるわけではなく、終業後に通知が来て見てしまい、コミュニケーション疲れを起こしてしまうケースもある。

 “終業後の投稿はなるべく控える”“休暇中のメンバーにはメンションしない”、といった決まり事を作ってもいい。

 逆に、緊急時に即対応するために、緊急用のトークルームを作成しておく手もある。そのトークルームのメンバーだけは通知に気づける運用にしておけば、時間外に必要以上のメンバーを巻き込まずに対応できるだろう。

「おやすみモード」を設定すれば、その時間帯は通知を受け取らないようにできる

 既読に関するルールも決めよう。通常、メールでもチャットでも何か伝達されたら、「了解です」のような返事が必要になる。しかし、LINE WORKSは既読機能があるので、この手のマナーなしでも運用することが可能。例えば、“大人数のトークルームにおいては、「既読」イコール「読んだ」とするので返信は不要”と社内で認識が共有できていれば、手間をひとつ節約できるようになる。

「既読」をタップすれば、誰が読んだのかを確認できるので返答が不要になる

既読メンバーは一覧表示される

セキュリティ規定を決めておくことも重要

 万が一スマホを紛失したり盗まれたりした場合、速やかに管理者に連絡するというフローも明確にしておこう。あやふやにしていると、なんとか自分で探し出そうとして、貴重な対応時間をロスしてしまうことになる。LINE WORKSは、いざというときは管理者がメンバーのアカウントを一時停止できるので、情報漏洩を防ぐために、なくしたらすぐに連絡するように周知を徹底しておきたい。

 同様に、地震や火災、水害などに遭ったときに、安否確認を行なう方法を決めておくと、いざというときにスピーディーに状況を把握できるようになる。決まったトークルームに送信してもいいし、アンケート機能を活用して情報を収集してもいい。

 ハラスメントに関することも明確にしておく方がトラブルを防止できる。ネットのリテラシーは人によって異なり、批判の強さやスタンプの頻度などのレベル感がばらばらなためだ。LINE WORKSでの操作履歴はすべてログに残っており、後で確認できる点を周知しておくことも効果がある。

メンバーのすべての行動の履歴をログとして残している(※フリープランは、保存期間が短くダウンロード制限あり)

テレワークのガイドラインは柔軟に

 テレワークをきっかけにLINE WORKSを導入する場合は、出退勤や休憩に関するガイドラインも決めておこう。就業時間なのに既読が付かなかったりすると、何をしているのだ? と気にする上司もいるだろう。一方で、ある程度チャットを見ずに集中しないと非効率な業務もある。テレワークに慣れるまでは、出退勤時や休憩、用事での離席時など、一言トークで送っておくと、スムーズなコミュニケーションが可能になる。

 また、テレワークではコミュニケーションの密度が低下するというリスクがある。あえて雑談スレッドを用意し、仕事に関係のない話題や、フランクな相談でもコミュニケーションできるようにしておく手もある。もちろん、あまり雑談に集中しすぎないように、限度を超えた個人的なコミュニケーションは控えるように決めておく方がよいだろう。

 このあたりの運用は、組織風土や仕事内容にもよるので正解は無いが、大事なのは「離れていても従業員の意見に耳が傾けられている」ということだろう。LINE WORKSには、簡単に作成・集計できるアンケート機能もあるので、定期的に働き方やツールの使われ方に問題が無いかヒアリングするなどして、運用ルールも見直していくことをお勧めする。

 次回はLINEでつながっていた取引先との連絡をLINE WORKSに切り替える方法について掘り下げてみたいと思う。

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事