VIVE Cosmos譲りの高スペックでVIVEトラッカーも使える
発売前の最新VR HMD「VIVE Cosmos Elite」 を体験!新たなVR入門機として注目
HTC NIPPONは、VRヘッドマウントディスプレー(HMD)「VIVE」シリーズの新製品「VIVE Cosmos Elite」を国内発売する。3月18日から予約販売を開始し、希望小売価格は10万9990円(税別)。
VIVE Cosmos Eliteは、解像度2880×1700ドット(両眼)とVIVE Cosmosの高解像度を引き継ぎつつ、ベースステーションによるトラッキングシステム「Lighthouse」を採用した製品。既存のVIVE Cosmosは、同社のPC用VRHMDとしては、初めて外部デバイスなしで位置トラッキングを可能にしていた。
しかし、VIVE Cosmos Eliteでは、VIVE Cosmosより前のVIVEシリーズにて採用していた「Lighthouse」を採用し、より広い範囲のトラッキングに対応。さらに、VR空間にトラッキングできるモノを追加できる「VIVEトラッカー」など、従来のオプションも利用可能にし、高い汎用性を持った製品となっている。今回、発売に先駆けて本製品を触らせてもらうことができたので、その様子をレポートしていく。
高スペックなVIVE Cosmosのままに、
ベースステーションでさらに自由に
PCに接続して使用するVIVEのHMD「VIVE」や「VIVE Pro」などの従来機は、外部からVR HMDの位置やコントローラーの位置などをトラッキングするためのデバイス「ベースステーション」が必要だった。ベースステーションは、放射状にレーザーを発生させる。HMD側には、それを捉える光センサーが複数埋め込まれており、そのセンサーがレーザーを捉えることで、PC側にHMDの座標情報が伝わるという仕組みだ。
そんななか、2019年10月に発売された「VIVE Cosmos」は、本体スペックがパワーアップしたほか、カメラを使ったインサイドアウトトラッキングシステムによってベースステーションを使わずに使用できるという、これまでのVIVEシリーズと異なる新たな路線を切り開く製品になっていた。
VIVE Cosmos EliteはそうしたCosmosの名を冠する新製品のわけだが、再びベースステーションを採用。「一度はベースステーションをなくしたのに、なぜ改めてベースステーションに対応したのか?」と疑問に思う人もいるかもしれない。今回のVIVE Cosmos Eliteは、VIVE Cosmosの高い本体スペックを生かしつつ、ベースステーション対応でさらに自由なVR体験を提供する製品、という位置づけになる。
ベースステーションがないことでセットアップが簡単、というのはVIVE Cosmosの特に大きな特長であるが、そもそもVIVE Cosmosの強みはそれだけではない。片目1440(合計2880ドット)×1700ドットとVIVEシリーズの中でも最も高い解像度のディスプレーを搭載するなど、本体スペックも高くなっている。
さらにVIVE Cosmosは前面のパネルモジュールを換装することで、後付けで機能拡張できるという特徴もある。手軽さだけでなく、VR HMDとして高いポテンシャルを秘めた製品であるといえる。
VIVE Cosmos Eliteは、そうした高いポテンシャルをそのままにベースステーションに対応することで、足や腰などの部位に取り付けて全身の動きをトラッキングできるVIVEトラッカーの利用も可能になっている。
また、VIVE Cosmos Eliteのパッケージに同梱されているのはベースステーションのバージョン「1.0」だが、バージョン「2.0」にも対応しており、ベーステーション 2.0を使えば30平方メートルとかなり広範囲なプレイエリアで遊べる。そのほか、同じベースステーションを活用するVALVE社の「VALVE INDEX」用コントローラーとも互換性があるなど、デバイス面での自由度が高い。
VIVE Cosmosの高いスペックを生かしつつ、よりユーザーが自分に合わせた環境を構築できる製品が、このVIVE Cosmos Eliteといえるだろう。
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