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CPUソケットはLGA1200、Intel 400シリーズチップセット搭載マザーボードに対応

Comet Lake-SことデスクトップPC向け第10世代Core発表、最上位のCore i9は10コア最大5.3GHzでCore i7/i5/i3はHT解禁!

2020年04月30日 22時00分更新

ソケットはLGA1200、チップセットはIntel 400シリーズに

 マザーボードの話題に移ろう。今回はIntelとして実に第6世代Coreプロセッサー(開発コードネーム:Skyalake-S)から4世代ぶりに新ソケット「LGA1200」になった。とは言え、これまでもSkylake-S/Kaby Lake-Sと、Coffee Lake-S以降でのLGA1151ソケットは物理的には共通でも電気的な互換性はなかったので、厳密に言えば2年ごとの刷新になる。

 LGA1200の特徴はピン数がこれまでのLGA1151よりも多くなったが、ソケットサイズは変わっておらず、CPUクーラーのホール設計も変更がない。つまり、従来のCPUクーラーが使える。上位SKUはTDP125Wなので、ある程度強力な簡易水冷クーラーを使ったほうが無難だが、すでに利用しているユーザーなら追加投資せずともよさそうだ。

Intel Z490チップセットのブロック図

Intel H470チップセットのブロック図

 チップセットはIntel 400シリーズになり、新たに2.5Gb有線LANのIntel Ethernet Connection(開発コードネーム:Foxville)やWi-Fi 6(CNViと外付けの両方)をサポート。それ以外の仕様は上図の通り、Intel 300シリーズとほとんど同じだ。PCI Expressの規格は3.0で、合計レーン数はCPUが16レーン、チップセットが24レーンの合計40レーンとなる。

オーバークロック向けの新仕様

 Comet Lake-Sでは全体的に前世代から大幅に動作クロックを引き上げられているのが特徴だが、それはIntelの聖域である「ゲーミング」市場のシェアを守るためだ。マルチスレッドに最適化されたPCゲームが増えてきてはいるが、まだまだ4コア/8スレッドを想定して作られたゲームが大半だ。ゆえに、ある程度のコア数があれば、そこからは動作クロックを高くしたほうがフレームレートに影響するメリットが大きい。

 とは言え、同じ製造プロセスで動作クロックを上げ続ければ当然ぶつかるのが「熱問題」だ。そこで、Intelは第9世代Coreプロセッサーでダイとヒートスプレッダーの間のTIM(Thermal Interface Material)をグリスからソルダリングに変更し、熱伝導性を高めた。そこを第10世代Coreプロセッサーではさらに改良し、「Thin Die」と呼ばれる薄いダイを用い、そのぶんヒートスプレッダーを厚くしている。

薄いダイにすることによって、そのぶんヒートスプレッダーを厚くしている

 実際、オーバークロッカーの中にはCPUを殻割し(ヒートスプレッダーを外す行為)、別途熱伝導性の高いヒートスプレッダーに交換するユーザーもいる。この新しい厚めのヒートスプレッダーがどの程度有効なのかはわからないが、TDPは125Wといろんな意味で使い手を選ぶCore i9-9900KS並みの発熱が予想できる。おそらく、ダイは薄くとも物理コアが2コア増加しているぶん面積を広げるなりして、熱密度を調整していると思われる。

 また、設定できるオーバークロックの項目も増えている。コアごとにHTの有効/無効が切り替えられ、PEG/DMIのオーバークロック、電圧や動作クロックのカーブを調整できる模様だ。純正ツールである「Intel Extreme Tuning Utility」も刷新しているとのこと。

いじれるオーバークロックの項目が増えた

ゲーミング性能は第9世代Coreと比べて最大33%、第7世代Coreとの比較なら最大81%増

Core i9-10900Kと前世代のCore i9-9900K、3年前にあたるCore i7-7700Kの比較

 ここからはIntelが自社で行なったベンチマーク結果をお伝えしよう。いわく、Core i9-10900Kと前世代のCore i9-9900K(8コア/16スレッド、3.6~5GHz)で比べた場合、PCゲーム「Mount & Blade II: Bannerlord」ではフレームレートが最大33%増になるという。一方で、3年前の最上位「Core i7-7700K」(4コア/8スレッド、4.2~4.5GHz)と比べてみると最大81%も伸びており、動作クロックの伸びと物理コアの倍増がストレートに効いている印象だ。

 冒頭に載せた資料にある「World's Fastest Gaming Processor」の言葉通り、Intelのゲーミング押しはまだまだ続く。ゲームの最適化も積極的に行なっていくようで、「Total War: THREE KINGDOMS」や「Remnant: From the Ashes」でCPUを有効利用できるようにしたりと、デベロッパーへの働きかけも忘れていない。

 競合のAMDと比べて、メインストリームにおけるメニーコア化やプロセスの微細化で出遅れてしまったIntelだが、ゲーミングPC市場における主権は死守したいところなのだろう。販売日の情報は現時点では未定だが、レビューができるようになったらその性能を改めて詳しくお伝えしたい。

Total War: THREE KINGDOMSでは快適に遊べるフレームレートを維持しながら、CPUリソースをうまく使って画面上の表示ユニット数を増やせる

Remnant: From the Ashesでは隠れて見えない部分のレンダリングを省く「オクルージョンカリング」に使うCPUのリソースをより多く利用するなどして、最適化している

※訂正:メーカー提供資料の一部(前世代との性能比較)が訂正されたことを受け、記事を訂正しました。(2020年5月8日)

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