FAudioは香港の新進ブランドだ。耳型を採って制作するカスタムIEM(In Ear Monitor)を手掛けており、10万円を超す高級モデルもラインアップされている。
「Scale」は、もともとカスタムIEMとしてリリースされていたが、代理店のミックスウェーブとFAudioが、エントリーモデルとしてユニバーサル型を開発。昨年、Campfireで先行販売が実施され、目標金額の482.7%の出資を得るなど好評を博した。その後、4月から一般販売が始まっている。
ハイブリッド型、独自技術のT.C.Tでドライバーの能力を引き出す
Scaleは、直径8mmのダイナミック型ドライバーと、バランスド・アーマチュア(BA)型ドライバーを組み合わせたハイブリッド構成となっており、実売価格は3万円台半ば。カスタム版に比べればだいぶ安価な設定で、高級イヤホンを探している人にとっては注目すべき存在になっている。
特徴的なのは、2基のドライバーが担当する周波数帯域を分割せず、どちらもフルレンジで使う点だ。独自のチューニング技術「True Crossover Technology」(T.C.T)により、各ドライバーの性能を最大限引き出す仕組みになっているという。
デザイン面では質感が高く、しっかりとつくりのケースも付属する。また、最近の高級イヤホンで増えているが、ケース収納時にイヤホンが傷つかないように、左右のイヤホンを入れられる小さな袋も付属している。イヤーチップは独自開発の「FA Vocal」「FA Instrument」 、そして低反発型の「FA Foam」が付属する。
FA Vocal/FA Instrumentは、ノズルの長さや軸の内側のコーティングを変えることで異なる特性にしており、FA Vocalではボーカル再生に特化、FA Instrumentはタイトな低域再生と楽器の音にフォーカスした音作りになっているという。
付属ケーブルは3.5mm端子のみだが、4本の銀メッキ銅導体を用いた「Silver Plated Litz Cable」を採用。ジャケットも耐久性と耐酸化性をもつ医療用グレードのPVC素材を用いている。細いがしっかりとしており、柔軟性があって絡みにくい。取り回ししやすい仕上がりになっている。イヤホン側端子はカスタムIEMで多い2pin端子となっており、端子部には金メッキしたベリリウム銅を使用している。
周波数特性は15Hz~20kHz。インピーダンスは35ΩとIEMとしては高めだが、感度も110dB/mWと高めだ。携帯プレーヤーなどでも音量は取りやすいし、極端な低インピーダンスになると、それはそれで鳴らしにくい面があるので、ちょうどいい線と言えるのではないだろうか。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります