ノウハウを積み重ね、さらに大きなバーチャルショップ展開も
一通りVIVE VR Storeの説明を受けた後は、HTC NIPPON代表取締役社長の児島全克氏と、Gugenkaプロデューサーの三上昌史氏、そしてストアアンバサダーでGugenkaバーチャルショップの店長でもある「エピト」さんからお話を伺うことができた。
もちろん、インタビューはVR空間内で行なっている。こんな取材の仕方は初めてだったのでかなり新鮮だった。
●児島氏
これからはVRの時代になっていくなかで、地理的な制約を超えてこうしてバーチャルで買い物ができるお店が出てくるだろうというのを見越して、まずは日本からスタートしてみようと思い、試験的ではありますが今回のVIVE VR Storeという取り組みを実施しました。
もちろんこういった取り組みは初めてなので、いろいろな問題点や、成功体験もたくさん出てくると思います。そうした経験を集め、何か月かかけてより改善を加えていこうと思っています。
VIVE製品だけでなく、VIVEのアクセサリー、サードパーティー製のアクセサリーも取り揃えて、“ここに来ればVIVE関連の製品もすべてわかる”というようなお店にしたいと思っています。購入ももっと簡単に、手に取ってクリックすればすぐに購入出来る形にするなど、さらに便利な機能を追加していって、最終的には“フェーズ2”という形でより大きなお店をオープンしたいと思っています。
●三上氏
VRが出始めた当時にインパクトが強かったのは、やはり360度見渡せる映像の没入感などですが、2020年になった今、VRの機能として注目されているのが“コミュニケーション機能”です。
ワンクリックでモノが買えてそれが自宅に届くという、利便性が追及されているネットショッピングの時代のなか、バーチャル空間で店員さんとお話してコミュケーションをとれるというところも、バーチャルショップの楽しみ方の1つになると思います。
このVIVE VR Storeでは、例えばVIVEシリーズの製品でどれを買ったらいいのかわからないといったユーザーも、ECサイトでは聞ける相手がいないのに対して、バーチャルショップでは気軽に店員さんに相談しながら、自分に最適な製品を購入できる。私も今は動物のアバターですが、こうしたさまざまな可愛らしいアバターで接客してもらうことによって、もっと買い物を楽しめるのではないかなと思っています。
●Gugenkaバーチャルショップ店長 エピトさん
GugenkaバーチャルショップとVIVEさんとのコラボが発表になったときに、HMDを使わずにVRChatを遊んでいるデスクトップ勢の方から「VR機器について知りたかったから嬉しい」という声も多くいただきました。
また、バーチャルショップをきっかけにVRChatを始めた方などもいらっしゃいますので、そうした方も含めて、いろんな方にこういう素敵な製品があるというのを知っていただければいいなと思います。今からすごく楽しみです!
今回アンバサダーに就任したVTuberたちにストアの印象を聞いてみると、「時代の最先端」「映画の中にいるような感じ」など、見た目の印象は上々のようだ。また、中には普段からVIVEを使っているというメンバーもいて、そうしたメンバーから見てもバーチャル空間で展示しているVIVE製品モデルのクオリティーは折り紙付き。VRChatやVIVE製品の良さを伝えられるようにと、意気込みを新たにしていた。
まさに「SF世界のお店」
気軽に体験できるのも嬉しい
今回のVIVE VR Storeのようなバーチャルショップは、オンラインでありながら実際の店舗の良いところも持ち合わせた、これからの新しい“お店”のカタチの1つともいえるだろう。
先述した通り、PCスペックが足りてさえいれば、VRChatは誰でも無料でプレイできる。HMDが無くても遊べるので、「VRに興味はあったけれど、知識はないので誰かに相談したい」といった人にも絶好の場だ。もちろん、SF好きでこの「未来感」を体験したいという人にもオススメできる。
また、昨今は新型コロナウイルス感染症の影響などもあり、実際の店舗を訪れるのが難しくなっている。これにより、特に電化製品などにおいては、豊富な知識を持った販売員の人に直接製品について教えてもらえる機会が減って困っているという人もいるのではないだろうか。
まだまだ課題は多いものの、オンライン上で製品についてリアルタイムに相談できるバーチャル店舗は、そうした問題を解決できる選択肢の1つとなるかもしれない。
「VIVE VR Store」の詳しいアクセス方法などは、Gugenkaのイベントページから確認できるので、気になった人はぜひチェックしてみてはいかがだろうか。
(提供:HTC NIPPON)
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