週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

青春とRPGを組み合わせたゲームシステム、シナリオ、自由度の高さが魅力

PC版「ペルソナ 4 ザ・ゴールデン」で青春ドラマとJRPGの醍醐味を味わってみませんか?

2020年06月20日 13時00分更新

もう1人の自分と向き合う、ということ

負の存在として具現化された「もう1人の自分」と対峙することになる

怒り、憎しみ、嫉妬など、ネガティブな感情が露わになり、本人の精神を激しく狂わせていく

 もう1人の自分とはいったい何者なのか。善人なのか、それとも悪人なのか。その答えは当の本人しかわからない。これはゲームだけの話ではなく、人間が抱える普遍的な問題のひとつではないだろうか。

 ペルソナ 4に登場するメインキャラクターたちはそれぞれ複雑な事情を抱えており、怪異の力により負の存在として姿を現す。怒り、憎しみ、嫉妬など、ネガティブな感情が露わになり、メインキャラクターの精神を激しく狂わせていく。そのとき、打ちひしがれた本人は必ずこう口にする、「こんなの自分ではない」と。もう1人の自分ともいえる負の存在を、完全に否定してしまうのだ。

もう1人の自分を否定すると、獰猛なシャドウに変貌。自分自身と向き合うボス戦がスタートする

 結果、獰猛なシャドウと化したもう1人の自分と戦うことに。ほかのシャドウとくらべるとかなり手強く、下手をしたらパーティーが全滅しかねない。だが、真の武器は自身と向き合う勇気と、信頼できる仲間との絆。見事戦いに勝利すると、本人はもう1人の自分を受け入れる決意を固め、その恩恵としてペルソナという屈強な鎧を手にする。

 私が本作を愛する1番の理由は、心の葛藤をボス戦という形でうまく表現されている点にある。ネガティブな存在であるもう1人の自分と「戦う=向き合う」コンセプトが人間ドラマ的であると考えている。

 どちらかが勝てば本物の自分になり、どちらかが負ければ存在が抹消されるといった醜い争いではなく、そんな自分を認め、享受するための試練として描いている点が実に巧い。いや、巧すぎるのだ。これぞドラマだと思うほどだ。

 人間の光と闇をあぶりだし、苦悩させ、最終的には純粋無垢な答えを見つける――自身の勇気と、信頼できる仲間たちの存在のおかげで。自分とその仲間たちが絆を結び、ともに次なる困難へ挑んでいく姿に感動を覚えたものだ。ペルソナ 4が提示する人間賛歌的テーマこそ、今日もなお名作として愛される理由なのかもしれない。

自分自身を向き合う勇気を見出した瞬間、もう1人の自分はペルソナという屈強な鎧に姿を変える

 人生における喜怒哀楽を盛り込んだ本作のシナリオは、多くのプレイヤーにプラスの影響をもたらす。本作のプレイ経験者は懐かしさを、初見の人は人間愛の温もりを味わうことになるだろう。もちろん殺人事件の真相やコミカルなサブストーリーなども目が離せないほど面白いが、キャラクターたちがみせる奥深い人間ドラマにも注目してほしい。

 自由度の高いゲーム性、戦略性豊かなバトル、そして人間賛歌をテーマにしたストーリーが魅力のペルソナ 4 ザ・ゴールデン。価格も1980円とかなりリーズナブルなので、名作をPCでプレイしたい人はぜひ購入を検討してもらいたいものだ。

ゲーム情報

・タイトル:ペルソナ 4 ザ・ゴールデン
・開発:アトラス
・販売:セガ
・ジャンル:RPG
・プラットフォーム:PC(Steam)
・販売日:2020年6月14日
・価格:1980円

ペルソナ 4 ザ・ゴールデンの主なスペック
要件 最低 推奨
CPU Core 2 Duo E8400/Phenom II X2 550 Core i5-650/Phenom X4 940
グラフィックス GeForce GTS 450/Radeon HD 5770 GeForce GTX 450/Radeon HD 6870
メモリー 2GB 4GB
DirectX Version 11
ストレージ 14GB 利用可能
OS Windows 8.1 Windows 10

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事