ではなぜ、Android DAPでハイレゾ再生できるのか?
このAudioTrackを使えば、ハードウェアなどの違いを考慮せず、様々な端末で利用できる音楽再生アプリが作れる。しかしそうすると、Androidではハイレゾ音源が扱えなくなってしまう。そこで、さまざまな解決が行われてきた。今回のソニーについては詳細発表がないため触れないが、過去の例をいくつか紹介する。
例えば、初期のAndroid搭載DAPであるiBassoの「DX100」では、iBasso提供の音楽アプリにミキサーをバイパスする仕組みを持たせていた。詳細は分からないが、このようにアプリ固有の作り込みでもハイレゾ出力は可能だ。
また、有名な音楽再生アプリである「USB Audio Player Pro」では、アプリケーション内にそのままドライバーも入れるという荒技を使っている。そうすればAudioFligerを経由する必要がないので、USB DACやスマホ固有のハードウェアにハイレゾ出力が可能となる。
このほかにもスマートフォンでは、サムスンが「Professional Audio SDK」という、Androidでハイレゾ対応アプリを作れる、プログラミング開発環境をリリースしている。
このようにハードメーカーが、自社プレーヤー向けに提供するアプリでは、あらかじめ、ハイレゾ再生用の“仕込み”をしておくことができる。しかし、「Amazon Music」アプリなどでは、どのような仕様の機器で再生するかを絞り込めないため、汎用性の高い、OS標準の機能を使うことになる。
なお、Androidではレイテンシー(処理の遅延)の面でも芳しくはないため、オーディオ・DTM方面には弱いOSである。ただし、こうした点が徐々に改善されてきているのも事実だ。たとえばAndroid 10からは、下記リンクのようにハイレゾサポートが明記されている(上記ウォークマンは、Android 9を搭載する)。
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