週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

リベンジポルノの相談件数は過去最多

10代の10人に1人は自分のヌード写真を友人知人に送っている……!?

2020年08月04日 09時00分更新

(特に自身の)性的画像に関する若者のセキュリティ意識をあらためて確認しておこう

自身の性的な写真や動画を気軽に送ってしまっている人たち

 10代の子どもたちは、日々スマホやSNSに触れて生活をしている。では、彼らのセキュリティ意識はどうなのだろうか。13歳以上のパソコンおよびスマートデバイスのインターネット利用者を対象とした、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「2019年度情報セキュリティに対する意識調査」(2019年12月)を見てみよう。

 「自分自身の性的な姿を撮影した写真や動画」の共有相手として最も多いのは、「自分のみ」が85.0%でトップだった。しかし、知り合いなどに公開する人も多く、10代では「自分のみ」が79.7%など、年齢が若いほど公開する傾向にある。

 自分自身の性的画像をやりとりする相手は、30代以上は「恋人などの非常に親しい間柄の相手」がトップだったが、若者世代は異なっていた。「現実でも面識のある友人・知人」が10代で12.4%、20代で11.9%とトップとなり、1割以上が友人・知人に送っていることがわかった。また、自分の性的画像をSNS上だけの知り合いに共有する割合は、20代(9%)、30代(8%)の男性が高く、10代は男女とも平均を上回っていた。

 中高生などで、「恋人の証として」と恋人同士が裸の写真を贈り合う例はよく聞く。しかしそれだけでなく、友人や知人、SNS上だけの知り合いにも裸の写真を送ってしまっているのだ。送られた側も気軽にSNS上でシェアをする傾向にあり、その結果学校中に画像が広まって登校できなくなった例もある。SNS上の知り合いに請われて送った場合は、脅迫されて性的被害にあったり、インターネット上で公開されてしまった例もある。

若者世代の性的画像に関するセキュリティ意識は低下

 一方、「犯罪に巻き込まれる可能性があるため、性的な写真を撮影したり、送信しないようにしている」割合は、10代で44.3%にとどまるなど、10~30代は他の年代に比べて低い。さらに、2018年と比較しても、同割合は低下している。

 警察庁の発表によると、リベンジポルノの2019年度の相談件数は過去最多となっている。被害者は20代、10代の順で多くなっており、セキュリティ意識の低さや、安易に友人などにも送っていることが被害につながっていると考えられる。周囲の子どもたちに、性的な画像や動画は撮らないこと、周囲に送ったりしないことを念押ししておきたい。

 なお、リベンジポルノや児童ポルノ画像が流出する被害にあった場合は、セーファーインターネット協会に依頼すると削除してもらえる可能性が高い。諦めずに相談してほしい。

著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事