必要にして十分すぎるパワートレイン
エンジンは1750ccの直列4気筒 DOHC 16バルブ インタークーラー付きターボ。最高出力は240馬力/5750rpm、トルクはドライブモードの切り替えで、最大30.6kgm/1850rpm、34.7 kgm/2000rpmとなっています。ガソリンはハイオク専用でタンク容量は60リットル。ちなみに、JC08モードでの燃費は10.8km/リットルとなっています。アイドリングストップ機構は装備されていません。排気音は2000回転から結構太い音が室内に響き渡り、スポーティーな気分を高めます。
ギアはアルファTCTと呼ぶ乾式クラッチの6速セミオートマ。ラフなアクセル操作をすると相応のシフトショックはありますが、街中でガクガクすることはありません。実にスムーズかつスピーディーな変速をします。
前出のモード切替を行なうと、トルクのほかシフトタイミングと電動パワーステアリングの重さが変わります。パワーステアリングは速度感応型のようで、駐車場では軽い操作、ワインディングではしっかりとした手ごたえとなります。とはいえ、日本の普通車に比べると重ためで、箸より重たい物を持ったことがないという美環さんがどう感じるかは気になるところでした。
アルファ ロメオは意外とフレンドリー
「このクルマ、運転しやすいです!」
今回も美環さんのホームコースである、奥多摩周遊道路とその周辺で試乗を開始。初心者マークを貼って室内に乗り込む美環さん。運転初心者にアルファ ロメオは手強い相手かも、ましてコロナの影響で暫くステアリングを握っていなかったこともあり不安が募る関係者は、固唾をのんで見守ります。
ですが、最初の一言は「このクルマ、すっごく運転しやすいです!」と満面の笑顔。「気持ちがいいですね、このクルマ。自分の気持ちにピッタリ合うんです」というではありませんか。乗り心地は日本車のスポーツグレードよりも硬めなのですが、まったく気にならない様子で、これは助手席に座っていた時も同じ感想とのこと。「しっかり感があっていいですね。揺れ戻しが少ないから長距離乗っていても疲れづらいかもですね」だそうだ。
「助手席に座っていた時は、結構下からの音(ロードノイズ)が聴こえるクルマだなぁと思っていたのですが、エンジン音を含めてクルマを運転している、運転を愉しむという気持ちにさせてくれますね」と、こちらも◎。
気になるのはボディーサイズ。美環さん的には、一回り小さなBセグメントがお好みなのですが「全然気にならないです。でも、窓ガラスの映り込みが多いのと、窓の棒(Aピラー)が太いから、そこはちょっと見ずらいかもです」だとか。
「なんか、久しぶりに運転したのですけれど、私、運転が上手になった気がします」と饒舌に語る美環さん。確かに今まで以上に余裕が感じられます。アルファ ロメオは玄人好みのクルマだと思っていたのですが、初心者に優しく、運転しやすいクルマであることに関係者一同は驚きを隠せません。
筆者も気になったのでステアリングを握ると、適度な荒々しさと上質さが見事にバランスした、実に楽しいクルマというのが第一印象。FFだとかATだとか馬力だとか、そういうスペックまわりとクルマの楽しさは関係がないと言いたくなるほどの快感ドライブが楽しめました。特に驚きはコーナーリング。緩やかで適度なロールは「さすが!」のバランスで、オンザレールの楽しさに溢れています。
スポーツモードにしてエンジンの回転数を積極的に上げると、さらに楽しさアップ! あまたあるCセグメントのスポーツハッチの中でも、ジュリエッタは最高に楽しい乗り物だと断言しましょう。きっとステアリングを握った人は、誰もがアルフィスタ(アルファ ロメオ信者)になるに違いありません。
どこか近寄りがたい印象だったアルファ ロメオ。ネガティブな部分がないわけではありませんが、いいクルマではありませんか。美環さんも終始笑顔。「イタリアの人って、人生を楽しんでいますよね。バイクからもクルマからも、そういったところを感じました」とのこと。そして「人生を楽しむ上で、多少のことは気にしちゃダメなんですよきっと。木を見て森を見ずなんでしょうね」との名言をいただきました。
さて、次は何に乗りましょうか。お楽しみに。
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