ユービーアイソフトが贈る「ウォッチドッグス」シリーズは、IT企業「ブルーム社」が開発した「ctOS」というシステムによって支配された近未来を描いたオープンワールドアクションゲーム。ハイテクを駆使した監視社会をはじめ、実在する都市を再現した広大なマップ、「ハッキング」の要素を絡めた戦闘、ステルス、カーチェイスが主な特長だ。
2014年にはシカゴを舞台にした「ウォッチドッグス」が、2016年にはサンフランシスコを舞台にした「ウォッチドッグス2」がリリースされている。
本シリーズの最新作である「ウォッチドッグス レギオン」の舞台は、複数の勢力に支配され、ディストピアと化した近未来のイギリス・ロンドン。シリーズ初となるアメリカではない舞台を採用した本作は、SF小説「1984」を彷彿とさせる世界観と、刺激たっぷりな革命劇が魅力的だ。SFファンも興味を抱くのではないだろうか。
今回、ユービーアイソフトが主催するメディア向け先行体験会に出席し、ウォッチドッグス レギオン(PC版)を一足先に体験してきた。本記事では、本作のファーストインプレッションを紹介する。
主人公はロンドン市民?!
「だれにでもなれる」ゲームシステムが斬新
最初に取り上げるべき1番の特徴は、「だれにでもなれる」ゲームシステムである。第1作、第2作ともに主人公は1人に絞られていたが、ウォッチドッグス レギオンの主人公は、なんと"ロンドン市民全員"なのだ。
ロンドン市民の悩みを解決すれば、レジスタンス組織「デッドセック」のメンバーとしてリクルートできるようになる。仲間を増やしていき、裏でロンドンを牛耳る勢力に反旗を翻すレジスタンス活動を進めていく。大衆を組織化し、反旗を翻す革命的ドラマを演出できるのが本作の醍醐味といえるだろう。
前作は「抵抗(レジスタンス)」に重きを置いていたが、本作は抵抗に加えて「革命(レボリューション)」の要素も強調されているように感じた。私は革命を題材にした映画や小説が好みなので、試遊の時点で本作への期待値は右肩上がりに急上昇。従来シリーズもプレイしてきたが、本作も発売当日に購入しようと決意した。
リクルートできるロンドン市民は元スパイ、警察官、建設作業員、エンジニア、元ボクサーなど経歴はさまざまで、それに関連した固有スキルを持っている。元スパイであれば映画に出てくるようなガジェットを利用できるほか、警察官であれば市民もしくは敵を逮捕する、元ボクサーであれば強力な近接戦闘を繰り出せるといった次第だ。
状況に応じて仲間を切り替えることで、ミッションを有利に進められるだろう。組織の強みを発揮したゲーム性と、そこに付随する戦略性が魅力的に思えた。
試遊では残念ながら確認できなかったが、PVに登場していた「お婆さん」が気になるところ。お婆さんを含むほかのロンドン市民をコンプリートしたくなる。
また、仲間の"制服"を利用したステルスプレイも魅力的に思えた。警備が厳重なエリアに潜入する際、適した制服を着た警備員を仲間にすれば戦闘せずに行動できるのだ。さすがに怪しい行動をとるとバレてしまうが、隠密行動に徹したい場合に役立つだろう。従来のステルスプレイに新たなアプローチが加わったことで、従来作以上のスリルと興奮が味わえるはずだ。
どの市民を採用し、どの市民で行動するのか。本作はある意味シミュレーションライクといってもよく、従来のシリーズ作品とは異なるプレイスタイルになっている。それでも本シリーズの特徴的な面白さは健在なので、一味違うウォッチドッグスが味わえるのではないだろうか。独裁者に対抗するレジスタンス組織を形成・拡大し、ロンドンに自由を取り戻す戦いに挑む。そういうシチュエーションを考えるだけで、内に眠る闘争心が熱く燃え滾ってくる(個人差あり)。ビバ・レボリューション(革命万歳)!
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