5月20日22時、インテルの第10世代Coreプロセッサー登場に合わせて、新チップセット「Z490」を搭載するマザーボードが各社から販売開始となる。
GIGABYTEのZ490マザーボードは計10製品をラインアップするが、この記事ではATXフォームファクターの「Z490 AORUS PRO AX」、Micro ATXの「Z490M GAMING X」、Mini-ITXの「Z490I AORUS ULTRA」と、各フォームファクターごとにおすすめの製品をそれぞれ1つピックアップし、紹介していこう。
2.5Gbps LAN、Wi-Fi 6対応のATX高機能モデル
「Z490 AORUS PRO AX」
「AORUS PRO」シリーズは、GIGABYTEのゲーミングブランドである「AORUS」の中でも、機能性を高めたミドルハイクラスの製品群だ。
最新世代の「Z490 AORUS PRO AX」は、最大10コア/20スレッドのSKUをラインナップする第10世代Coreプロセッサーを制御するための電源回路設計はもちろん、2.5Gbps有線LAN、Wi-Fi 6対応無線LANの搭載など、最新規格のネットワーク機能を備える多機能ぶりが特徴。
ハイエンドCPUを搭載しつつ、機能性にも妥協したくない、比較的コア層のゲーミングユーザー向けの製品と言えるだろう。
1世代前の製品である「Z390 AORUS PRO」は、大型I/Oシールドやチップセットカバー、メモリースロットなど各所がマルチカラーのLEDで発光するド派手な外観が特徴だったが、「Z490 AORUS PRO AX」は発光箇所を減らし、落ち着いた装いに進化。
ほぼ全体が黒・グレーカラーで、一般的なPCケースやその他のPCパーツと組み合わせても統一感を出しやすくなっている。好みの問題もあるとは思うが、この世代のGIGABYTE製品は全体としてシックな魅力を備えた外観が特徴と言えそうだ。
Z490マザーボードではCPUソケットが「LGA 1200」に刷新されており、現状のところ搭載できるのは最新の第10世代Coreプロセッサーのみ。ソケットのサイズやクーラーのホール設計はこれまでと同じなので、CPUクーラーはLGA 115x対応の製品が流用可能だ。
CPU電源回路は全体としてフェーズ数が増加傾向にあり、「Z490 AORUS PRO AX」は55A DrMOSを使用した12+1フェーズのデジタル回路を搭載している。
CPU補助電源は8+4ピンで、多コアCPUにも安定した電力供給を可能としている。基板は電力効率を高めつつ温度を低減する、GIGABYTEおなじみの「2x Copper PCB」だ。
対応メモリー容量は最大128GB(32GB×4、デュアルチャンネル)で、XMP設定でDDR4-5000もの高クロックをサポート。ストレージはSATA 3.0(6Gbps)ポート×6のほか、3つのM.2スロットを備える。
ただし、PCI 3.0 x4接続で使用できるのはヒートシンク付きの2段目、3段目のスロットのみで、最上段のスロットは次世代プロセッサーを搭載した場合にのみ有効化される「M.2 PCIe 4.0 スロット」となっている。
次の世代のインテル製CPUについては特に発表がないものの、世代をまたいで長く利用できることをアピールしている。
CPUは買い替える可能性があるが、マザーボードは引き続き利用したい……という人にとってはうれしいポイントだろう。ちなみに、下2段のスロットのみ金属製ヒートシンク「Thermal Guards」を備えている。
拡張スロットはPCIe 3.0x16スロット×3(PCIe x16_1は最大x16動作、PCIe x16_2は最大x8動作、PCIe x16_3は最大x4接続)、PCIe x1スロット×2で、マルチグラフィックスはNVIDIA 2-Way SLI、AMD 2-Way CrossFireXに対応。こちらも、次世代CPUとの併用でPCIe 4.0接続を利用できるとしている。
PCIe x16_1およびPCIe x16_2スロットは金属補強とともにアンカーポイントを増やした「Ultra Durable PCIe Armor」となっており、近年の重量級グラフィックスカードを装着した場合でも安定感があるだろう。
背面インターフェース類は、USB 3.2(Gen1 Type-C)×1、USB 3.2(Gen2 Type-A)×2、USB 3.2(Gen1 Type-A)×5、光デジタル出力端子×1、オーディオジャック×5などを装備。映像出力はHDMI×1のみ。また先に述べた通り、最新規格と言える2.5Gbpsの有線LANポート(Intel 2.5GbE LAN chip)、Wi-Fi 6対応無線LAN(Intel AX201)を備える。
無線を利用する場合、付属のアンテナを装着するのがベターだ。ちなみに、あわせてBluetooth 5.1にも対応する。
オーディオ関連は、Realtech製のオンボード高品質オーディオとして定評ある「ALC1220」を搭載し、7.1chや光デジタル入力に対応するなど、いかにもゲーミングを意識したという構成だ。
また、マザー自体は落ち着いた発光となったが、LEDストリップや発光パターン・カラー同期機能「RGB Fusion 2.0」はもちろん利用できる。
2つのアドレサブルLEDストリップヘッダーに加え、4ピンのRGB LEDストリップヘッダーをもう2つ備えるなど、出始めの頃に比べればはるかにヘッダーピンが増えており、ライトアップしたPCも作りやすい。
実売価格は3万2500円前後と、多機能モデルとしては比較的リーズナブルな価格帯に留まっている。同社のWi-Fi 6対応マザーボードとしてはもっとも安価でもあるので、ゲーマー向けとしてはもちろん、ネットワークや耐久性にもこだわりたいユーザーにおすすめだ。
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