NTTドコモは2020年度第1四半期(2020年4~6月)の決算会見を開催。営業収益は1兆982億円(前年同期比5.3%減)、営業利益は2805億円(同0.7%増)と大幅な減収と若干の増益となっている。
新型コロナの影響で大幅な端末販売台数の減少
5Gは普及モデルの早急の投入で計画の台数を目指す
この実績の大きな要因となったのは、新型コロナによる影響を含む、端末販売台数の大幅な減少。スマートフォン・タブレットの販売数は前年同期の344万3000台から214万9000台へと130万台近い減少。端末販売コストの減少にともなう増益が72億円含まれており、これは第1四半期の増益額を大きく上回る。
なお、同社は3月末に5Gサービスを開始しているが、現時点での5G端末の販売台数である24万台については、計画を上回っているという。ただ、現状については「非常に興味のある方が入っている」(ドコモ 吉澤社長)とのことで、3GやLTEからの移行には手頃な価格帯の端末が必要という認識。5Gの普及モデルを下期のできるだけ早い時期に出すとともに、PRを展開することで今年度の目標である250万台を目指す考えだ。
5G端末の販売では新型iPhoneがカギとなりそうだが、この点について質疑応答で問われた吉澤社長は、アップルの決算で公表されていた「数週間の遅れ」について、「(数週間の遅れであれば)その後の期間で巻き返しできるのではないか。数週間の遅れでぜひ提供願いたい」と期待を示した。
また、5Gエリアの拡大については、ライバルが4Gで用いている周波数からの転換を計画しているのに対し、LTE端末が減っていく段階での既存周波数の5Gへの移行を否定するわけではないとしながらも、「現行のLTEのお客さんの回線品質を維持することがユーザー保護の観点で重要」という考え。「サブ6やミリ波を徹底的に使っていく」「(LTEの周波数を5Gに転換しても速度が大きく上がるわけではないため)適切な周知をしながらユーザー保護をしていくことが重要」という立場をあらためて表明した。
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