日商エレクトロニクスとアースアイズは7月23日、大阪の「あべのハルカス」の展望台「ハルカス300」において、新型コロナウイルス感染予防対策として、AI搭載「ソーシャルディスタンスカメラ」の運用を開始した。ソーシャルディスタンスカメラの導入によりハルカス300(展望台)内の混雑状況が可視化され、混雑状況を確認してから安心して外出ができるという。
アースアイズは、人を自動認識できる技術や、カメラで測距できる(目標までの距離を測る)特許技術を取得している。この技術を応用し、人と人の距離を保ちながら、安全かつ快適に利用できるソリューションを提供できないかとソーシャルディスタンスカメラを開発し、5月11日に日商エレクトロニクスと共に発表。6月より導入・設置されているが、今回、西日本地域では初めての運用という。
ソーシャルディスタンスカメラは、市販カメラを活用するオンプレミス(ローカルサーバー)タイプと、専用カメラを活用したクラウドタイプの2種類を展開。ともに、AIクラウドに接続する。価格は、専用カメラは1台10万7800円~。構成などによりサーバー料金は応相談としている。別途月額利用料がかかる。
あべのハルカスにおいては、60階の展望台(ハルカス300)に3台、16階エレベーターホールに2台のソーシャルディスタンスカメラ連動のIPカメラを設置し、その場にいる人の数をサーバーで処理して表示する。来場者は出かける前に、あべのハルカスのサイトTOP画面から混雑状況を確認できる。滞留人数に応じた表示をリアルタイムで掲載する。また蓄積情報から曜日や時間帯の混雑予測を施設側へ提供する。
アースアイズは、カメラのみで3D空間を把握できる特許を取得している。例えば、センサーを使わずに、5メートル四方の中に何人いるのかをカメラだけで正確に捕捉できるという。また、個人情報保護の観点から、画像に映し出された人物を瞬時に代替画像(ホネホネ人間)にする技術も開発。なお、ハルカス300(展望台)では、「あべのべあ」が混雑状況を表すイラストを掲載する。
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